角田裕毅の不振で「レッドブルF1のタイトル消滅」とマルコが非難

日本人ドライバーである角田裕毅は、今季の第3戦からマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして出走。リアム・ローソンに代わってシートを得たが、レッドブルの“セカンドシート問題”の全責任を負う立場ではない。
しかしヘルムート・マルコは、自身のコラムでレッドブルが抱える根本的な問題を強調し、角田裕毅の最近のパフォーマンスを「明らかに満足できるものではない」とした。事実、角田裕毅はイモラ、モナコ、バルセロナというヨーロッパ3連戦でわずか1ポイントしか獲得できていない。
スペインGP終了時点で、レッドブルはコンストラクターズ選手権で4位に位置し、首位のマクラーレンに対して218ポイント差をつけられている(レッドブル144ポイント、マクラーレン362ポイント)。
この状況は、昨年セルジオ・ペレスを擁していた時とよく似ている。当時もマックス・フェルスタッペンが4連覇を達成した一方で、チームとしてはマクラーレンやフェラーリに敗れた。
ヘルムート・マルコはオーストリアの『Speedweek』に寄せたコラムで次のように述べた。
「コンストラクターズ選手権では、我々はすでに総合優勝を諦めた。もはやその可能性はない」
「これはもちろん、セカンドドライバーにも起因している。なぜなら角田裕毅は、ようやく走り始めたところだからだ」
「角田裕毅は直近3レースでわずか1ポイントしか獲得しておらず、これは明らかに満足できるものではない」

エミリア・ロマーニャGPの予選で大クラッシュを喫した後、決勝で10位入賞を果たした角田裕毅だったが、その後モナコとバルセロナでは無得点。特にスペインでは予選最下位に沈んだ。
ヘルムート・マルコは、25歳の角田裕毅がマックス・フェルスタッペンと全く同じ仕様のマシンを使用しているわけではない点に言及し、これはイモラでのクラッシュによりアップグレード版の車体部品を失ったことが理由だと説明。ただし、プラクティスではマックス・フェルスタッペンから「0.1秒遅れ」程度に収まっているとも述べた。
しかし、ヘルムート・マルコは「本番になると状況が悪化する」とし、「角田裕毅はプレッシャーの中で苦しむ」と断じている。
「残念ながら、イモラでのクラッシュで新しいフロアとその他の新パーツを破損してしまったため、現在はマックスと同じ仕様では走れていない」
「新しいフロアは最低でも完成までに3週間かかる。そのため時間的制約もあり、カナダでは新パーツを投入できるよう取り組んでいる。それは問題ないと見込んでいる」
「だが、それが決定的な要因ではない。深刻なのは、フリー走行ではマックスから0.1秒差にとどまっているのに、予選になると差が広がる点だ」
「プレッシャーがかかると、彼はその中でうまくやれない。また、マックスのようにすぐに順応できるわけではない。マックスには慣らし運転期間など必要ないが、角田裕毅はマシンに馴染むのに時間がかかる」
それでも82歳のヘルムート・マルコは、角田裕毅に現時点で対するチームのスタンスとして「さらなるドライバー交代の予定はない」と明言した。
「角田裕毅にとって、今のマシンはまだ“自分のもの”という感覚が持てていない。彼はマシンに苦戦している」
「しかも、後方を走っていると色々と試す必要があり、調整作業が多くなる」
「角田裕毅にはもっと時間が必要だし、我々はその時間を与えるつもりだ。彼が今季末までこのマシンに乗り続けることを期待している」
カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング