フェルスタッペン F1イギリスGP予選「月まで届くようなアンダーステアを克服」
マックス・フェルスタッペンは「月まで届くようなアンダーステア」と形容した難しいRB21を操り、シルバーストンで驚異的なラップを決めて2025年F1イギリスGPのポールポジションを獲得した。

予選Q3の序盤、オスカー・ピアストリが暫定トップに立ち、ルイス・ハミルトンが2番手、ランド・ノリスが3番手、フェルスタッペンは4番手につけていた。だが、現世界王者は最後のアタックで全セクターを完璧にまとめ、最終ラップで逆転。ピアストリに0.103秒差をつけて今季4度目、マイアミ以来のポールを決めた。

マクラーレン勢を抑えてのポールについて、フェルスタッペンは「正直、楽じゃなかった」と語る。レッドブルは今週末、ロー・ダウンフォースの攻撃的なセットアップを採用。ストレートでは非常に速かったが、風が強く不安定な中でのコーナリングには苦戦したという。

「かなり良かったけど、風や突風のせいで一貫したラップタイムを出すのが本当に難しかった。ストレートですらマシンが動いていたから、予測がつかない場面もあったけど、最後のラップはうまくまとまった」

「ロー・ダウンフォース仕様で高速コーナーにしっかりコミットする必要があって、それを少しずつ積み重ねていった。Q3ではそれがうまくいったんだ」

その一方で、フェルスタッペンは「第3セクター以外はすべてのコーナーで少しずつ違ってた」と明かし、ラップ全体としては決して完璧ではなかったと振り返る。

「最初のラップはQ2のときと全然感触が違って、オーバーステアもあったし、アンダーステアも場所によっては出てた。ラップそのものはすごく良かったとは言えないけど、あんなにタイムが上がるとは正直思ってなかった。それがうまくいったから嬉しいよ」

フェルスタッペンによれば、金曜の走行ではひどいアンダーステアに悩まされており、「昨日のウイングでは少し遅く見えたし、本当に曲がらなかった。まるで月まで曲がらない感覚だった」と語る。だがレッドブルは一夜でセットアップを大幅に変更し、土曜にはバランスが劇的に改善された。

「昨日はアンダーステアが強くて、同時に一部ではオーバーステアもあって、バランスを取るのがすごく難しかった。でも今日はアンダーステアが改善されて、それが押し込める余地を生んだ。F1ではアンダーステアはとにかく遅いから、それを抑えることが必要だった」

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決勝はタイヤと天候がカギに
土曜の予選で最高の一発を決めたとはいえ、フェルスタッペンは決勝については慎重な見方を示している。レッドブルは今季を通してタイヤの摩耗に苦しむ傾向があり、加えて日曜は天候の変化も予想されるからだ。

「とにかくベストを尽くすしかない。レースではいつもタイヤライフに少し苦しんでるし、それが明日どうなるかは分からない」

「天気もどうなるか分からないし、雨が降るかもしれない。ストレートの速さがあるのはいいけど、このサーキットではタイヤマネジメントが本当に重要だ」

「高速コーナーがたくさんあって厳しいけど、レースが楽しみだよ。僕は今タイトル争いをしてるわけじゃないから、楽しんでベストな結果を目指すだけだ」

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カテゴリー: F1 / マックス・フェルスタッペン / レッドブル・レーシング / F1イギリスGP