角田裕毅には「表彰台に上がるだけの才能はある」 レッドブルF1マルコ

2025年シーズンにセルジオ・ペレスの後任として当初は新人リアム・ローソンを起用したレッドブルだったが、開幕からわずか2戦でその決定を変更し、角田裕毅をマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして起用した。角田裕毅のレッドブル昇格は彼の母国グランプリである鈴鹿の直前に決定され、大きな注目を集めた。
しかし、RB21への適応には苦戦しており、昇格以降の獲得ポイントはグランプリで4点、マイアミのスプリントで3点の合計7点にとどまっている。
マルコは『The Inside Track』のインタビューで次のように語った。
「裕毅はいいスタートを切った。われわれが期待していたほどの結果は出ていないが、金曜日の時点では常にマックスからコンマ1~2秒以内にいる。これはここ数年なかったことだ」
「彼にはスピードがある。それをポイントという結果につなげなければならない。表彰台に上がるだけの才能はある。メンタル面のアプローチも改善された。裕毅がラジオで感情的になるのは皆が知っているが、それも学んで克服しつつある」
「彼は速いドライバーだ。ただ、すべてを噛み合わせなければならない。マックスを打ち負かそうとする必要はない。それは不可能だと彼自身も認識していると思うし、今後多くのポイントを稼いでくれることを期待している」

レッドブルのマシンはフェルスタッペンのドライビングスタイルに特化して設計されているとされ、多くのドライバーにとっては適応が難しい。そのため、角田裕毅がRB21への対応に今後も苦しむようであれば、2026年の契約延長は見送られる可能性がある。
そうなれば、レーシングブルズのドライバーたちが後任候補として浮上してくることになる。ローソンのチームメイトであるアイザック・ハジャーはデビューイヤーから高評価を得ており、フェルスタッペンと似たドライビングスタイルを持つため、RB21にも適応しやすいとみられている。
カナダGPの週末に先立ち、ハジャーはメディアに対し次のように語っている。
「確かに、自分が(フェルスタッペンの)チームメイトになる準備ができているとは思わない。それは事実だ」
「でも今いる場所で経験を積むことは良いことだと思っているし、毎週末すごく楽しんでいる。多くを学んでいるし、このマシンを運転するのも好きだ。だから将来的にどうなるか見てみよう。僕はレッドブルのジュニアドライバーだし、この道筋が自然な流れなんだ」
またマルコは、現在F2に参戦しているレッドブル・ジュニアのアービッド・リンドブラッドにも言及し、「将来のF1候補が豊富に揃っている」と強調した。
「リンドブラッドはまだ17歳だ。父親はスウェーデン人、母親はインド人。彼を契約したとき、実際に交渉を進めて決断したのは本人自身だった。当時まだ12歳だったはずだが、正しい質問を投げかけてきたんだ。だからわれわれのパイプラインには才能があふれている」
将来的なF1昇格の可能性について、マルコは次のように続けた。
「彼は印象的な存在だ。ただ、まだ結果には表れていない。ポールポジションを狙える状況で赤旗が出るなど、2回も不運に見舞われた」
「最後の予選でも、あと0.8秒あれば通過できていた。でも彼の強みは精神力の強さとコミットメント、それに非常にプロフェッショナルな姿勢だ」
カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング