世界ラリー選手権 オット・タナク トヨタ自動車 ラリー・ド・ポルトガル トヨタ・ヤリスWRC
2018年 FIA 世界ラリー選手権 (WRC)第6戦 ラリー・ポルトガルの競技2日目デイ2が5月18日(金)にポルトガル北部マトジニョスを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(ヤリスWRC 9号車)が総合5位につけた。一方、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(7号車)、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)は、午前中のSS(スペシャルステージ)でクルマにダメージを受け走行不可能となりリタイアとなった。ただし、ラトバラの7号車についてはサービスパークでクルマを修復し、明日のデイ3では再出走を予定している。

ラリー・ポルトガルのデイ2は、サービスパークが置かれるマトジニョスの北側、スペイン国境に近いエリアを中心に競技が行われた。デイ1のSS1でトップタイムを記録しトップに立ったタナックは、リードをさらに拡げるべくSS2に臨んだが、高速左コーナーの途中にいくつか転がっていた岩にクルマが当たりラジエーターを破損。その結果エンジンにもダメージが及び、完全リタイアすることになった。ラトバラはSS3でやはりクルマが岩に当たりサスペンションを破損して走行不能になったが、チームはその後サービスでクルマを修復。ラリー2規定に基づき、明日のデイ3で再出走する予定となっている。

ラッピは午前中のステージでグリップ不足に悩み総合11位となったが、日中のサービスでクルマのセットアップを改善した結果、午後の再走ステージではスピードアップに成功。ダンパーに軽微なトラブルが発生するも堅実な走行を続け、岩が転がる非常に荒れた路面で多くの選手が深刻なトラブルに見舞われる中、総合5位にポジションを上げた。

競技3日目となる5月19日(土)のデイ3は、マトジニョスのサービスパークを中心に、東側に広がるカブレイラ山脈で6本のSSが行われる。3本のステージを日中のサービスをはさみ午前と午後で各2回走行するスケジュールで、そのうちSS12とその再走ステージであるSS15「アマランテ」は今大会最長となる全長37.6kmのロングステージ。6本のSSの合計距離は154.64km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は601.60kmとなる。

トミ・マキネン(チーム代表)
今日の結果は、ラリーが、そしてモータースポーツがいかに苛酷になり得るかを示すものです。ある日は物事が非常に上手く進んだとしても、またある日は本当に厳しい状況に追い込まれます。今日は、我々にとって良き日ではありませんでしたが、それでもポジティブであり続けることが重要です。オットは極めて順調に見え、とても力強く感じられていただけに、我々はこれまで経験したことがないほど大きな失望を感じました。でも、彼は次のサルディニアで必ずや活躍してくれるはずです。ヤリ-マティの件についても、皆とても残念に思っています。今回、彼は本当にミスなく走ろうとしていたことを私は知っていました。チームは素晴らしい仕事で、明日再出走できるようにクルマを修復しました。ヤリ-マティが明日、速さを見せてくれることを期待しています。エサペッカは午前中少し苦戦していましたが、午後は調子が上がりました。午後のステージは誰にとっても非常に困難な路面コンディションでしたが、彼は荒れたステージでよく頑張ったと思います。明日の出走順は決して容易ではありませんが、いくらかポイントを獲得するチャンスはあると思います。

ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 7号車)
最初のSSは少し慎重に走り過ぎたので、次のSSでは最初から攻めて行きました。5km程走ったところの左、右と連続するコーナーの途中にペースノートにも記していた岩があり、それを意図的に乗り越えたのですが、途端に右フロントサスペンションが壊れ、止まらざるを得ませんでした。チームは一生懸命クルマを修復してくれたので、明日も戦い続けることができそうです。私としてはラリーを続けることに高いモチベーションを感じています。クルマのフィーリングはとても良く、運転を楽しんでいるので、今すぐにでもドライブしたい気分です。

オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
今朝は本当に残念な事が起きてしまいました。最初のSSを走り出してすぐに、多くの岩が転がっている路面に遭遇しました。一体どこから出てきたのか分かりませんが、ひとつやふたつではなく、4つか5つぐらい岩があり避けることができませんでした。その結果、ラジエーターに岩が当たってダメージを受け、エンジンに問題が生じたためすぐに停止したのですが、このラリーでの修復は不可能な状態でした。我々にとっては、かなり大きな痛手です。今回は良いポジションで戦いに臨む事ができ、前戦アルゼンチンと同様とても良いフィーリングをクルマに感じてした。選手権争いにとっては大きなマイナスですが、本当にすべてが終わるまではチャンスがあるので、これからも戦い続けます。我々にはパフォーマンスがあるので、次戦サルディニアでは優勝争いに加わることが目標です。

エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC 9号車)
午前中はあまり自信を持って走ることができず、ベストな状態ではありませんでした。クルマ自体は良かったのですが、横方向のグリップが十分に感じられず、思うように攻めることができなかったのです。午後のステージは、自分のこれまでのキャリアの中でもっとも荒れた路面コンディションで、非常に多くの岩が転がっていました。しかし、日中のサービスでクルマに多くの変更を施したところ、それが奏功し午後の最初のSSではすぐにその効果が出ました。その後ダンパーに小さな問題が起こり、それをいなしながら最後まで走りましたが、それでもタイムは思ったよりも悪くありませんでした。ですから、明日は順位をさらに上げられるように頑張りたいと思います。

ラリー・ポルトガル デイ2の結果
1 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) 1h37m30.7s
2 エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット (フォード フィエスタ WRC) +17.7s
3 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +24.3s
4 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ WRC) +34.4s
5 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ ヤリス WRC) +45.8s
6 マッズ・オストベルグ/トシュテン・エリクソン (シトロエン C3 WRC) +48.3s
7 クリス・ミーク/ポール・ネーグル (シトロエン C3 WRC) +1m18.7s
8 クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン (シトロエン C3 WRC) +2m27.3s
9 ガス・グリーンスミス/クレイグ・パリー (フォード フィエスタ R5) +6m57.1s
10 ルカス・ピエニアゼック/プシェミスワフ・マズール(シュコダ ファビア R5)+7m31.4s
62 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +48m.48.1s
R オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリスWRC)

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)