WRC | トヨタ:2019年 第3戦 ラリー・メキシコ 初日レポート
2019年 FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦ラリー・メキシコが3月7日(木)に開幕。メキシコのグアナファト市街地でSS1が行なわれたが、13名のドライバーが走行した時点でSSはキャンセルになった。そのため、ラリーの主催者は走行を行なえなかった選手に対してノーショナルタイムを与えた。
ラリー・メキシコは7日の午前中に、サービスパークが置かれるレオンから20km程度離れたグラベル(未舗装路)のコースで、午前10時からシェイクダウンが行なわれた。
規則により欧州圏外のイベントでは現地での事前テストが行なえないため、実際のSSに近い路面を走行するシェイクダウンは、各選手にとってクルマの最終確認を行なう貴重な機会になった。そしてシェイクダウンでは、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのクリス・ミーク/セブ・マーシャル組(ヤリスWRC 5号車)が全体のベストタイムを、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)が6番手タイムを記録した。一方、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)は最初の走行でクルマのセンサーに問題が発生しストップ。チームはクルマをサービスに運び、すぐに問題を解決した。その後タナックは無事シェイクダウンを走り、クルマの最終確認およびセッティング作業を終えた。
夜8時からは、古都グアナファトの市街地で全長1.14kmのSS1がスタート。銀鉱採掘のための地下トンネルや、ラウンドアバウトをコースに組み入れたユニークな構成のSSは、路面の一部が石畳のターマック(舗装路)で、最後に大きなジャンプも設けられた。しかし、13台のラリーカーが走行した時点でジャンプ台が破損したため、SSはキャンセルになってしまった。その時点でミークは3番手、ラトバラは7番手のタイムを記録していたが、タナックを含むスタートできなかった選手権上位の3選手に対して、ミークと同じトップと0.6秒差のタイムが与えられた結果、ラトバラは総合10位に順位を下げた。
本格的なグラベルステージが始まるデイ2は、午前中にエル・ショコラテとオルテガのステージを走行し、その後レオンのサービスパークのすぐ近くで1本の市街地SSを行われる。午後はエル・ショコラテとオルテガのステージを再走し、ラス・ミナスのステージを走行。ちなみに、ラス・ミナスは競技最終日のデイ4で、パワーステージとしてもう1度走行する。1日の最後には、レオンのレーシングサーキットでスーパーSSを2回連続で行ないます。SSの数は全部で8本、計114.19km。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は359.45kmとなる。
トム・フォウラー(テクニカル・ディレクター)
シェイクダウンではオットのクルマに、センサーのひとつが信号を伝達できない問題が起こり、エンジンが止まってしまいました。 我々はクルマをサービスに戻し、すべてを慎重にチェックした後センサーの問題を解決しました。その後オットはシェイクダウンに復帰し、何も問題がないことを確認しました。メキシコは標高が高く他のラリーとコンディションが大きく異なるため、ラリー本番に向けて学びの機会を失ったのは残念です。しかし、もっとも重要なのは、今晩最初のステージを走るための準備ができていたことです。他の2台については信頼性に関する問題は起こらず、すべてがうまく行き、ヤリ-マティもクリスもクルマのセットアップに満足していました。また、オットも走りに関しては満足していたので、明日に向けてすべてが順調だと思います。
オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
朝のシェイクダウンは、最初からとても良いフィーリングで走れたのですが、ステージのフィニッシュ近くでクルマが止まってしまいました。そのためかなり時間をロスしましたが、それほど深刻な問題ではなかったので、その後サービスでクルマを直して再び走行し、すべてが上手く働いていることを確認しました。これからのステージがとても楽しみですし、今週末もまた、良いリザルトを狙っています。グラベルステージを上手く走るためのリズムを取り戻す必要がありますが、クルマのフィーリングは良く、自信もあります。
ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)
昨年の最終戦ラリー・オーストラリア以降、グラベル路面では1回しかテストをしていなかったので、朝のシェイクダウンは走りの感覚を思い出すための良い機会でした。自信を取り戻し、クルマのフィーリングも良かったので満足できる内容となり、明日からの本格的なステージに向けて準備が整いました。グアナファトのスタートは、WRC全戦の中で最高のスタートだと思います。トンネル内の走行は非常にエキサイティングでした。石畳の路面は、普通のアスファルトに比べてグリップ力が高くないため、あまり攻め過ぎず、スムーズでクリーンな走りを心がけました。
クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)
シェイクダウンでの最初の走行は、最高の目覚ましになりました。他の標高が低い場所でのラリーと比べると、全ての動作が緩慢に感じられますが、それがラリー・メキシコの特徴です。標高が高い場所にいることを実感します。とはいえ問題は何もありません。1回目の走行時は路面がかなり滑りやすく感じましたが、ひとたび走行ラインが刻まれると走りのリズムは非常に良くなり、タイムも上がりました。過去数年間、このラリーではいつも楽しむことができていました。今回は違うクルマでの出場となりましたが、ヤリスWRCはきっとうまく対応できると確信していますので、とても楽しみです。今晩のグアナファトのステージは毎年非常に素晴らしい雰囲気で、僅か1kmと距離は短くとも、楽しんで走ることができました。
ラリー・メキシコ デイ1の結果
1 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) 1m00.6s
2 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +0.1s
3 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +0.6s
4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC) +0.6s
5 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +0.6s
6 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +0.6s
7 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) +0.6s
8 テーム・スニネン/マルコ・サルミネン (フォード フィエスタ WRC) +1.5s
9 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1.5s
10 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +1.7s
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)
ラリー・メキシコは7日の午前中に、サービスパークが置かれるレオンから20km程度離れたグラベル(未舗装路)のコースで、午前10時からシェイクダウンが行なわれた。
規則により欧州圏外のイベントでは現地での事前テストが行なえないため、実際のSSに近い路面を走行するシェイクダウンは、各選手にとってクルマの最終確認を行なう貴重な機会になった。そしてシェイクダウンでは、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのクリス・ミーク/セブ・マーシャル組(ヤリスWRC 5号車)が全体のベストタイムを、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)が6番手タイムを記録した。一方、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)は最初の走行でクルマのセンサーに問題が発生しストップ。チームはクルマをサービスに運び、すぐに問題を解決した。その後タナックは無事シェイクダウンを走り、クルマの最終確認およびセッティング作業を終えた。
夜8時からは、古都グアナファトの市街地で全長1.14kmのSS1がスタート。銀鉱採掘のための地下トンネルや、ラウンドアバウトをコースに組み入れたユニークな構成のSSは、路面の一部が石畳のターマック(舗装路)で、最後に大きなジャンプも設けられた。しかし、13台のラリーカーが走行した時点でジャンプ台が破損したため、SSはキャンセルになってしまった。その時点でミークは3番手、ラトバラは7番手のタイムを記録していたが、タナックを含むスタートできなかった選手権上位の3選手に対して、ミークと同じトップと0.6秒差のタイムが与えられた結果、ラトバラは総合10位に順位を下げた。
本格的なグラベルステージが始まるデイ2は、午前中にエル・ショコラテとオルテガのステージを走行し、その後レオンのサービスパークのすぐ近くで1本の市街地SSを行われる。午後はエル・ショコラテとオルテガのステージを再走し、ラス・ミナスのステージを走行。ちなみに、ラス・ミナスは競技最終日のデイ4で、パワーステージとしてもう1度走行する。1日の最後には、レオンのレーシングサーキットでスーパーSSを2回連続で行ないます。SSの数は全部で8本、計114.19km。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は359.45kmとなる。
トム・フォウラー(テクニカル・ディレクター)
シェイクダウンではオットのクルマに、センサーのひとつが信号を伝達できない問題が起こり、エンジンが止まってしまいました。 我々はクルマをサービスに戻し、すべてを慎重にチェックした後センサーの問題を解決しました。その後オットはシェイクダウンに復帰し、何も問題がないことを確認しました。メキシコは標高が高く他のラリーとコンディションが大きく異なるため、ラリー本番に向けて学びの機会を失ったのは残念です。しかし、もっとも重要なのは、今晩最初のステージを走るための準備ができていたことです。他の2台については信頼性に関する問題は起こらず、すべてがうまく行き、ヤリ-マティもクリスもクルマのセットアップに満足していました。また、オットも走りに関しては満足していたので、明日に向けてすべてが順調だと思います。
オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
朝のシェイクダウンは、最初からとても良いフィーリングで走れたのですが、ステージのフィニッシュ近くでクルマが止まってしまいました。そのためかなり時間をロスしましたが、それほど深刻な問題ではなかったので、その後サービスでクルマを直して再び走行し、すべてが上手く働いていることを確認しました。これからのステージがとても楽しみですし、今週末もまた、良いリザルトを狙っています。グラベルステージを上手く走るためのリズムを取り戻す必要がありますが、クルマのフィーリングは良く、自信もあります。
ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)
昨年の最終戦ラリー・オーストラリア以降、グラベル路面では1回しかテストをしていなかったので、朝のシェイクダウンは走りの感覚を思い出すための良い機会でした。自信を取り戻し、クルマのフィーリングも良かったので満足できる内容となり、明日からの本格的なステージに向けて準備が整いました。グアナファトのスタートは、WRC全戦の中で最高のスタートだと思います。トンネル内の走行は非常にエキサイティングでした。石畳の路面は、普通のアスファルトに比べてグリップ力が高くないため、あまり攻め過ぎず、スムーズでクリーンな走りを心がけました。
クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)
シェイクダウンでの最初の走行は、最高の目覚ましになりました。他の標高が低い場所でのラリーと比べると、全ての動作が緩慢に感じられますが、それがラリー・メキシコの特徴です。標高が高い場所にいることを実感します。とはいえ問題は何もありません。1回目の走行時は路面がかなり滑りやすく感じましたが、ひとたび走行ラインが刻まれると走りのリズムは非常に良くなり、タイムも上がりました。過去数年間、このラリーではいつも楽しむことができていました。今回は違うクルマでの出場となりましたが、ヤリスWRCはきっとうまく対応できると確信していますので、とても楽しみです。今晩のグアナファトのステージは毎年非常に素晴らしい雰囲気で、僅か1kmと距離は短くとも、楽しんで走ることができました。
ラリー・メキシコ デイ1の結果
1 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) 1m00.6s
2 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +0.1s
3 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +0.6s
4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC) +0.6s
5 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +0.6s
6 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +0.6s
7 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) +0.6s
8 テーム・スニネン/マルコ・サルミネン (フォード フィエスタ WRC) +1.5s
9 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1.5s
10 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +1.7s
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)