トヨタ WEC 2024年シーズン第1戦 カタール1812KM プレビュー
トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing/TGR)は、2024年のFIA世界耐久選手権(WEC)シリーズチャンピオンを防衛すべく、過去最大となるハイパーカーのライバル達と戦う準備を整えた。
昨シーズン、キャデラック、フェラーリ、プジョー、ポルシェとの接戦を制し、5シーズン連続となるシリーズダブルタイトルを獲得したTGRは今シーズン、新規参入のアルピーヌ、BMW、イソッタ・フラスキーニ、ランボルギーニを含む19台のハイパーカーの中で戦っていく。
経験豊富で実績のあるドライバーをラインナップに構え、GR010 HYBRID 7号車は、チーム代表の小林可夢偉とTGRでのデビューから10年となるマイク・コンウェイが、TGRのテスト兼リザーブドライバーだった新加入のニック・デ・フリースと共にドライブする。世界チャンピオンに君臨するセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮は、GR010 HYBRID 8号車で3年連続のタイトル獲得に挑む。ブエミとハートレーはWEC史上最多となる4度のタイトルを獲得しているドライバーであり、平川は2度のハイパーカー・シーズンのそれぞれで世界チャンピオンとなっている。
今シーズンは、2021年のデビュー以来19戦中16勝を挙げているGR010 HYBRIDが印象的な外観に刷新された。マットブラックのカラーリングは、TGRのモータースポーツを起点とした、もっといいクルマづくりへのコミットメントと、耐久レースを通じてハイブリッド技術を磨き、絶え間なく進化し続ける姿勢を表している。
また、車両の各コンポーネントの細かな変更により信頼性も向上しているが、最も目に見える技術的な変更はフロント・ヘッドライトに関するものだ。ドライバーからのフィードバックをもとにLEDの仕様を変更し、ウェットコンディションや夜間の視認性を向上させた。また、アメリカ・オースティンとブラジル・サンパウロの反時計回りのサーキットでのピットストップ効率を高めるため、GR010 HYBRIDでは初めて車両の左側でも給油できるように改良された。
TGRは、長期的にパートナー企業の皆様からの技術的なサポートを受けている。デンソーはアイシンと共にGR010 HYBRIDのフロントモーターを製作し、高性能スパークプラグも供給している。レイズからは軽量マグネシウム合金ホイールが提供され、エクソンモービルからモービル1・エンジンオイルの提供を受けている。
モータースポーツ活動を通じてカーボンニュートラルな未来を追求するTGRのミッションに沿い、GR010 HYBRIDは今シーズンも100%再生可能なバイオ燃料を使用し、CO2排出量を少なくとも65%削減する。サステナビリティへのさらなる貢献のため、レースではタイヤウォーマーが禁止されている。
持続可能性へ向けた取り組みはサーキットのみでなく、チームの本拠地であるドイツ・ケルンにおいても行われており、新しい中央集中冷却システムを備えた工場により、既に年間約1400トンのCO2削減を実現。カーボンニュートラル社会実現へ向けた重要な一歩を踏み出している。
2024年シーズンへ向けて改良された最新のGR010 HYBRIDは、2月24日(土)と25日(日)の両日カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットで行われるWEC公式プロローグ、プレシーズンテストにおいて初めて一般に披露される。TGRは昨年11月末に、このカタールのサーキットで既にテスト走行を行っている。
このプロローグが行われる1周5.380kmのルサイル・サーキットはまた、全8戦で戦われるWEC2024年シーズンの開幕戦の舞台でもある。3月2日(土)に決勝が行われる第1戦カタール1812KMは、現地時間午前11時にスタートが切られ、カタールの建国記念日である12月18日にちなんだ1812km、もしくは最大10時間で競われる。
カタールでの開幕戦を終えると、戦いの舞台はヨーロッパへと移る。第2戦(4月21日)はイタリア・イモラ、第3戦(5月11日)はベルギーのスパ・フランコルシャン、そして、第4戦(6月15日-16日)のル・マン24時間と、ヨーロッパでの3つのレースを終えると、大西洋を越えて第5戦(7月14日)はブラジル・サンパウロ、第6戦(9月1日)はアメリカ・テキサス州オースティン、そして、第7戦(9月15日)がチームのホームレースである日本の富士で戦われ、恒例となったバーレーンで11月2日に最終戦を迎える。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
今シーズンのハイパーカークラスの競争は、これまで以上に厳しくなると思っています。好成績を残していくのはより難しくなると思いますが、その分、特別なものになりますし、チームの皆が本当にやる気に満ちています。昨年、我々は世界耐久選手権でチャンピオンを獲得しましたが、ル・マンでは優勝を逃したので、その奪還が今年の最大の目標です。耐久レースでは、成功するには車のパフォーマンスだけでなく、メカニック、エンジニア、ドライバー全員が完璧に機能するチームワークが必要です。激しい競争の中で、我々はさらにハードにプッシュする必要があり、チーム全員による最高のチーム力が必要だと思っています。我々の今までの経験はアドバンテージになりますし、今シーズンに向けて集中してきました。準備は整っています。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
10年というと長いようですが、過ぎてしまえばあっという間でした。様々なレースカーと、様々なチームメイトと共に多くの楽しい時間を過ごし、思い出深いです。毎年楽しかったですが、今年も同じように楽しめるでしょう。我々7号車は昨年4勝を挙げており、今年もそのままの勢いで戦えることを期待しています。ライバルがさらに増え、戦いはさらに厳しくなりますが、我々には勢いがありますし、それを活かしていかなくてはなりません。カタールは誰にとっても初めてのコースなので、力強いパフォーマンスで良いスタートを切りたいと思います。
ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー):
多くのマニュファクチャラーが参戦し、勢いに乗るWECという素晴らしいシリーズに、TGRの一員として参加できることは本当に光栄です。最初のレースを戦うのを長い間待ち望んでいたので、とても興奮しています。長い歴史を誇るこのチームの一員として戦う以上、勝利を目指すのは当然ですし、これまでの勢いを活かして初戦のカタールから上位を争えればと思っています。昨年暮れにカタールではテストで走行しており、準備はできていますし、やっとレースが始められることにわくわくしています。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
今年はWECのトップカテゴリーにおいて、私が経験してきた中でも最多の台数がグリッドに並ぶので、大きなチャレンジになると思います。我々はGR010 HYBRIDと組織全体の改善に向けて懸命な努力を続けてきたので、上位を争う自信はありますが、もちろん簡単ではないでしょう。カタールが本当に楽しみです。カタールでは去る11月末にテストを行ったので、コースとGR010 HYBRIDで走るフィーリングはわかっています。印象的なコースで、GR010 HYBRIDで走るのは最高ですし、素晴らしいイベントになるでしょう。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
シーズン開幕が本当に楽しみです。ライバル勢はさらに強力になり、良いバトルができるでしょう。予選はこれまで以上に重要になりますし、全てのポイント、全てのオーバーテイク、そして、全てのポジションが重要になります。ミスを犯すことなく、チームと一丸となって、全てのポテンシャルを引き出すべく戦う必要があります。世界チャンピオンの防衛がかかっているので、ややプレッシャーはありますが、豊富な経験を持つ素晴らしいチームですし、挑戦へ向けた準備はできていると感じています。
平川亮(8号車 ドライバー):
私にとってTGRでのWEC参戦は3シーズン目となり、チームの一員であるという実感はさらに増しています。8号車を共にドライブするセバスチャンとブレンドンとは、お互いの関係も良く、楽しんでいます。世界チャンピオンを2年連続で獲得できたというのは本当に特別なことで、もちろん今年もその防衛が目標ですが、私自身の最大の目標はル・マンでの優勝です。ハイパーカーのライバルが増え、これまで以上に難しい挑戦となりますが、誰もがとても楽しみにしています。カタールでレースを始めるのが待ちきれません。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)
昨シーズン、キャデラック、フェラーリ、プジョー、ポルシェとの接戦を制し、5シーズン連続となるシリーズダブルタイトルを獲得したTGRは今シーズン、新規参入のアルピーヌ、BMW、イソッタ・フラスキーニ、ランボルギーニを含む19台のハイパーカーの中で戦っていく。
経験豊富で実績のあるドライバーをラインナップに構え、GR010 HYBRID 7号車は、チーム代表の小林可夢偉とTGRでのデビューから10年となるマイク・コンウェイが、TGRのテスト兼リザーブドライバーだった新加入のニック・デ・フリースと共にドライブする。世界チャンピオンに君臨するセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮は、GR010 HYBRID 8号車で3年連続のタイトル獲得に挑む。ブエミとハートレーはWEC史上最多となる4度のタイトルを獲得しているドライバーであり、平川は2度のハイパーカー・シーズンのそれぞれで世界チャンピオンとなっている。
今シーズンは、2021年のデビュー以来19戦中16勝を挙げているGR010 HYBRIDが印象的な外観に刷新された。マットブラックのカラーリングは、TGRのモータースポーツを起点とした、もっといいクルマづくりへのコミットメントと、耐久レースを通じてハイブリッド技術を磨き、絶え間なく進化し続ける姿勢を表している。
また、車両の各コンポーネントの細かな変更により信頼性も向上しているが、最も目に見える技術的な変更はフロント・ヘッドライトに関するものだ。ドライバーからのフィードバックをもとにLEDの仕様を変更し、ウェットコンディションや夜間の視認性を向上させた。また、アメリカ・オースティンとブラジル・サンパウロの反時計回りのサーキットでのピットストップ効率を高めるため、GR010 HYBRIDでは初めて車両の左側でも給油できるように改良された。
TGRは、長期的にパートナー企業の皆様からの技術的なサポートを受けている。デンソーはアイシンと共にGR010 HYBRIDのフロントモーターを製作し、高性能スパークプラグも供給している。レイズからは軽量マグネシウム合金ホイールが提供され、エクソンモービルからモービル1・エンジンオイルの提供を受けている。
モータースポーツ活動を通じてカーボンニュートラルな未来を追求するTGRのミッションに沿い、GR010 HYBRIDは今シーズンも100%再生可能なバイオ燃料を使用し、CO2排出量を少なくとも65%削減する。サステナビリティへのさらなる貢献のため、レースではタイヤウォーマーが禁止されている。
持続可能性へ向けた取り組みはサーキットのみでなく、チームの本拠地であるドイツ・ケルンにおいても行われており、新しい中央集中冷却システムを備えた工場により、既に年間約1400トンのCO2削減を実現。カーボンニュートラル社会実現へ向けた重要な一歩を踏み出している。
2024年シーズンへ向けて改良された最新のGR010 HYBRIDは、2月24日(土)と25日(日)の両日カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットで行われるWEC公式プロローグ、プレシーズンテストにおいて初めて一般に披露される。TGRは昨年11月末に、このカタールのサーキットで既にテスト走行を行っている。
このプロローグが行われる1周5.380kmのルサイル・サーキットはまた、全8戦で戦われるWEC2024年シーズンの開幕戦の舞台でもある。3月2日(土)に決勝が行われる第1戦カタール1812KMは、現地時間午前11時にスタートが切られ、カタールの建国記念日である12月18日にちなんだ1812km、もしくは最大10時間で競われる。
カタールでの開幕戦を終えると、戦いの舞台はヨーロッパへと移る。第2戦(4月21日)はイタリア・イモラ、第3戦(5月11日)はベルギーのスパ・フランコルシャン、そして、第4戦(6月15日-16日)のル・マン24時間と、ヨーロッパでの3つのレースを終えると、大西洋を越えて第5戦(7月14日)はブラジル・サンパウロ、第6戦(9月1日)はアメリカ・テキサス州オースティン、そして、第7戦(9月15日)がチームのホームレースである日本の富士で戦われ、恒例となったバーレーンで11月2日に最終戦を迎える。
小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
今シーズンのハイパーカークラスの競争は、これまで以上に厳しくなると思っています。好成績を残していくのはより難しくなると思いますが、その分、特別なものになりますし、チームの皆が本当にやる気に満ちています。昨年、我々は世界耐久選手権でチャンピオンを獲得しましたが、ル・マンでは優勝を逃したので、その奪還が今年の最大の目標です。耐久レースでは、成功するには車のパフォーマンスだけでなく、メカニック、エンジニア、ドライバー全員が完璧に機能するチームワークが必要です。激しい競争の中で、我々はさらにハードにプッシュする必要があり、チーム全員による最高のチーム力が必要だと思っています。我々の今までの経験はアドバンテージになりますし、今シーズンに向けて集中してきました。準備は整っています。
マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
10年というと長いようですが、過ぎてしまえばあっという間でした。様々なレースカーと、様々なチームメイトと共に多くの楽しい時間を過ごし、思い出深いです。毎年楽しかったですが、今年も同じように楽しめるでしょう。我々7号車は昨年4勝を挙げており、今年もそのままの勢いで戦えることを期待しています。ライバルがさらに増え、戦いはさらに厳しくなりますが、我々には勢いがありますし、それを活かしていかなくてはなりません。カタールは誰にとっても初めてのコースなので、力強いパフォーマンスで良いスタートを切りたいと思います。
ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー):
多くのマニュファクチャラーが参戦し、勢いに乗るWECという素晴らしいシリーズに、TGRの一員として参加できることは本当に光栄です。最初のレースを戦うのを長い間待ち望んでいたので、とても興奮しています。長い歴史を誇るこのチームの一員として戦う以上、勝利を目指すのは当然ですし、これまでの勢いを活かして初戦のカタールから上位を争えればと思っています。昨年暮れにカタールではテストで走行しており、準備はできていますし、やっとレースが始められることにわくわくしています。
セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
今年はWECのトップカテゴリーにおいて、私が経験してきた中でも最多の台数がグリッドに並ぶので、大きなチャレンジになると思います。我々はGR010 HYBRIDと組織全体の改善に向けて懸命な努力を続けてきたので、上位を争う自信はありますが、もちろん簡単ではないでしょう。カタールが本当に楽しみです。カタールでは去る11月末にテストを行ったので、コースとGR010 HYBRIDで走るフィーリングはわかっています。印象的なコースで、GR010 HYBRIDで走るのは最高ですし、素晴らしいイベントになるでしょう。
ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
シーズン開幕が本当に楽しみです。ライバル勢はさらに強力になり、良いバトルができるでしょう。予選はこれまで以上に重要になりますし、全てのポイント、全てのオーバーテイク、そして、全てのポジションが重要になります。ミスを犯すことなく、チームと一丸となって、全てのポテンシャルを引き出すべく戦う必要があります。世界チャンピオンの防衛がかかっているので、ややプレッシャーはありますが、豊富な経験を持つ素晴らしいチームですし、挑戦へ向けた準備はできていると感じています。
平川亮(8号車 ドライバー):
私にとってTGRでのWEC参戦は3シーズン目となり、チームの一員であるという実感はさらに増しています。8号車を共にドライブするセバスチャンとブレンドンとは、お互いの関係も良く、楽しんでいます。世界チャンピオンを2年連続で獲得できたというのは本当に特別なことで、もちろん今年もその防衛が目標ですが、私自身の最大の目標はル・マンでの優勝です。ハイパーカーのライバルが増え、これまで以上に難しい挑戦となりますが、誰もがとても楽しみにしています。カタールでレースを始めるのが待ちきれません。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)