「角田裕毅は過去の日本人F1ドライバーとは一味違う」海外メディアも注目
2021年にアルファタウリ・ホンダでF1デビューを果たす角田裕毅には、日本だけでなく海外からも大きな注目が集まっている。「角田裕毅はこれまでの日本人ドライバーとは違う」。スペインの El Confidencial は特集記事で分析する。

ホンダとレッドブルのサポートを受ける20歳の角田裕毅は、今年アルファタウリ・ホンダからF1デビュー。2021年のF1グリッドでは最年少であり、2000年代生まれの最初のF1ドライバーになる。

日本人ドライバーとしては2014年シーズンまで参戦していた小林可夢偉以来7年ぶり、ホンダのドライバー育成プログラム出身者としては2002年から2008年まで参戦していた佐藤琢磨以来13年ぶりのF1ドライバーとなる。

「世界最大な自動車メーカーがいくるかある。その中でトヨタとホンダは、1960年代から何億もの投資を行ってきた。日本のメーカーはF1に対しても並外れた情熱を注いできたが、ここまでF1のカテゴリーで戦った日本人20人のうち、表彰台に上がったのは3人だけ(そのうち2人は鈴鹿)であり、ポイントを獲得できたのは7人だけだ。大部分が栄光も痛みもなしに去っていった」

「だが、その流れは角田裕毅によっていつの日か全てが変わるかもしれない。ヘルムート・マルコ(レッドブルF1 モータースポーツアドバイザー)によってレッドブル・ジュニアチームに見出された日本人は大きく注目を集めることになった。2021年に彼はアルファタウリでデビューする。流星のようなバックグラウンドを持った彼は、今後どのような未来が待っているのだろうか」

「80年代、特に過去10年間で数名が定期的にグリッドに並んだが、様々な理由で日本人ドライバーはF1で成功していない。しかし、角田裕毅は2年前にマルコの命令でヨーロッパに到着して以来、その固定観念を打ち破ってきた。マルコは、英語を話さず、もしくは競争のために日本を離れてた18歳に高い基準を設定した。角田裕毅は結果を出した。これまでのようにレッドブルの期待を維持すれば、いつの日かマックス・フェルスタッペンのチームメイトになる可能性がある」

特集では、これまでなぜF1で日本人ドライバーが成功しなかったかについても考察している。

「なぜ日本人はF1で成功しないのか? 日本のモーターレースは常にある種の近親交配で生きてきた。数多くのサーキット、プロフェッショナルなチャンピオンシップがあり、大手メーカーの公式チームは、国内の素晴らしい契約と忠実なファンがいるプロのドライバーの移住を奨励していない。逆に多くの西洋人でさえ、日本でのプロフェッショナルな継続性を達成している」

「そのような近親交配は、国際選手権やサーキットで競争するリスクを冒すように彼らを鼓舞することはない。そのため、日本のドライバーは、ヨーロッパや南アメリカの下位カテゴリーから鍛えられた同世代のドライバーのような経験を欠いている。カルチャーショックと西洋のマシンの考え方も飛び込むことを妨げている」

「だが、角田裕毅はそうではない。若い日本人ドライバーの独自性を支持するいくつかの要因があった。その一方で、日本人の育成ドライバーをF1に連れて行くというホンダの意図だった」

「角田裕毅は、彼の流星のようなキャリア以前、ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクトの一部だった。近年のレッドブル・ジュニアチームの弱さは、フェルスタッペンのチームメイトを固めることができず、マルコに角田に目を向けさせた。オーストリア人は若い日本人を彼の伝統的な“グリーンベレー”プログラムにかけた。彼はヨーロッパに移住し、2年でF1に到達するためにスーパーライセンスを達成しなければならなかった」

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / スクーデリア・アルファタウリ