トヨタ
FIA世界耐久選手権(WEC)の全8戦中第4戦となるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間レースが開幕。ポイントリーダーであるトヨタ・レーシングも公式練習初日でサーキットでの走行を再開した。

第3戦ル・マン24時間レースから3ヶ月ぶりに、90分ずつ2回に分けて行われる公式練習走行で、2台のTS040 HYBRIDは、四輪駆動・1000馬力の性能を発揮することとなった。

マイク・コンウェイにとってはトヨタ・レーシングで初めての公式練習セッションに、アレックス・ブルツ、ステファン・サラザンと共にTS040 HYBRID #7のドライバーとして参加。コンウェイは公式練習1回目のセッション終盤に、初めてのラップを刻んだ。

アンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエール、ステファン・サラザンの駆るTS040 HYBRID #8は、ドライバーズ選手権で20ポイント差の首位につけており、そのポジションを守ると共に、アウディに対し1ポイント差での首位につけるチーム選手権でも、その差を広げるべく、今大会に挑む。

今シーズン残りの5戦は、ル・マン・サーキットに比べると狭く、テクニカルなコースが続く。このため、TS040 HYBRIDはハイダウンフォース仕様で臨む。このハイダウンフォース仕様は、先月フランスのマニクール・サーキットで2日間のテストを行っている。

今大会の初日におけるチームの優先事項は、車両パッケージを1周5.516kmのサーキット・オブ・ジ・アメリカズに適応させることであり、2台のTS040 HYBRIDはそれぞれ4番手、5番手で多忙なセッションを終了した。

昨年のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間レースには、トヨタ・レーシングはTS030 HYBRID #8が1台体制で参戦。首位争いを繰り広げ、2位でフィニッシュした。今年の決勝レースはスタート時間が夕刻からのナイトレースとされたが、今日の公式練習1回目はまだ暑い日中から実施された。

気温32度という暑さは、ドライバーだけでなく車両にとっても試練となる。しかしながら、公式練習2回目のセッションは全く異なるチャレンジとなった。サーキットはセッション開始直前から激しい雷雨に見舞われ、予定よりも1時間遅れて開始された。

ナイトレースにおいては、全てのドライバーが決勝までに最低3周の夜間走行を行う必要があり、公式練習2回目セッションがその唯一の機会となった。このため、トヨタ・レーシングの6人のドライバーは困難なコンディションの中で勇敢な走りを見せ、迅速にこの条件をクリアした。

2台のTS040 HYBRIDはその後も走行を続け、雨に見舞われた際のコースコンディションの変化について、有意義なデータを得た。そして、デビッドソンはセッションの終了間際にトップタイムをマークした。

明日19日(金)は午前10時20分(日本時間翌20日午前0時20分)から最後の1時間の公式練習走行を行い、LMPクラスの予選は午後6時35分(同午前8時35分)から開始される。決勝日の20日(土)は午後5時(同午前7時)に午後11時まで行われる6時間レースのスタートが切られる。

TS040 HYBRID #7:
(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ)
公式練習1回目: 4番手(1分52秒405) 36周
公式練習2回目: 3番手(2分04秒419) 28周

アレックス・ブルツ:
このコースを走ったのは初めてだ。コース建設の時にシミュレーターで手伝いをしたが、それは数年も前のこと。実際に走ってみると気持ちが良い、非常に走り甲斐のあるコースだが、セットアップでは多くの妥協をしなくてはならない。データを解析し、検討を重ねると、我々が進む方向が見えて来ると思う。エンジニアと意見交換をし、正しいセットアップを見つけるために努力しなければならない。

ステファン・サラザン:
ドライコンディションの公式練習1回目は、TS040 HYBRIDの調子は最高だった。しかし、公式練習2回目が始まる寸前に激しい雨に見舞われた。豪雨の中を運転するのは結構面白いが、バランスはウエットの方がドライコンディションより良かった。もちろん限界で走ったり、リスクを追ってまでは走らなかったが、興味あるセッションだった。さて、明日はどうなるだろうか。

マイク・コンウェイ:
TS040 HYBRIDで初めての公式練習を走るのは気持ちが良かった。ドライビング・リズムは掴めたと思う。それほど多くの周回は走らなかったが、公式練習2回目の終盤に向けて調子が上がって来て、競争力のあるタイムも刻めたと思う。良い感じだが、明日はもっと走り込みたい。まだコースを学んでいるところもあり、予選、決勝で上位につけるためにプッシュし続けるつもりだ。

TS040 HYBRID #8:
(アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
公式練習1回目: 5番手(1分52秒657) 31周
公式練習2回目: 1番手(2分01秒333) 29周

アンソニー・デビッドソン:
基本的には順調な初日だった。我々は、今週末に直面するかもしれないすべての気象条件を体験した。ドライコンディションよりもウェットコンディションを多く走れたことも含め、両方のコンディションを走れたことは良かった。公式練習初日を一生懸命走ったが、ドライコンディションにならないと、本当の意味でのスピードとバランスについて判断するのは難しい。 我々は、行くべき方向は分かっているので、明日に期待している。

ニコラス・ラピエール:
良い初日だった。天候は誰にとっても同じで問題は無い。私にとっては初めてのサーキットであり、多くのアップダウンと、高速コーナーがあるので、学ぶことは、そう簡単ではない。しかし、ここに来る前に、多くのオンボードカメラを見て、コースレイアウトを学んで準備をして来た。TS040 HYBRIDは、素晴らしく、ドライコンディションもウェットコンディションも良い兆候を示しているのが幸いだ。

セバスチャン・ブエミ:
ここ数日天候が荒れていたようだが、今日も非常に変わりやすい天候だった。そんな中でひとつ言えることは、公式練習1回目のタイムこそ満足のいくものではなかったけれど、我々はウエットでもドライでもかなり調子が良かったということだ。明日は万全を期し、最高のセットアップに務める。それが出来れば良い結果に結びつくはずだ。きっと良い週末になる事と信じている。

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)