トヨタ、中嶋一貴が“ル・マン”史上初の日本人ポールポジションを獲得
6月12日(木)、FIA世界耐久選手権第3戦ル・マン24時間レースの予選第2回目と第3回目が行われ、トヨタ・レーシングのTS040 HYBRIDは中嶋一貴がタイムアタックした#7がトップタイムをマーク。日本人ドライバーとして初めてル・マン24時間レースでのポールポジションを獲得した。
#8は3番手に付け、TS040 HYBRIDは1番手、3番手から決勝レースをスタートする。
トヨタ・レーシングが第82回ル・マン24時間レースのポールポジションを獲得した。アレックス・ブルツ、ステファン・サラザンと共にTS040 HYBRID #7をドライブした中嶋一貴が、3分21秒789をマーク。トヨタにポールポジションをもたらした。
アンソニー・デビッドソンとニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミのTS040 HYBRID #8は、3番手グリッドから決勝レースをスタートする。
25%の燃費削減を実現しながらも、トヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)により1000馬力を発揮するTS040HYBRIDは、昨年のポールポジションタイムである3分22秒346から0.557秒もタイムを縮めた。
WEC開幕2戦で連勝を飾ったTS040 HYBRIDのハイパフォーマンスは、新世代耐久レースにおいて既にスタンダードになりつつあり、その高い能力を再び示した。
ル・マン24時間レース決勝のスターティンググリッドは、3回の予選セッションを通した、最も速い1周のラップタイムで決定される。
夏のヨーロッパらしく、まだ明るい午後7時に2時間の予選第2回目が開始された。このセッションも前日に続き、2回に渡って赤旗中断となり、走行の機会が失われたが、予選2回目の残り15分でセッションが再開されると、各車タイムアタックを開始。#7は中嶋がステアリングを握ると、周回のたびにタイムを更新し、トップに浮上。暫定ポールポジションにつけた。
2回の予選セッションで赤旗が多発したため、30分繰り上げられて開始された最後の予選第3回目、最初のタイムアタッカーとして中嶋とブエミがコースイン。まだ明るさの残るセッション序盤から果敢にアタックし、中嶋は4周目に3分21秒789という、ただ一人21秒台に入れる驚異の走りで更にタイムを縮めた。
最終予選セッションの中盤には、全てのドライバーがステアリングを握り、タイヤの評価及びセットアップを継続。最後にポールポジションを獲得するために、中嶋とブエミが再びコクピットに収まった。しかし、セッション終盤はイエローフラッグによりコースの一部でスロー走行が強いられ、タイムアップはならず予選は終了。
序盤にマークした中嶋のタイムは破られることなく、#7がポールポジション、#8が3番手となった。トヨタのル・マン24時間レースでのポールポジションは1999年のTS020以来2度目。日本人ドライバーとしては82回のル・マンの歴史で初めて、そしてもちろん日本メーカーの車両と日本人ドライバーという組み合わせでも初めてとなるポールポジション獲得となった。
ポールポジションの喜びに酔いしれることなく、トヨタにとって16回目の挑戦で初勝利を飾るべく、チームは土曜日の決勝レースへ準備へ意識を切り替えている。
決勝レースは14日(土)午後3時(日本時間午後10時)に24時間に向けたスタートが切られる。
TS040 HYBRID #7:
(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
公式予選第1回目(水曜日): 3番手(3分25秒313) 12周
公式予選第2回目(木曜日): 1番手(3分22秒589) 20周
公式予選第3回目(木曜日): 1番手(3分21秒789) 37周
スターティンググリッド:1番手
アレックス・ブルツ:
最高の結果となり、とても嬉しい。一貴は凄いアタックを見せてくれた。ポールポジションを獲得出来たというだけでなく、我々の今日の取り組みが上手くいったという点でもハッピーだ。決勝レースに向け、我々全員を勇気づけてくれる結果だ。素晴らしいチームワークで、セットアップや様々な作業をこなすことが出来た。チームを本当に誇りに思う。
ステファン・サラザン:
WEC第1戦に続き、再びポールポジションが獲得出来て夢のようだ。チームと一貴の素晴らしい働きのお蔭だ。昨日のTS040 HYBRIDも好調だったが、今日は更に良かった。最高のセットアップが出来たのはチームの努力の結果だ。決勝レースに、我々のTS040 HYBRIDが最高のレーシングカーだという自信と共に臨めるのは心強い。全てのコーナー、全てのラップでプッシュ出来るほど、全て順調だ。ただ、決勝レースは非常に長い。スプリントレースのようにアタックせずに落ち着いて戦わなくてはならないということは分かっている。
中嶋一貴:
24時間の長丁場のレースではあっても、やはりポールポジション獲得はとても嬉しい。TS040 HYBRIDの状態も良かったし、チームの皆には本当に感謝している。このレースに勝つために、全員で準備して来た。トラフィックの処理には苦労しつつもクリアラップを取れたことが、ポールポジション獲得に繋がったと思う。レースはタフなものになるだろうが、今夜は素直に喜びたい。我々はなすべきことに妥協はしなかったし、良いタイミングでラップタイムを刻めるようにも努めた。さあ、レースに向けて準備は万端整った。いよいよ挑戦が始まる。
TS040 HYBRID #8:
(アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
公式予選第1回目(水曜日): 4番手(3分25秒410) 12周
公式予選第2回目(木曜日): 5番手(3分23秒661) 19周
公式予選第3回目(木曜日): 3番手(3分22秒523) 36周
スターティンググリッド:3番手
アンソニー・デビッドソン:
一貴が記録した最高のラップタイムのお蔭でチーム全体が最高のムードだ。#7とチームを祝福したい。予選第3回目には私はあまり運転をしなかった。セバスチャンがタイムアタックして、新品タイヤをまさにベストなタイミングで使って良いタイムが記録出来た。彼は混雑したコースで走行を強いられたが、最後には3番手のタイムを記録することが出来た。2列目から決勝レースをスタート出来るというのはなかなか良いものだ。
ニコラス・ラピエール:
ライバルもポールポジションを狙っている中で、1番手と3番手からスタート出来るのは素晴らしい結果だ。ポールポジションだけが我々の目標ではなく、 ロングランでのパフォーマンス向上も大事だった。TS040 HYBRIDのバランスは昼も夜も良く、決勝レースが待ち遠しい。準備は万端だ。一貴のラップタイムはファンタスティックで、彼にはおめでとうと言いたい。
セバスチャン・ブエミ:
まずは#7の皆におめでとうと言いたい。彼らのパフォーマンスは素晴らしかった、特に一貴は、素晴らしいラップタイムでチーム全体にとっても非常に良い結果となった。もちろん、ドライバーとしては彼らの後に付くのは少々残念だが、それよりもチームが優先だ。レースは長丁場なので、まだまだこれからだ。
関連:ル・マン24時間レース 2014:テレビ放送&ライブ配信スケジュール
カテゴリー: F1 / トヨタ / ル・マン24時間レース
#8は3番手に付け、TS040 HYBRIDは1番手、3番手から決勝レースをスタートする。
トヨタ・レーシングが第82回ル・マン24時間レースのポールポジションを獲得した。アレックス・ブルツ、ステファン・サラザンと共にTS040 HYBRID #7をドライブした中嶋一貴が、3分21秒789をマーク。トヨタにポールポジションをもたらした。
アンソニー・デビッドソンとニコラス・ラピエール、セバスチャン・ブエミのTS040 HYBRID #8は、3番手グリッドから決勝レースをスタートする。
25%の燃費削減を実現しながらも、トヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)により1000馬力を発揮するTS040HYBRIDは、昨年のポールポジションタイムである3分22秒346から0.557秒もタイムを縮めた。
WEC開幕2戦で連勝を飾ったTS040 HYBRIDのハイパフォーマンスは、新世代耐久レースにおいて既にスタンダードになりつつあり、その高い能力を再び示した。
ル・マン24時間レース決勝のスターティンググリッドは、3回の予選セッションを通した、最も速い1周のラップタイムで決定される。
夏のヨーロッパらしく、まだ明るい午後7時に2時間の予選第2回目が開始された。このセッションも前日に続き、2回に渡って赤旗中断となり、走行の機会が失われたが、予選2回目の残り15分でセッションが再開されると、各車タイムアタックを開始。#7は中嶋がステアリングを握ると、周回のたびにタイムを更新し、トップに浮上。暫定ポールポジションにつけた。
2回の予選セッションで赤旗が多発したため、30分繰り上げられて開始された最後の予選第3回目、最初のタイムアタッカーとして中嶋とブエミがコースイン。まだ明るさの残るセッション序盤から果敢にアタックし、中嶋は4周目に3分21秒789という、ただ一人21秒台に入れる驚異の走りで更にタイムを縮めた。
最終予選セッションの中盤には、全てのドライバーがステアリングを握り、タイヤの評価及びセットアップを継続。最後にポールポジションを獲得するために、中嶋とブエミが再びコクピットに収まった。しかし、セッション終盤はイエローフラッグによりコースの一部でスロー走行が強いられ、タイムアップはならず予選は終了。
序盤にマークした中嶋のタイムは破られることなく、#7がポールポジション、#8が3番手となった。トヨタのル・マン24時間レースでのポールポジションは1999年のTS020以来2度目。日本人ドライバーとしては82回のル・マンの歴史で初めて、そしてもちろん日本メーカーの車両と日本人ドライバーという組み合わせでも初めてとなるポールポジション獲得となった。
ポールポジションの喜びに酔いしれることなく、トヨタにとって16回目の挑戦で初勝利を飾るべく、チームは土曜日の決勝レースへ準備へ意識を切り替えている。
決勝レースは14日(土)午後3時(日本時間午後10時)に24時間に向けたスタートが切られる。
TS040 HYBRID #7:
(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)
公式予選第1回目(水曜日): 3番手(3分25秒313) 12周
公式予選第2回目(木曜日): 1番手(3分22秒589) 20周
公式予選第3回目(木曜日): 1番手(3分21秒789) 37周
スターティンググリッド:1番手
アレックス・ブルツ:
最高の結果となり、とても嬉しい。一貴は凄いアタックを見せてくれた。ポールポジションを獲得出来たというだけでなく、我々の今日の取り組みが上手くいったという点でもハッピーだ。決勝レースに向け、我々全員を勇気づけてくれる結果だ。素晴らしいチームワークで、セットアップや様々な作業をこなすことが出来た。チームを本当に誇りに思う。
ステファン・サラザン:
WEC第1戦に続き、再びポールポジションが獲得出来て夢のようだ。チームと一貴の素晴らしい働きのお蔭だ。昨日のTS040 HYBRIDも好調だったが、今日は更に良かった。最高のセットアップが出来たのはチームの努力の結果だ。決勝レースに、我々のTS040 HYBRIDが最高のレーシングカーだという自信と共に臨めるのは心強い。全てのコーナー、全てのラップでプッシュ出来るほど、全て順調だ。ただ、決勝レースは非常に長い。スプリントレースのようにアタックせずに落ち着いて戦わなくてはならないということは分かっている。
中嶋一貴:
24時間の長丁場のレースではあっても、やはりポールポジション獲得はとても嬉しい。TS040 HYBRIDの状態も良かったし、チームの皆には本当に感謝している。このレースに勝つために、全員で準備して来た。トラフィックの処理には苦労しつつもクリアラップを取れたことが、ポールポジション獲得に繋がったと思う。レースはタフなものになるだろうが、今夜は素直に喜びたい。我々はなすべきことに妥協はしなかったし、良いタイミングでラップタイムを刻めるようにも努めた。さあ、レースに向けて準備は万端整った。いよいよ挑戦が始まる。
TS040 HYBRID #8:
(アンソニー・デビッドソン/ニコラス・ラピエール/セバスチャン・ブエミ)
公式予選第1回目(水曜日): 4番手(3分25秒410) 12周
公式予選第2回目(木曜日): 5番手(3分23秒661) 19周
公式予選第3回目(木曜日): 3番手(3分22秒523) 36周
スターティンググリッド:3番手
アンソニー・デビッドソン:
一貴が記録した最高のラップタイムのお蔭でチーム全体が最高のムードだ。#7とチームを祝福したい。予選第3回目には私はあまり運転をしなかった。セバスチャンがタイムアタックして、新品タイヤをまさにベストなタイミングで使って良いタイムが記録出来た。彼は混雑したコースで走行を強いられたが、最後には3番手のタイムを記録することが出来た。2列目から決勝レースをスタート出来るというのはなかなか良いものだ。
ニコラス・ラピエール:
ライバルもポールポジションを狙っている中で、1番手と3番手からスタート出来るのは素晴らしい結果だ。ポールポジションだけが我々の目標ではなく、 ロングランでのパフォーマンス向上も大事だった。TS040 HYBRIDのバランスは昼も夜も良く、決勝レースが待ち遠しい。準備は万端だ。一貴のラップタイムはファンタスティックで、彼にはおめでとうと言いたい。
セバスチャン・ブエミ:
まずは#7の皆におめでとうと言いたい。彼らのパフォーマンスは素晴らしかった、特に一貴は、素晴らしいラップタイムでチーム全体にとっても非常に良い結果となった。もちろん、ドライバーとしては彼らの後に付くのは少々残念だが、それよりもチームが優先だ。レースは長丁場なので、まだまだこれからだ。
関連:ル・マン24時間レース 2014:テレビ放送&ライブ配信スケジュール
カテゴリー: F1 / トヨタ / ル・マン24時間レース