WEC スパ・フランコルシャン6時間レース
トヨタは、今週末に開催される2017年FIA世界耐久選手権(WEC)第2戦、ベルギーのスパ・フランコルシャン6時間レースに、初めてTS050 HYBRIDの3台体制で臨む。

TOYOTA GAZOO Racingは、先月の開幕戦、シルバーストン6時間レースでの優勝に続き、今週末は、WECシリーズの中ではトヨタにとって3つあるホームレースのうちのひとつと言えるスパ戦に挑む。隣国ベルギー・スパのコースは、チームの本拠地があるドイツ・ケルン市から僅か120km程の場所に位置する。

スパはまた、WECシリーズの最大イベントであるル・マン24時間レースの前哨戦でもある。このため、スパ6時間レースには、今シーズンの規則で使用が許可された2種類の空力パッケージの両方を投入する。

小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名のTS050 HYBRID#7号車は、前戦シルバーストンでポールポジションを獲得した時と同様のハイ・ダウンフォースの空力仕様となる。前戦、#7号車は、雨が降り出した場面でロペスがクラッシュを喫し、実質、レースを終えることになってしまったが、今週の木曜日の公式練習走行で彼がレースに復帰可能かの適性を判定されることになる。

また、シルバーストンで勝利を飾った中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソンの3人のTS050 HYBRID #8号車も、最高速よりもコーナーでのグリップを重視したハイ・ダウンフォース仕様でスパに挑む。

そして、今大会の3台目として出場するTS050 HYBRID #9号車は、ル・マン24時間レースへ向けた実戦での確認も兼ねて、長いストレートを持つル・マンのサルト・サーキットに適したロー・ダウンフォースの空力仕様となり、今回がWECデビュー戦となる国本雄資、ベテランのステファン・サラザン、チーム復帰のニコラス・ラピエールの3名が担当する。

1922年に開設され、WECシリーズのサーキットの中では最も長い歴史を持つスパは、TOYOTA GAZOO Racingにとって良き思い出の地でもある。デビッドソン、ブエミ、ラピエールの3名は2014年のスパで勝利を挙げており、昨年は、エンジントラブルに見舞われた中盤過ぎまで、2台揃ってレースをリードしていた。

再びル・マンで優勝を争うことは今年の目標であり、そのために、ロー・ダウンフォース空力仕様のTS050 HYBRIDを含めた3台体制でスパ戦に臨み、決勝レースへ向けた最適セッティングの確認等、周到な計画をもってル・マンへの準備を進めていく。

ホームレースと言えるスパ6時間の決勝レースが行われる土曜日には、チーム本拠地であるドイツ・ケルン市のトヨタモータースポーツGmbH(TMG)から数多くの従業員やその家族が応援に訪れる。

佐藤俊男 (TOYOTA GAZOO Racing 代表)

初戦シルバーストンを優勝で飾れ、とても良いスタートを切ることが出来ました。この流れを今週末のスパ・フランコルシャン6時間レースにつなげたいと思っています。予想していた通り、ライバルとの競争性は拮抗したものとなっていますので、スパでも同様な接戦が出来ることを楽しみにしております。シルバーストンで投入したハイ・ダウンフォース空力仕様のTS050は期待通りの速さを示してくれましたが、スパは特徴が異なるサーキットでもあり、準備を怠りなく週末のレースに臨みたいと思います。今回は初めて3台の車両を持ち込むことになりますが、この機をいかして実戦でのロー・ダウンフォース仕様の性能を見極めたいと思っています。冬のオフシーズン期間を通して、ル・マンを見すえてのテストを重ねてまいりましたが、今週末は、この準備の新たな段階に入ります。

小林可夢偉(TS050 HYBRID #7号車)

スパでのレースを前に気持ちが高まっています。前戦シルバーストンで速さを示せたので、シーズン第2戦にとても前向きに臨めます。勝利へ向けて全力の走りをお見せすべく、やる気に満ちています。良いレースが出来れば、ル・マンへ向けての自信にも繋がるでしょう。スパはとても熱心なファンの方々ばかりですし、今回は、ケルンのTMGからも多くの従業員が応援に来てくれるとのことで、素晴らしいスパの雰囲気も楽しみにしています。

マイク・コンウェイ(TS050 HYBRID #7号車)

スパは好きなサーキットのひとつで、とても楽しみにしています。コースレイアウトが素晴らしく、高低差や、高速なコーナーを含むバラエティ豊かなコーナーを持ち、本当に挑戦し甲斐のあるコースです。シルバーストンで我々が使った空力仕様が、スパでも同様に効果的であることを期待しています。まだ改善すべき部分もありますが、自信はあります。ここでもライバルとの僅差の争いとなると思いますが、それだけに集中を切らさず戦いに臨みます。

ホセ・マリア・ロペス(TS050 HYBRID #7号車)

LMP1-H車両でスパでのレースを戦うのが待ちきれません。私自身、最後のGP2戦以来、久しぶりのスパでのレースになり、とても楽しみにしています。この週末も勝利を目指して戦えるチャンスがあると思いますし、自分自身も多くの周回を重ねられるチャンスです。シルバーストンは残念な結果となってしまいましたが、私自身はそこで多くを学び、重要な経験を積み重ねました。スピードはあると分かっているので、周回遅れの処理など、WEC独特のレース運びについて全力で学んでいるところです。

中嶋一貴(TS050 HYBRID #8号車)

スパには異なる2種類の空力仕様を持ち込むので、何が起こるのか予想するのがとても難しいと思います。しかし我々は良いシーズンのスタートを切ることが出来ているので、その勢いを保てるように頑張ります。スパは独特なコースです。特にオー・ルージュのように縦横Gが変化するコーナーは他のどこにもありません。他にも多くの高速コーナーがあり、とてもチャレンジングなコースの連続で、走るのが楽しみです。今年のTS050 HYBRIDでスパを走るのは最高の気分でしょう。

セバスチャン・ブエミ(TS050 HYBRID #8号車)

素晴らしいシーズンのスタートを切り、期待を持ってスパに臨みます。今回は初めての3台体制での参戦ということで、とてもエキサイティングかつ興味深いレースになるでしょう。スパはル・マンの直前のレースですので、出来るだけ多くのポイントを獲得するだけでなく、ル・マンへ向けて多くのデータを収集する必要があります。シルバーストン同様、ベストを尽くし、好結果を狙っていきます。

アンソニー・デビッドソン(TS050 HYBRID #8号車)

スパは私の大好きなサーキットのひとつで、今年もこのレースを楽しみにしています。LMP1-H車両で素晴らしいスパのコースを走るのはいつでも最高の気分です。シルバーストンで勝利を飾り、続けてここでも勝利を争えることを望んでいますが、ライバルとのバトルは一層厳しいものになると覚悟をしています。スパでは天候も重要なファクターです。昨年のレースは天候に恵まれてきましたが、今週末はどうなるのか分かりません。我々のTS050 HYBRIDは基本的にウェットコンディションでも速いので、何が起ころうと準備は出来ています。

ステファン・サラザン(TS050 HYBRID #9号車)

TS050 HYBRIDで再びレースを戦うのが本当に楽しみです。シルバーストンでのパフォーマンスを見た後だけに尚更期待は高まります。シルバーストン戦はとても素晴らしいレースでしたが、ロー・ダウンフォース空力仕様でもレース本戦で速さを発揮出来るよう全力を尽くします。レースに臨むときは、もちろんいつも良い結果を得ることが目標ですが、今週末、我々にとって最も重要なのはル・マンへ向けた準備を整えることです。ロー・ダウンフォース仕様でのデータを出来るだけ多く蓄えるべく、我々#9号車の3人にとって最初のレースでチームワークを高めていきます。

国本雄資(TS050 HYBRID #9号車)

今回が自分自身にとって初めてのWECレースになり、とてもワクワクしています。スパについては多くのことをチームメイトから聞いていますし、TVゲームやビデオからも勉強していますが、実際にTS050 HYBRIDで走るのが待ちきれません。ステファンやニコラスのような経験豊かなドライバーと共に#9号車をドライブ出来るのは、多くの貴重なアドバイスをもらえるという意味でも嬉しいです。スタートが本当に楽しみです。

ニコラス・ラピエール(TS050 HYBRID #9号車)

スパは素晴らしいコースですし、私自身にとっても良い思い出のあるコースです。アンソニー、セバスチャンと私の3人で2014年に勝利していますし、昨年もLMP2クラスで優勝しました。TS050 HYBRIDでの初レースがスパというのは最高です。ステファン、雄資と組んでの最初のレースも楽しみです。我々は既に良い協調関係を築けており、チームのために好結果を得るべく3人で全力を尽くします。

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)