マックス・フェルスタッペン 「F1のルールが今のような走りを許している」

決勝序盤、フェルスタッペンはターン1でハミルトンのイン側に飛び込み、両者のマシンが軽く接触。その後フェルスタッペンはターン2と3をショートカットしてコースへ戻った。
一方、ハミルトンもターン4で外側から仕掛ける際にコーナーをカットし、フェルスタッペンの前に出た。
スチュワードはこの行為によって「持続的なアドバンテージを得た」と判断し、ハミルトン側に注意を与えた。この一連のやり取りが、レース後の議論を呼ぶことになった。
「賛否はあるが、それが今のルール」
フェルスタッペンはレース後、このシーンについて次のようにコメントした。
「今のルールは、僕たちがああいう走りをすることを許している。人によって賛成か反対かはあるだろうけど、それが今のルールなんだ」
そのうえで「この週末は全体的に難しかったけど、表彰台に上がれたのはポジティブだった」とも語り、レース全体としては結果を前向きに受け止めた。

曖昧なルール運用への暗黙の警鐘
フェルスタッペンの発言は、直接的な批判ではないものの、現行ルールの“曖昧さ”に対する皮肉とも受け取れる。今回のメキシコGPでは、複数のドライバーがコーナーショートカットを経てポジションを維持する場面があり、トラックリミットの判定基準が一貫していないとの指摘も出ている。
「ルールが許している」という言葉の裏には、フェルスタッペン特有の冷静な現実認識が見える。つまり、彼は“規則の中で最大限の利益を得る”というプロフェッショナルな姿勢を貫いており、その発言はF1のレース哲学そのものを映し出している。
マクラーレン勢の圧倒的な速さの中で、フェルスタッペンは3位表彰台を死守。だが、その裏で彼が示した「ルールへの洞察」は、今後のレース運営やペナルティ基準に一石を投じる発言となった。
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