アストンマーティンF1とホンダ 危機公開の裏にFIA特例狙いの可能性

アストンマーティンのチーム代表エイドリアン・ニューウェイは、ホンダ製パワーユニットが引き起こす強い振動について「パワーユニットが振動の発生源だ」と説明し、ドライバーの手に永久的な神経損傷のリスクがある可能性にも言及した。
こうした異例の公開発言は、2026年から導入されたパワーユニット開発ルールの中で特例的な開発許可を引き出す狙いがあるのではないかとの見方も浮上している。
振動問題を公表したアストンマーティン
ニューウェイはメルボルンでの記者会見で、ホンダ製パワーユニットの振動問題について率直に語った。
「パワーユニットが振動の発生源だ。現時点ではこの影響を抑えるためにできることは何もない」
さらにニューウェイは、この振動がドライバーにも影響を及ぼしている可能性があると説明した。
「フェルナンド(アロンソ)は、手に永久的な神経損傷のリスクを避けるため、25周以上連続して走ることはできないと感じている」
こうした発言は、通常はチーム内部にとどめられる技術的問題を公の場で明らかにする異例のものだった。
2026年パワーユニット開発ルール
2026年F1シーズンからはパワーユニット開発に関する厳格な制限が導入されている。
新レギュレーションでは、エンジンメーカーが自由に設計を変更することはできず、性能が大きく劣るメーカーに対してのみ特別な開発機会が与えられる仕組みが導入されている。
この制度は「ADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)」と呼ばれ、競争力が不足しているメーカーに追加の開発機会を与えることを目的としている。

第6戦まで待たなければならない評価
しかし、この制度を適用するための評価はシーズン途中で行われる。
FIAが設定している最初の評価タイミングは2026年第6戦終了後で、現時点のカレンダーではマイアミGPがその対象となっている。
そのため、もしホンダのパワーユニットに深刻なパフォーマンス不足があったとしても、すぐに大幅な設計変更を行うことは難しい。
安全問題なら例外の可能性
ただし、安全性に関わる問題である場合には状況が変わる可能性もある。
ニューウェイが言及した「神経損傷のリスク」は安全問題として扱われる可能性があり、FIAが例外的な対応を取る余地もあるとみられている。
FIAへの政治メッセージ
こうした背景から、アストンマーティンとホンダが問題の深刻さを公表したのは、FIAに対して早期の対応を求める政治的メッセージではないかとの見方も浮上している。
2026年F1シーズンはまだ始まったばかりだが、パワーユニット問題はすでにスポーツ面だけでなく政治的な議論にも発展しつつある。
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