フェルスタッペンがメルセデスのF1マシンでシムレース マルコ「現実とは別」
マックス・フェルスタッペンの今後が再びF1界の大きな焦点となっている。イギリスGPを終えたレッドブルは、ポールポジション獲得という希望と、滑りやすい路面で苦戦した決勝での失速という失望を味わったが、それ以上に衝撃だったのは、その数日後にクリスチャン・ホーナーが解任されたという事実だ。

オランダ紙『De Limburger』は、イギリスGP週末の時点ですでにホーナーの立場が危うくなっていたと報じ、「マーク・マテシッツとチャレーム・ユウウィッタヤの両オーナーに対し、今回のアップグレードで大きな前進があると約束していたが、それが果たされなかった」と伝えていた。


結果的に、ホーナーは約20年にわたるレッドブルでのキャリアに終止符を打つこととなった。

ホーナーの去就と並行して、フェルスタッペンの将来も不透明さを増している。『Sport1』は、ホーナーがレース週末にマックスの父ヨス・フェルスタッペンと再び衝突していたと報道。チーム内の緊張感は頂点に達していた。

ラルフ・シューマッハは『Sky Deutschland』で「マックスは以前よりも距離を置いているように見える」と語り、「予選では結果を出しているが、彼自身がレッドブルの力が衰えてきていると実感している」と分析した。

『De Telegraaf』のエリク・ファン・ハーレン記者も「舞台裏でホーナーにかかる圧力が増していた」とし、解任の背景にチーム内外の不協和音があったことを示唆している。

元F1ドライバーのクリスチャン・アルバースは「レッドブルにとってフェルスタッペンは最大の資産。彼が去れば、ホーナーに残る理由もなかった」と指摘。「マックスが2026年以降どこで走るか、その決断は今後2週間以内に下されるだろう」と語っていた。

また、フェルスタッペンはイギリスGPの週末に、シムレースでメルセデスのF1マシンを使用していたことがファンの間で話題に。この件についてヘルムート・マルコは『Osterreich』紙に「それには気づかなかった」としつつ、「でも、なぜダメなんだ?実際にはアストンマーティンやフェラーリ、アウディにも乗っている。だからメルセデスに乗っても構わない」と語っている。

ただし、マルコはフェルスタッペンの契約内容について「成績に基づく解除条項はまだ発動されておらず、現時点でメルセデスと契約を結ぶことはできない」と強調した。

一方で、マルコは今後のアップグレードに望みをつなぐ。

「スパで予定されているアップグレードで、再びポールや勝利争いができる可能性はある」と語ったものの、「タイトル争いはもう終わった。今はノリスとピアストリの戦いだ。特にノリスは2戦連続で素晴らしい走りを見せている」と認めている。

レッドブル帝国を20年間率いてきたホーナーが姿を消した今、フェルスタッペンがどこへ向かうのか、その動向はチームの命運をも左右することになるだろう。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / マックス・フェルスタッペン / レッドブル・レーシング