笹原右京
笹原右京が、スポット参戦したユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0 第2戦スパのレース週末を振り返った。

今季からフォーミュラ・ルノー2.0 ALPS にフル参戦し、2レース連続8位入賞を飾った開幕戦を含め2戦を消化したユーロ・ノヴァ所属の笹原右京は、現在同シリーズでランキング10位につけている。

今回、笹原右京は6月8日(土)〜9日(日)に開催されるフォーミュラ・ルノーALPS 第3戦(ベルギー・スパ・フランコルシャン)へ向けた足慣らしと、現状で彼自身がこのクラスで世界で何番目なのかを推し量るべく、フォーミュラカーレース経験者がより多く集まり競技水準もさらに高い、6月1日(土)〜2 日(日)のユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0 第2戦(ベルギー・スパ・フランコルシャン)にスポット参戦した。

ただし、笹原右京を含むALPS シリーズからのスポット参戦ドライバー4人は、競技規則に基づき5月31 日(金)に設定された2回のうち練習走行1回目は出走できなかった。未知のサーキット、しかも練習走行の機会をライバルの半分に削られて苦戦必至の状況となった。

雨と霧でたびたび各セッションが中断されたこの日、笹原右京は雨上がりの練習走行2回目で初めてステアリングを握ったが、赤旗中断の連発で少ない走行時間がさらに削がれた。また、笹原右京は終始ウェット路面用タイヤを装着した一方、上位ドライバーの多くは路面が乾きかけたセッション終盤にドライ路面用タイヤへ交換した事情から、39台中34番手のタイムに留まった。

ユーロカップシリーズは、ALPSシリーズ同様に1戦2レース制が採用される。だが、ALPSシリーズの予選は1回のみで、決勝レース1はベストタイムで、決勝レース2はセカンドベストタイムで、それぞれのスターティンググリッドが決まるのに対し、ユーロカップシリーズは2レースとも別個に予選が実施され、そのベストタイムでスターティンググリッドが決まる。なお、ユーロカップシリーズも参加台数が多いため、ALPSシリーズと同様に予選は2グループに分けて実施された。

6 月1日(土)朝に実施された決勝レース1 の予選、笹原右京は20台が出走するグループAに割り当てられた。前日の練習走行2回目と同じような雨上がりの予選に臨んだ笹原右京は、微妙な路面状況ながらライバルと同様にドライ路面用タイヤでアタックに出た。セッション中盤までは10、11 番手を争う展開だったが、セッション終盤の自己ベストを狙える周回でクルマの姿勢を崩し、2分33秒660 の1 番手に留まった。19台が出走したグループBと総合の結果、笹原右京は32 番グリッドとなった。

6月1日昼の決勝レース1(25分間+1周)は、この週末で初めてドライ路面で実施された。笹原右京は得意のスタートで大きく順位を上げ、F1グランプリなどとは違いこのレースでは第1コーナーとなるオー・ルージュへ果敢に進入。さらに、レース序盤の笹原右京は温まりきっていないタイヤで走行に苦しむライバルを次々に攻略。レース中盤以降は周囲のペースも上がり後続の追撃に遭ったが、ユーロカップシリーズデビュー戦を21位完走で終えた。

決勝レース2の予選は6月2日(日)朝に実施された。前日の微妙なウェット路面からこの日は完全なドライ路面に恵まれ、グループAの笹原右京はトップから約1.5 秒後れの2分1 秒042を記録したものの15番手に留った。グループBと総合の結果、笹原右京は29 番グリッドとなった。

2日(日)昼の決勝レース2(25分間+1 周)、笹原右京は、決勝レース1と同様に抜群のスタートで先行車両を追い抜いたが、直後にオー・ルージュで多重衝突事故が発生してレースは赤旗中断となった。事故車両の処理が終了すると、笹原右京は22番手からセーフティーカー先導のもとでレースを再開。ところが再び事故が発生してセーフティカー導入と、波乱の展開は続いた。しかし、笹原右京は周囲の混乱に動じることなく、強豪を相手に安定したレース運びを展開。レース終盤には入賞圏内の10番手争い集団の直後で戦い抜き、16位完走を果たした。

笹原右京
「5月31日の練習走行2回目も、6月1日の決勝レース1 に向けた予選も、結果は満足できるものではありませんでしたが、初めてのスパ・フランコルシャンという状況を考えれば十分な手応えは得られました。決勝レース1は、グリッド後方なのでシグナルがほとんど見えない状況でしたが、周囲が止まっているんじゃないかというくらいにうまく反応できて、オー・ルージュまでに5、6台を抜きました。その後も、周囲が苦しんでいるレース序盤のうちに攻めて順位を上げました。ただ、クルマの仕上がりは満足できるものではなく、レース中盤以降は前のクルマを追いかけるよりも、後ろのクルマからの攻撃から耐える走りに終始しました。6月2日の決勝レース2に向けた予選も、クルマの調子はあまりよくなくて、決勝にはセットアップを変更して臨みました。クルマはまだまだ本調子には程遠い感じでしたが、予選よりはずっと良くなりました。実際、決勝ではトップとのラップタイム差がグンと縮まりました。成績にはもちろん満足していませんが、ユーロカップシリーズへの今回のスポット参戦では手応えを得られましたし、一方で課題も発見できました。とても貴重な経験ができて、チームや関係者の皆さまには感謝しています。今後ともご支援、ご声援をよろしくお願い致します!」

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カテゴリー: F1 / 笹原右京