角田裕毅 F1イギリスGP会見「レッドブルからはこれまで以上のサポート」
2025年F1イギリスGPの木曜記者会見に、角田裕毅(レッドブル・レーシング)が登壇。昇格から約3か月、まだ十分な結果を残せていない現状について率直な心境を語りつつ、レッドブルからの支援体制と自身の課題克服への取り組みを明かした。

角田裕毅はオーストリアGPでの自責のレース展開や、RB21におけるロングランでの苦戦について正直に振り返った一方、「今は正しい方向に進んでいる」と前向きな姿勢を強調。

マシンの特性に順応するために新たなドライビングスタイルにも挑戦しており、クリスチャン・ホーナーやヘルムート・マルコからのサポートの厚さにも感謝を示した。

Q:オーストリアでは厳しい週末だった。どんな問題があったと考えている?

角田裕毅:問題は僕自身にありました。オーバーテイクしようとした場面で、もう1周待てばよかったと思います。あの状況であそこまでプッシュする必要はなかったですし、レースクラフトとしては理想的じゃなかったです。

ペースに関しては…そのあとフロントウイングを交換していて、そこからの走行は
正確な比較材料にはならなかったと思います。でも、今シーズンを通して取り組んでいるのはロングランで、そこが一番苦戦しているところです。

なので、ここに向けて数日間いろいろ取り組んできました。これまで考えたことがなかったようなアプローチも試す予定なので、楽しみにしています。ショートランについては、自信のあるレベルまで早く戻せると信じています。

Q:レッドブルは“ワンカーチーム”だという声もある。チームからのサポートは十分に感じている?

角田:はい、間違いなくサポートを感じています。特に最近はクリスチャンやヘルムートから、これまで以上のサポートをもらっています。イギリス南部に行ってリフレッシュする時間をもらったのも彼らの提案でしたし、そういったサポートが僕にとってはすごく大きな意味を持っています。

さらに、通常なら認められないようなことも、僕の成長のために試させてもらっていて、本当にありがたいと感じています。

角田裕毅 レッドブル F1 イギリスグランプリ

Q:マックス以外のドライバーにとってRB21に順応するのは難しい?

角田:ドライバーによると思いますが、少なくとも今のところ、このクルマにすぐ慣れたという人は見たことがないです。それは事実としてあると思います。

でも、少なくともショートランに関しては良い方向に進んでいると思っています。オーストリアではQ1で敗退しましたが、ギャップはかなり小さかったです。マックスとの比較ではまだ差がありますけど、今後アップグレードが入ると聞いていますし、パッケージが揃えばチームの期待するレベルに届けるという自信はあります。

ロングランはまだ課題ですが、これまでF1で一度も試したことがないようなドライビングスタイルも含めて、いろいろ学びながら取り組んでいます。

VCARBのときはマシンの特性を完全に理解していて、最初のプッシュから全開でいけました。でも今のレッドブルでは、まずはビルドアップする必要があると感じています。それは僕にとって正しいアプローチだと思っていますし、間違いではないと思っています。ただ、時間は少しかかります。

1シーズンかかるかはわかりませんが、少なくとも今は前向きな方向に進んでいるという点がポジティブです。

Q:ヘルムート・マルコが「今季中の交代はない」と明言していることは安心材料になる?

角田:そうですね、「2戦後に交代」なんて言われるよりは、はるかに安心できます。クリスチャンもヘルムートもすごくサポートしてくれています。オーストリアでのレースにはもちろん満足していなかったと思いますが、それでも変わらず僕の成長をサポートしようとしてくれています。

彼は僕の才能やスピードを信じてくれているので、それを結果で証明する責任は僕にあると思っています。ヘルムートはいつも率直に意見を言ってくれますし、それがプレッシャーになることもありますが、そのおかげで自分でも気づかなかったような力を引き出せることもあります。ジュニア時代からそういう関係でやってきたので、今もそのサポートに本当に感謝しています。

Q:ザク・ブラウンが「マックスがいなければレッドブルはVCARBの後ろ」と発言したが、それについてどう思う?

角田:うーん…たしかに、今の僕のパフォーマンスを見れば、そう思われるのも仕方ないかもしれません。ただ、オフシーズンのテストには僕は参加していなかったので、詳しいことは分かりません。

VCARBは良いパフォーマンスを見せていて、僕自身も最初の2戦は良い走りができたと思っています。オーストラリアや中国では戦略などで少し混乱がありましたけど、すべてうまくいっていればもっとポイントが取れていたはずです。

でも今は完全にレッドブルに集中していて、このマシンはうまく使えば十分戦えるポテンシャルがあると感じています。あとはもっと理解を深めていくだけです。エンジニアとも密に話し合いを重ねていますし、彼らの考え方をより深く理解する努力をしています。

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / F1イギリスGP