キャデラックF1が語る“桁違い”の初リバリー発表 スーパーボウル開催の狙い

アメリカの新規参戦チームであるキャデラックF1は、2026年にグリッドが11チームへ拡大される中でF1に加わる。
これは2016年以来となる体制だ。多くのチームが従来型のローンチイベントを予定する中、キャデラックは異例の一手として、世界で最も視聴者数の多いスポーツイベントのひとつであるスーパーボウルへの参加を選択した。
2月8日に開催されるスーパーボウルでの露出に伴い、30秒のテレビCM枠はおよそ800万ドル(約12億円)に達するとされており、今回のリバリー発表はF1史上でも屈指のコストを伴うものとなる。それでもチーム代表のグレアム・ロードンは、その価値を強調する。
「我々がF1参戦を支持する理由として掲げてきたのは、新しいファンをF1に引き込むことを、本物の形で実現したいという点だった」とロードンは語った。
「これはその具体例だ。F1にとっても非常に良いことで、チームにとっても素晴らしい。文化、より広いスポーツ、F1、そして我々が持つアメリカ的なヘリテージ、そういったすべてをつなぐものだ」
「それは同時に、このチームがどう物事に取り組んでいくかを定義するものでもある。もしこの取り組みで新しいファンがチームを応援してくれるようになり、さらにF1そのものに興味を持ってくれるなら、それ以上のことはない」
「すでにF1のファンである人たちはもちろんだが、これを見て『これはかなりクールだ』と思ってくれる人が増えることを期待している」

キャデラックF1参戦までの道のりと“参加型”のビジョン
キャデラックのF1プロジェクトは、元ドライバーのマイケル・アンドレッティがアメリカの新チーム立ち上げを目指したことから始まった。当初は他チームやF1側からの反発もあったが、ゼネラルモーターズが主導権を握り、2026年参戦に向けた投資を本格化させたことで状況は一変した。
デビューを目前に控えた今、ロードンはファンを巻き込むことの重要性を改めて強調する。
「リバリーを発表する瞬間は誇らしいものだし、できるだけ多くの人に届ける絶好の機会だ」と語る。
「クルマを見てもらい、チームに興味を持ってもらいたい。我々は、ただ活動を眺めてもらうだけではなく、新しいチームを作り上げていくこの旅に、一緒に参加してほしいと常々言ってきた」
「新規参戦は本当にめったに起こらない。我々はこれをとてもクールな旅だと思っているし、そこに加わってくれる人が多ければ多いほど良い。スーパーボウルという取り組みが、その大きな一歩になることを期待している」
世界最大級のスポーツイベントを舞台にしたキャデラックF1の初リバリー披露は、単なる発表の枠を超え、F1の新たなファン層を切り拓く象徴的な瞬間となりそうだ。
カテゴリー: F1 / キャデラックF1チーム
