角田裕毅とのレッドブルF1昇格を巡る“軋轢”を否定するリカルド
ダニエル・リカルドは、RBのチームメイトである角田裕毅とレッドブルF1昇格をかけた“軋轢”を否定。RBでの好調なシーズンが来年に何を意味するかを知っているが、さまざまな憶測が飛び交う中、シンプルに、ドライバーとしてのコアミッションである「左より少し多く 右のペダルを踏む」ことに集中することを誓った。

セルジオ・ペレスとレッドブルとの契約はシーズン終了で満了となり、リカルドと角田裕毅はともに2025年のレッドブル・レーシングのシートを狙っている。

だが、どちらかのドライバーが起用される、さらにはペレスの契約が延長されないという保証もない。

実際、レッドブル・レーシングのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーはジェッダで、2024年の開幕2レースでのパフォーマンスに基づいてシートを維持するために「ポールポジションにいる」と述べ、一方で16人以上のドライバーが 「来年のマシンに乗ることを切望している」と明かした。

バーレーンでは、ハースのケビン・マグヌッセンを追い詰めるチャンスをリカルドに与えるため、レース終盤に角田裕毅がリカルドに譲るよう指示され、リカルドと角田の間に緊張が高まった。

レッドブルのシート獲得の可能性が角田裕毅と自分との間に軋轢を生んでいるのではないかという質問に対し、リカルドは将来について考えることではなく、ドライビングにのみ集中していると明言した。

「分からないけどね」とリカルドは冗談めかして言った。

「毎年プレッシャーを感じている。僕は明らかにトップチームにたどり着いた人間だけど、同時に契約を失って戦線を離脱していた人間でもあるし、いろいろなことを経験してきた」

「結局のところ、こういうことは単純化しなければならない。僕はここに立ってメディアに対応しているけど、ここ(サウジアラビア)にいる目的は、レースをすることであり、クルマをできるだけ速く走らせることなんだ」

「複雑に考えすぎたり、チームが僕をここで見ていたらどうしようとか、契約を得るチャンスはあるのかとか、いろんなことを考えすぎたりすることもある。でも、僕たちがしなければならないのは、右のペダルを左より少し多く踏むこと。本当にそれだけだ」

「正直なところ、時にはそんな単純なことに分解しなければならないこともある。正直、本当にそれが僕たちがここにいる理由なんだ」

角田裕毅とダニエル・リカルド RB・フォーミュラワン・チーム

残念ながら、リカルドの今年ここまでの成績は、8度のグランプリウイナーの立場を不安定なものにしている。サヒールでもジェッダでも角田裕毅に予選で負けており、決勝でも13位以上には入っていない。

RBチームのボスであるローラン・メキースはリカルドのモチベーションを疑っていない。

「彼はやる気と集中力を持っていると思う」とメキースは語った。「我々は、技術的に非常に高い水準で仕事をするドライバーを再発見したし、チームにとって彼は速さ以上に非常に重要な付加価値だ」

「そして、とても満足げで笑顔のダニエルを再発見できたことも良かった」。

しかし、RBの状況を注視しているヘルムート・マルコは、リカルドがパフォーマンスを大幅に向上させなければ、シートを失うリスクがあると主張する。

「裕毅にとってもダニエルにとっても、今シーズンは多くのことが懸かっている」とマルコはSpeedweekに語った。

「裕毅の予選はとても良かったし、リカルドもすぐに何かを見つけなければならない」

「少なくとも角田は予選ではとてもいい。最初のスティントでポイント圏内にいたものの、その後はさらに後退してしまう――タイヤに負担をかけすぎているのか、それとも他に原因があるのか、それを突き止める必要がある」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / ダニエル・リカルド / ビザ・キャッシュアップRB