角田裕毅 クリスチャン・ホーナーの冷遇はホンダのF1撤退への恨み?
角田裕毅が、今後レッドブル・レーシングへ移籍する可能性は限りなくゼロに近いと言われている。その元凶とされるのがチーム代表のクリスチャン・ホーナーの存在だが、ホンダと角田裕毅との関係を考えれば、それは致し方ないことなのかもしれない。
今年、F1参戦4年目を迎えた角田裕毅は、昨年のレッドブルRB19のコンポーネントを土台にしたVCARB 01で5レースでポイントを獲得。
予選でも決勝でも経験豊富なチームメイトのダニエル・リカルドを余裕で凌駕し、予選ではレッドブルのセルジオ・ペレスと同じ6回のQ3進出を果たすパフォーマンスを披露している。
しかし、レッドブル・レーシングは、公には角田裕毅を候補として名前を上げているものの、今季で満了するセルジオ・ペレスとの契約を来季も延長することが濃厚だと考えられている。
F1ファンの目から見ても、角田裕毅がレッドブル・レーシングの候補に上げられないのは奇妙だ。角田はホンダドライバーであるだけでなく、プログラムの外部から獲得したセルジオ・ペレスとは異なり、レッドブルが育成してきたドライバーでもある。
さらに角田裕毅は、パフォーマンスだけでなく、これまでレッドブル上層部が課題として挙げていた無線での暴言を含めた精神面でも成熟期に入っている。
それでも、クリスチャン・ホーナーは、角田裕毅を真のレッドブル・レーシングのドライバー候補として考えてはいない。
2021年のF1メキシコGPでは、セルジオ・ペレスが迫ってたため、進路を譲るためにコース外に出たが、乱気流に入ってしまったペレスはコースアウト。後続のマックス・フェルスタッペンは、埃が舞ったのを見て、二人が事故を起こしたと勘違いしてバックオフ。
クリスチャン・ホーナーはレッドブルのドライバーが『Tsunoda’d(ツノダされた』という造語を使って批判。日本のファンから人種差別的だと非難され、ホーナーが角田裕毅を嫌悪しているという印象がついた。
さらに今年のグリッドで“お気に入り”とされるダニエル・リカルドのグリッドには激励に向かっても、角田裕毅には声をかけない様子もその印象に拍車をかけた。
ホンダが撤退しなければレッドブルは自社エンジン開発という決断はしなかった
だが、クリスチャン・ホーナーが日本人を嫌いなのは事実かもしれない。彼はホンダの撤退に翻弄された。
マクラーレンとのパートナーシップが決裂したホンダのF1エンジンを救ったのはレッドブルだった。2018年にトロロッソに採用し、エンジン交換によるグリッドペナルティを気にせずに自由に開発された。
そして、2019年からはレッドブル・レーシングでもホンダのF1エンジンを採用して、ホンダに表彰台と勝利をもたらした。
だが、タイトル獲得の可能性が見えてきた2020年10月にホンダは2021年限りでのF1撤退を発表した。
その結果、レッドブルはエンジンがなくなり、2022年以降もホンダにエンジン供給を継続してくれるよう頼み込み、F1には2022年以降に1年前倒しでエンジン開発を凍結するよう交渉。さらに他社からのエンジン供給が望めないことから過去最大規模の投資をしてレッドブル・パワートレインズを設立して、自社製エンジンを開発する決断を下した。
しかし、その矢先、ホンダは態度を変え、2022年11月に2026年シーズンの新PU規定での製造メーカーに登録。さらに2023年5月には2026シーズンにパワーユニットサプライヤーとしてF1復帰し、アストンマーティンとワークスパートナーシップを締結することを発表した。自社エンジンの開発を進めていることから、電気部分だけの供給を望んだレッドブルのオファーを拒否したとも報じられている。
クリスチャン・ホーナーからすれば、ホンダが2026年にF1に戻ってくることが分かっていれば、レッドブルはわざわざ大規模な投資をして自社製F1エンジンの開発という賭けに出なくてもよかったはずだ。「フェラーリ以外でシャシーとエンジンを一つ屋根の下で製造する唯一のチームにある」というクリスチャン・ホーナーの発言は恨み節にさえ聞こえた。
角田裕毅に話を戻すと、ホンダとのセットでレッドブルの育成プログラムに加入したのだから、いくら実力があろと、ホンダとの関係が切れれば、関係もそこまでだろう。将来的にホンダのエンジンを搭載したライバルチームに移籍することがわかって起用するメリットはない。同じくホンダ繋がりの岩佐歩夢については、今年スーパーフォーミュラでタイトルを獲れなければ、それを理由にプログラムを外される可能性もある。
逆にホンダがF1から撤退せず、レッドブルと一緒に2026年の新レギュレーションにむけて開発を進めていれば、今の角田裕毅の実力があれば、レッドブル・レーシングのシートは確保できていたはずだ。
したがって、2026年に角田裕毅がレッドブルやRBのシートを失うことは容易に想像できる。もし、角田裕毅が2025年にレッドブル外のチームに移籍できたとしたら、契約で縛りつけて2026年に路頭に迷わせなかったことに感謝してもいいかもしれない。
カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / ビザ・キャッシュアップRB
今年、F1参戦4年目を迎えた角田裕毅は、昨年のレッドブルRB19のコンポーネントを土台にしたVCARB 01で5レースでポイントを獲得。
予選でも決勝でも経験豊富なチームメイトのダニエル・リカルドを余裕で凌駕し、予選ではレッドブルのセルジオ・ペレスと同じ6回のQ3進出を果たすパフォーマンスを披露している。
しかし、レッドブル・レーシングは、公には角田裕毅を候補として名前を上げているものの、今季で満了するセルジオ・ペレスとの契約を来季も延長することが濃厚だと考えられている。
F1ファンの目から見ても、角田裕毅がレッドブル・レーシングの候補に上げられないのは奇妙だ。角田はホンダドライバーであるだけでなく、プログラムの外部から獲得したセルジオ・ペレスとは異なり、レッドブルが育成してきたドライバーでもある。
さらに角田裕毅は、パフォーマンスだけでなく、これまでレッドブル上層部が課題として挙げていた無線での暴言を含めた精神面でも成熟期に入っている。
それでも、クリスチャン・ホーナーは、角田裕毅を真のレッドブル・レーシングのドライバー候補として考えてはいない。
2021年のF1メキシコGPでは、セルジオ・ペレスが迫ってたため、進路を譲るためにコース外に出たが、乱気流に入ってしまったペレスはコースアウト。後続のマックス・フェルスタッペンは、埃が舞ったのを見て、二人が事故を起こしたと勘違いしてバックオフ。
クリスチャン・ホーナーはレッドブルのドライバーが『Tsunoda’d(ツノダされた』という造語を使って批判。日本のファンから人種差別的だと非難され、ホーナーが角田裕毅を嫌悪しているという印象がついた。
さらに今年のグリッドで“お気に入り”とされるダニエル・リカルドのグリッドには激励に向かっても、角田裕毅には声をかけない様子もその印象に拍車をかけた。
ホンダが撤退しなければレッドブルは自社エンジン開発という決断はしなかった
だが、クリスチャン・ホーナーが日本人を嫌いなのは事実かもしれない。彼はホンダの撤退に翻弄された。
マクラーレンとのパートナーシップが決裂したホンダのF1エンジンを救ったのはレッドブルだった。2018年にトロロッソに採用し、エンジン交換によるグリッドペナルティを気にせずに自由に開発された。
そして、2019年からはレッドブル・レーシングでもホンダのF1エンジンを採用して、ホンダに表彰台と勝利をもたらした。
だが、タイトル獲得の可能性が見えてきた2020年10月にホンダは2021年限りでのF1撤退を発表した。
その結果、レッドブルはエンジンがなくなり、2022年以降もホンダにエンジン供給を継続してくれるよう頼み込み、F1には2022年以降に1年前倒しでエンジン開発を凍結するよう交渉。さらに他社からのエンジン供給が望めないことから過去最大規模の投資をしてレッドブル・パワートレインズを設立して、自社製エンジンを開発する決断を下した。
しかし、その矢先、ホンダは態度を変え、2022年11月に2026年シーズンの新PU規定での製造メーカーに登録。さらに2023年5月には2026シーズンにパワーユニットサプライヤーとしてF1復帰し、アストンマーティンとワークスパートナーシップを締結することを発表した。自社エンジンの開発を進めていることから、電気部分だけの供給を望んだレッドブルのオファーを拒否したとも報じられている。
クリスチャン・ホーナーからすれば、ホンダが2026年にF1に戻ってくることが分かっていれば、レッドブルはわざわざ大規模な投資をして自社製F1エンジンの開発という賭けに出なくてもよかったはずだ。「フェラーリ以外でシャシーとエンジンを一つ屋根の下で製造する唯一のチームにある」というクリスチャン・ホーナーの発言は恨み節にさえ聞こえた。
角田裕毅に話を戻すと、ホンダとのセットでレッドブルの育成プログラムに加入したのだから、いくら実力があろと、ホンダとの関係が切れれば、関係もそこまでだろう。将来的にホンダのエンジンを搭載したライバルチームに移籍することがわかって起用するメリットはない。同じくホンダ繋がりの岩佐歩夢については、今年スーパーフォーミュラでタイトルを獲れなければ、それを理由にプログラムを外される可能性もある。
逆にホンダがF1から撤退せず、レッドブルと一緒に2026年の新レギュレーションにむけて開発を進めていれば、今の角田裕毅の実力があれば、レッドブル・レーシングのシートは確保できていたはずだ。
したがって、2026年に角田裕毅がレッドブルやRBのシートを失うことは容易に想像できる。もし、角田裕毅が2025年にレッドブル外のチームに移籍できたとしたら、契約で縛りつけて2026年に路頭に迷わせなかったことに感謝してもいいかもしれない。
カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / ビザ・キャッシュアップRB