トヨタ WEC 2016年 第4戦 ニュルブルクリンク6時間レース
トヨタにとって衝撃的な幕切れとなったル・マン24時間レースから約1か月、FIA世界耐久選手権(WEC)は第4戦ニュルブルクリンク6時間レースを迎える。

TOYOTA GAZOO Racingはル・マンでの雪辱を果たすべく、もう一つのホームレースとなるニュルブルクリンクで今季初勝利を目指す。

ル・マン24時間レースでは、TS050 HYBRID #5号車がチェッカーフラッグまであと数分というところで、痛恨のメカニカルトラブルにより、ほぼ手中にしていた初勝利を逃すこととなった。

しかし、速さではライバルのポルシェとアウディに決して引けを取らないことを証明した。

この週末にWEC第4戦が行われるニュルブルクリンク・サーキットは、チームの本拠地であるドイツ・ケルンから車で1時間ほどの場所にあり、ル・マンでの悪夢を振り払い、心機一転、勝利を目指すのに最高の舞台と言える。

中嶋一貴とアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミの駆る#5号車は今シーズン運に恵まれないレースが続いており、ドライバーズランキングにおける現在のポジションは、実際の競争力やパフォーマンスを反映したものとは言えない。今週末のWEC第4戦での目標はこの不運を断ち切って表彰台に上ることだ。

小林可夢偉とステファン・サラザン、マイク・コンウェイの#6号車はル・マン24時間レースで2位フィニッシュを果たしたことで、ドライバーズランキングでも上位を争っている。#5号車同様に、シーズン初勝利を目指し第4戦に挑む。

今週末のレースには、ル・マン24時間レース用に開発された低ドラッグ空力仕様ではなく、ストレートの距離が短く、タイトなコーナーをもつニュルブルクリンクに合わせた超ハイダウンフォース仕様のTS050 HYBRIDが投入される。

ケルンのトヨタモータースポーツ有限会社(TMG)の風洞で開発された新しい空力仕様は、最高速性能と引き替えにより強力なダウンフォースを生み出し、これが、これからのシーズン後半戦へ向けたパッケージとなる。

7月22日(金)に行われる公式練習走行では、5.137kmのニュルブルクリンク・グランプリコースにおいて新しい空力仕様の検証とそのセッティングが進められる予定。尚、サーキットに関しては、今シーズンからヴィードル・シケインがよりタイトに変更されている。

佐藤俊男 TOYOTA GAZOO Racingチーム代表
前戦ル・マンの無念は一旦胸中に収め、前を向いて進みたいと思います。ファンの皆様をはじめ、関係者やライバルメーカーの方々にはこれまでに多くの温かい励ましの言葉を頂き、心から感謝を申し上げます。モータースポーツチームとして、改めてレースをしたい、戦いたい思いで一杯であり、モチベーション、チーム力ともこれまで以上に高まっています。よってニュルブルクリンク6時間レースは再度パフォーマンスを示す絶好の機会になると思います。またケルンのTMG社員など大勢の応援がもらえるこのレースは、我々にとってはホームレースと言えるイベントです。昨年は、とても多くの観客の皆様にも声援を頂きました。今年も、グランドスタンドを埋めつくす皆様の前で勝利に向かって戦うことが出来るものと確信しています。

中嶋一貴 (TS050 HYBRID #5号車)
ル・マンからあまり間を空けずにレースに戻ることが出来るのは嬉しいことです。例年WECはル・マンのあと長い夏休みとなっていましたが、1か月でシリーズが再開するのは我々にとって歓迎すべき状況です。ル・マンでは我々の真の強さを証明出来たので、今週末も同様に戦えると思っています。ニュルでのレースには、ケルンからチームの仲間が、大勢応援に駆けつけてくれます。特にあのル・マンのあとだけに、彼らに好結果をもって応えるべく、士気は高まっています。チームの仲間は、懸命な努力を続けてくれています。このレースは彼らの働きに報いる絶好のチャンスです。

アンソニー・デビッドソン (TS050 HYBRID #5号車)
ル・マンが残念な結果に終わっただけに、これまでにないほど雪辱に燃えています。ニュルブルクリンク・サーキットはとても楽しいコースで、これまでと同じように、我々のTS050 HYBRIDがここでも競争力があることを願っています。チームのホームレースで勝利を目指し戦えることは大きな励みとなるでしょう。ケルンから応援に来てくれる多くの仲間の前でのレースは特別です。その素晴らしい雰囲気とチームスピリットは、この週末のレースに大きな力をもたらしてくれるでしょう。

セバスチャン・ブエミ (TS050 HYBRID #5号車)
あのル・マンからすぐにレースに戻れるのは気分的に良いことで、ニュルブルクリンクでの第4戦をとても楽しみにしています。我々は再び勝利を争えると思っていますし、シーズンの前半戦を良い流れで締めくくるためにも好結果を目指します。今季これまでの3戦中、2戦でレース終盤までリード出来たことは大きな自信に繋がっており、ニュルブルクリンクでも同様の好パフォーマンスを見せられると思っています。ル・マンの結果を受け入れるのが困難なのは我々全員同じですが、それはもう胸にしまい、シーズン残りのレースを見据えて戦う時期に来ています。何としても今季初勝利を狙って行きます。

小林可夢偉 (TS050 HYBRID #6号車)
個人的にはニュルブルクリンクでここ数年間レースを行っていませんが、フォーミュラカーでは何度か良い結果も得ており、LM P1-Hカーでの初のニュルブルクリンクを楽しみにしています。我々のTS050 HYBRIDは充分に上位を争える速さがあると思っていますので、表彰台の一番上を目指します。このレースにはダウンフォースを増強した空力仕様を投入することになり、最高のパフォーマンスを引き出すべくハードワークが必要です。チームはル・マンのパッケージでも素晴らしい仕事をしてくれ、今週末も再び良いレースが戦える自信があります。

ステファン・サラザン (TS050 HYBRID #6号車)
ル・マンで我々は素晴らしい仕事をやり遂げ、昨年と比べて大きな進歩を果たしました。今の我々にとって最も重要なのは、ライバルと戦える位置に戻れたということです。今の我々の目標はレースに勝つ事、そして世界チャンピオンのタイトル争いです。ル・マンのあとに長い休暇がないのは良いことだと思っています。ニュルブルクリンクのコースは大好きですし、我々には競争力の高いTS050 HYBRIDがあります。この週末のレースを心待ちにしており、戦う準備は出来ています。

マイク・コンウェイ (TS050 HYBRID #6号車)
ニュルブルクリンクは最高のコースで、レースを戦うのを本当に楽しみにしています。ハイダウンフォースサーキットなので、どのチームのパッケージが適しているのか、とても興味があります。我々も改良したパッケージを持ち込みますので、ル・マンのような良いペースで戦えることを望んでいます。#6号車はドライバーズ選手権を争っており、着実にポイントを獲得してタイトルを狙いにいきます。昨年のニュルブルクリンクでの雰囲気は最高でした。我々にとってもう一つのホームレースで、多くのファンやチームの仲間を前に戦えるのを楽しみにしています。

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)