F1王者フェルスタッペン “父親になったら遅くなる論”にポール獲得で反論

フェルスタッペンは、パートナーのケリー・ピケとの間に第一子となる女児「リリー」が誕生したばかりで、マイアミ・インターナショナル・オートドロームでのメディアデーを欠席。そのため、一部では「父親になることでパフォーマンスに影響が出るのでは」といった憶測も広がっていた。
だが、そのような声を嘲笑うかのように、マクラーレン勢が本命視されていた予選で、フェルスタッペンは驚異的な走りを披露しポールを獲得。家族との時間がむしろ良い精神状態をもたらしたと振り返っている。
「ここに来る前に数日間、家で過ごすことができたのは良かった」とフェルスタッペンは語り、メディアに次のように述べた。
「彼女(リリー)が生まれたばかりだから、すべてが順調か確認したかった。けど、父親になったからって遅くなったわけじゃない。それはポジティブなことだよ」
「そういう話をしていた人たちも、もうその説は窓の外にでも投げ捨ててくれていい。こっちに来てからは、正直なところすごくスムーズだった。とはいえ、1日を通してガールフレンドとは頻繁に連絡を取っているよ。写真やビデオ通話でいつでも繋がってるし、新しい家族の一員が増えたんだ」
フェルスタッペンは、「父親になることで速さが失われる」という主張について、まったく気にしていないとも明かしている。
「そういう馬鹿げた話には耳を貸していない。ただ、自分のやるべきことをやるだけ」とフェルスタッペン。
「過去には、子どもを持ちながら世界チャンピオンになったレーシングドライバーだってたくさんいる。それなのに、そういう話がどこから出てくるのか全く理解できないね」
圧倒的なパフォーマンスでポールを掴み取ったフェルスタッペンは、新たな人生の節目を迎えた今もなお、その集中力と速さに一切の陰りを見せていない。父親となった王者の今後の走りに、ますます注目が集まりそうだ。

今季3度目のポールポジションを獲得したレッドブルのエースは、最終アタックのターン1で危うい場面があったにもかかわらず、それを乗り越えてトップタイムを記録し、自らの強さを証明した。
Q1序盤から好調な滑り出しを見せたフェルスタッペンは、セッションが進むごとに着実にパフォーマンスを向上させ、Q3序盤には暫定ポールを獲得。迎えた最後のアタックでは、ターン1でわずかにマシンを乱す場面も見られたが、その後セクター全体で最速タイム(パープル)を記録し、見事に首位を守り切った。
予選終了後、マシンを降りたフェルスタッペンは「素晴らしい予選だった」と振り返った。
「マシンの回頭性を少しだけ改善できて、それが効果を発揮してくれた。Q1からQ3まで、毎回の走行で少しずつ限界を探ってタイムを削っていけたのが良かったね」
「最後のラップのターン1ではちょっとしたミスがあって、少しタイムをロスしたけど、このコースではタイヤの扱いが難しい。最終的にはうまくまとめられたから、ポールを獲れてすごく嬉しいよ」
また、ターン1での"ヒヤリとする瞬間"について尋ねられると、27歳のフェルスタッペンはこう答えた。
「もちろん、引くこともできたけど、これは予選だからね。修正して、そのまま“踏み込んだ”んだ」
この日行われたスプリントレースでは、ピットレーンでのアンセーフリリースにより10秒加算ペナルティを受け、ポイント圏外に沈んだフェルスタッペン。天候の影響もあり波乱含みの展開となったが、予選での巻き返しに成功した形だ。
決勝を見据えた展望については、天候の不確定要素を挙げながらも、冷静な姿勢を崩さなかった。
「レースペースについては正直まだわからない。天気次第だね」とフェルスタッペンはコメント。
「でも、スタート位置としてはこれ以上ない。あとは決勝で何ができるかだ。全力を尽くして最大限を引き出していくよ」
カテゴリー: F1 / マックス・フェルスタッペン / レッドブル・レーシング / F1マイアミGP