トヨタ、ル・マン24時間レースの予選1回目は暫定4番手と6番手
トヨタは、ル・マン24時間レースの予選1回目で2台が共に暫定トップ6のタイムをマークした。
6月13日(水)午後10時、日は沈んだがまだ若干明るさの残るサルト・サーキットで、2時間にわたる予選1回目のスタートが切られた。徐々に闇に包まれていくコースをレースカーのヘッドライトの閃光が切り裂き、タイムアタックを展開。午前0時にチェッカーフラッグが振られ、予選1回目のセッションは終了した。
トヨタ・レーシングは、アレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエール、中嶋一貴がドライブするTS030 HYBRID #7が3分27秒191で暫定4番手、ステファン・サラザン、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミの#8が3分28秒295で暫定6番手タイムをマーク。 また、トヨタ・レーシングの6名のドライバーは、それぞれ5周以上の周回をこなし、決勝レース出場のために必要とされる夜間走行の規定周回数をクリアした。
予選1回目の前には、午後4時から4時間にわたってフリー走行セッションが行われた。このセッションでは、#7はトラブルフリーで、空力及びメカニカルなセットアップの評価等を行なった。しかし、#8はセッション開始30分ほどを過ぎてエンジントラブルに見舞われストップ。5周のみで走行を終えることとなった。#8はピットに戻され、予選に向けてエンジンを交換。午後10時からの予選1回目に出走を果たした。
前日までル・マン周辺は時折雨の降る不安定な天候が続いていたが、走行初日となった13日はほとんど雨は降らず、全セッションがドライコンディションでの走行となった。
14日(木)は2回の予選セッション(予選2回目は午後7時〜午後9時。予選3回目は午後10時〜15日午前0時)が予定されており、記念すべき80回目を迎えるル・マン24時間レースへ向けて最終的なスターティンググリッドが決定される。
木下美明 (トヨタ・レーシング チーム代表)
「まず、レースの現場に戻ってこられたことに感激している。何ヶ月もの間夢見て来て、ついにこの偉大なレースに参加することが出来た。パフォーマンスについては、まずまずだと考えており、テストデーを経て予想されたレベルにある。残念ながらフリー走行で#8がエンジントラブルに見舞われてしまった。このトラブルは初めて遭遇するものだ。エンジンは、テストベンチ上でもコースでも、ル・マンの決勝レース以上の距離をトラブル無くこなしており、今回のトラブルはこのエンジン個体のものだと思われる。予選1回目のセッションでは最後に、ハイブリッドシステムの軽微なエラーに見舞われ、アレックス・ブルツのスティントを早めに終えなくてはならなかったのは残念だ。明日も更なる速さと信頼性の改良を進めていく」
■カー#7:(アレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエール、中嶋一貴)
フリー走行:5位(3分28秒421)53周
予選1回目:4位(3分27秒191)25周
アレックス・ブルツ
「今日は初日であり、多くの結論を導き出すのは難しい。フリー走行は我々にとって満足のいくものであり、予選1回目も同様だった。システムの軽微なトラブルによりほんの数分ではあるがロングランを予定よりも早く終えなくてはならなかった。ただし、これは重大なトラブルではない。全体的に見れば我々は目指す方向に進んでいる。ライバルとは若干のギャップがあるが、我々にとっては初めてのル・マンであり、これまでのところはハッピーだと言える」
ニコラス・ラピエール
「コース上がまだ若干明るいうちにプッシュすることにした。最後のセクターで他車に行く手を阻まれ、私自身も最終コーナーで若干のミスを犯したが、良いラップタイムを刻むことが出来た。最初のアタックとしては悪くなかったと思っている。まだセットアップでやれることはあり、2台が揃って予選セッションを走れたことで多くのデータを得られたのは良かったと思っている。明日は残りの予選でラップタイムを向上させるために必要な変更について考える時間がたっぷりある」
中嶋一貴
「自分にとって初めてのナイトセッション走行であり、多くの先行者の追い越しと、汚れた路面で非常に難しかったし、タイヤを暖めるのも大変だった。しかし、全体的には良いスタートが切れたし、ニコラス・ラピエールが良いラップタイムをマークしてくれた。明日に向けて、更なる改良が可能なはずだ。チームは大変なハードワークで2台のTS030 HYBRIDを今週のレースのために準備してくれた。週末のレースではその努力に少しでも報いたい」
■カー#8:(ステファン・サラザン、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)
フリー走行:6位(3分30秒162)5周
予選1回目:6位(3分28秒295)26周
ステファン・サラザン
「良い一日だった。予選1回目のセッションは、私にとっては昨年のル・マン24時間レース以来の走行であり、重要なものだった。フリー走行でのトラブルにより、この予選1回目のナイトランが最初の走行となったが、徐々に自分のリズムを取り戻すように努力した。そして、すぐに良いラップタイムを刻めたことには満足している。TS030 HYBRIDのハンドリングは好感触で、それ故にプッシュすることが可能だった。まだバランスなど詰めるべき部分はあるが、レースカーのポテンシャルは高く、まだまだ速くなると思う」
アンソニー・デビッドソン
「予選1回目では多くの先行車に引っかかってしまった。予選の後には多くのドライバーが同じ様なことを言うのは分かっているが、私の場合はアタックラップで先行車に遭遇してしまったので本当に悔しい。とはいえ、セッション全体は上手く行き、感触は悪くない。テストデーから考えればTS030 HYBRIDは進化しており、より多くのグリップと、安定性を得ているのは良い兆候だ。いくつかのポイントで最適化を進める必要はあるが、走り込むにつれ良くなっている。夜のル・マンはやはりエキサイティングで、明日の最終予選で更にラップタイムを更新できることを楽しみにしている」
セバスチャン・ブエミ
「あまり多くの周回は走れなかったが、第一印象は非常に良かった。良いスタートが切れ、全てが上手く行っている。明日はもっと多くの周回をこなし、より多くの経験を積みたい。ただそれだけだ。ル・マンの夜間走行は素晴らしい雰囲気で、ここでしか体験出来ないものだ。明日の最終予選が楽しみだ。我々は良い方向に進んでいると感じている」
カテゴリー: F1 / トヨタ / ル・マン24時間レース
6月13日(水)午後10時、日は沈んだがまだ若干明るさの残るサルト・サーキットで、2時間にわたる予選1回目のスタートが切られた。徐々に闇に包まれていくコースをレースカーのヘッドライトの閃光が切り裂き、タイムアタックを展開。午前0時にチェッカーフラッグが振られ、予選1回目のセッションは終了した。
トヨタ・レーシングは、アレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエール、中嶋一貴がドライブするTS030 HYBRID #7が3分27秒191で暫定4番手、ステファン・サラザン、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミの#8が3分28秒295で暫定6番手タイムをマーク。 また、トヨタ・レーシングの6名のドライバーは、それぞれ5周以上の周回をこなし、決勝レース出場のために必要とされる夜間走行の規定周回数をクリアした。
予選1回目の前には、午後4時から4時間にわたってフリー走行セッションが行われた。このセッションでは、#7はトラブルフリーで、空力及びメカニカルなセットアップの評価等を行なった。しかし、#8はセッション開始30分ほどを過ぎてエンジントラブルに見舞われストップ。5周のみで走行を終えることとなった。#8はピットに戻され、予選に向けてエンジンを交換。午後10時からの予選1回目に出走を果たした。
前日までル・マン周辺は時折雨の降る不安定な天候が続いていたが、走行初日となった13日はほとんど雨は降らず、全セッションがドライコンディションでの走行となった。
14日(木)は2回の予選セッション(予選2回目は午後7時〜午後9時。予選3回目は午後10時〜15日午前0時)が予定されており、記念すべき80回目を迎えるル・マン24時間レースへ向けて最終的なスターティンググリッドが決定される。
木下美明 (トヨタ・レーシング チーム代表)
「まず、レースの現場に戻ってこられたことに感激している。何ヶ月もの間夢見て来て、ついにこの偉大なレースに参加することが出来た。パフォーマンスについては、まずまずだと考えており、テストデーを経て予想されたレベルにある。残念ながらフリー走行で#8がエンジントラブルに見舞われてしまった。このトラブルは初めて遭遇するものだ。エンジンは、テストベンチ上でもコースでも、ル・マンの決勝レース以上の距離をトラブル無くこなしており、今回のトラブルはこのエンジン個体のものだと思われる。予選1回目のセッションでは最後に、ハイブリッドシステムの軽微なエラーに見舞われ、アレックス・ブルツのスティントを早めに終えなくてはならなかったのは残念だ。明日も更なる速さと信頼性の改良を進めていく」
■カー#7:(アレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエール、中嶋一貴)
フリー走行:5位(3分28秒421)53周
予選1回目:4位(3分27秒191)25周
アレックス・ブルツ
「今日は初日であり、多くの結論を導き出すのは難しい。フリー走行は我々にとって満足のいくものであり、予選1回目も同様だった。システムの軽微なトラブルによりほんの数分ではあるがロングランを予定よりも早く終えなくてはならなかった。ただし、これは重大なトラブルではない。全体的に見れば我々は目指す方向に進んでいる。ライバルとは若干のギャップがあるが、我々にとっては初めてのル・マンであり、これまでのところはハッピーだと言える」
ニコラス・ラピエール
「コース上がまだ若干明るいうちにプッシュすることにした。最後のセクターで他車に行く手を阻まれ、私自身も最終コーナーで若干のミスを犯したが、良いラップタイムを刻むことが出来た。最初のアタックとしては悪くなかったと思っている。まだセットアップでやれることはあり、2台が揃って予選セッションを走れたことで多くのデータを得られたのは良かったと思っている。明日は残りの予選でラップタイムを向上させるために必要な変更について考える時間がたっぷりある」
中嶋一貴
「自分にとって初めてのナイトセッション走行であり、多くの先行者の追い越しと、汚れた路面で非常に難しかったし、タイヤを暖めるのも大変だった。しかし、全体的には良いスタートが切れたし、ニコラス・ラピエールが良いラップタイムをマークしてくれた。明日に向けて、更なる改良が可能なはずだ。チームは大変なハードワークで2台のTS030 HYBRIDを今週のレースのために準備してくれた。週末のレースではその努力に少しでも報いたい」
■カー#8:(ステファン・サラザン、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)
フリー走行:6位(3分30秒162)5周
予選1回目:6位(3分28秒295)26周
ステファン・サラザン
「良い一日だった。予選1回目のセッションは、私にとっては昨年のル・マン24時間レース以来の走行であり、重要なものだった。フリー走行でのトラブルにより、この予選1回目のナイトランが最初の走行となったが、徐々に自分のリズムを取り戻すように努力した。そして、すぐに良いラップタイムを刻めたことには満足している。TS030 HYBRIDのハンドリングは好感触で、それ故にプッシュすることが可能だった。まだバランスなど詰めるべき部分はあるが、レースカーのポテンシャルは高く、まだまだ速くなると思う」
アンソニー・デビッドソン
「予選1回目では多くの先行車に引っかかってしまった。予選の後には多くのドライバーが同じ様なことを言うのは分かっているが、私の場合はアタックラップで先行車に遭遇してしまったので本当に悔しい。とはいえ、セッション全体は上手く行き、感触は悪くない。テストデーから考えればTS030 HYBRIDは進化しており、より多くのグリップと、安定性を得ているのは良い兆候だ。いくつかのポイントで最適化を進める必要はあるが、走り込むにつれ良くなっている。夜のル・マンはやはりエキサイティングで、明日の最終予選で更にラップタイムを更新できることを楽しみにしている」
セバスチャン・ブエミ
「あまり多くの周回は走れなかったが、第一印象は非常に良かった。良いスタートが切れ、全てが上手く行っている。明日はもっと多くの周回をこなし、より多くの経験を積みたい。ただそれだけだ。ル・マンの夜間走行は素晴らしい雰囲気で、ここでしか体験出来ないものだ。明日の最終予選が楽しみだ。我々は良い方向に進んでいると感じている」
カテゴリー: F1 / トヨタ / ル・マン24時間レース