角田裕毅の不振 「今ここで交代する意味はまったくない」とレッドブルF1首脳

「マックスはいいスタートを切ったが、ターン3の外側に膨らんで、リスクを避ける走りをしていた。ところが、どこからともなく(アンドレア・)キミ・アントネッリがロックした状態で突っ込んできて、完全に彼を吹き飛ばしてしまった」
「タイム分析を見る限り、我々は表彰台を争えたはずだ。メルセデスとザウバーは速くなかったし、フェラーリも特別速いという印象はなかった。マクラーレンは手が届かない存在だったが、少なくとも3位は可能だった。残念ながら、スタート位置が後方だと、誰かが愚かなことをする可能性に常に備えなければならない」
アントネッリについては、「フェルスタッペンの部屋まで来て、再度謝罪した。2人の間には非常にフェアな関係がある」と明かした。
タイトル争いは「ほぼ絶望的」
今後のタイトル争いへの影響について問われると、マルコは悲観的な見解を示した。
「ほぼ耐えがたいほどのビハインドになった。何か特別なことが起きない限り、チャンピオンシップは終わったと考えなければならない」
角田裕毅の不調と今後の立て直し
フェルスタッペンがいなくなった後の1台を託された角田裕毅については、マシンのペース不足とメンタル面での課題を指摘。
「彼は週末を通して苦しんでいた。予選でも明らかだったし、今日はフロントウイングにもダメージがあり、何もできなかった。ペースがなかった」
「今の裕毅は自信を失っている。無理なオーバーテイクを仕掛けて接触し、10秒ペナルティを受ける。彼がフリー走行で見せる速さを週末全体で発揮できるよう、どうやって安定させるかを考えなければならない」

ローソンとの対比と決断の正当性
角田裕毅を昇格させ、リアム・ローソンをリザーブに戻した判断について問われると、マルコはこう答えた。
「ローソンも一度は地に落ちた状態だった。数戦を経て立ち直ってきたところだ。今日も1ストップ戦略でアロンソを抑えきって素晴らしい6位を獲得した。マックスを除けば、他の誰にもあの走りはできなかったと思う」
「裕毅については、イモラでの大クラッシュなど、負の連鎖が続いている。だが、スピードはある。プレッシャーがかかるときにどう対応するか、そこを解決しないといけない」
交代は否定「今変える意味はない」
角田の状況については「まだ我慢する」と明言。
「今ここで変えるのは全く意味がない。我々は時間がないが、来週のシルバーストンに向けて全力で彼を立て直すつもりだ」
なぜ誰もフェルスタッペンの隣で成功できないのか
「マックスは間違いなく史上最高の1人だ。彼の凄みは、非常にドライブしにくいマシンでも、予選で突然驚異的なタイムを出せるところ。チームメイトはそれに絶望し、ミスやクラッシュに繋がる。そして自信を失っていく」
「今はその状況をどう救うかを考えている。少なくとも、次戦以降は裕毅にポイントを取らせたい」
フェルスタッペンのメルセデス移籍について
最後に、ジョージ・ラッセルが言及したフェルスタッペンとメルセデスの交渉について、マルコは次のように否定した。
「2028年までの契約がある。その契約にはパフォーマンス条項があるが、現時点では契約履行に疑いの余地はない」
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