WEC:ハイパーカー初の予選でトヨタ GR010 HYBRIDが最前列1-2グリッドを獲得。小林可夢偉がアタックした7号車が初ポールポジション
4月30日(金)、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで、2021年FIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦スパ・フランコルシャン6時間レースの予選が行われ、TOYOTA GAZOO RacingのGR010 HYBRID 7号車を駆る小林可夢偉がポールポジションを獲得。中嶋一貴がアタックした8号車が2番手で続き、2台のGR010 HYBRIDはこの歴史的ハイパーカーデビューレースを、最前列グリッドから並んでスタートすることとなった。

今季よりWECの予選フォーマットは改訂され、一人のドライバーがアタックしたタイムで決勝のスターティンググリッドが決定される。マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブする7号車では、小林可夢偉が予選アタックを担当し、2分0秒747という素晴らしいタイムをマーク、またセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーが駆る8号車は中嶋一貴がアタックし、チームメイトから0.519秒遅れの2番手タイムとなり、TOYOTA GAZOO Racingにとっては完璧な予選セッションとなった。

小林可夢偉のアタックでポールポジションを獲得した7号車は選手権ポイント1点を獲得。TOYOTA GAZOO Racingはスパ戦5連覇へ向けて準備を整えた。

今週、TOYOTA GAZOO Racingはベルギーのスパにおいて月曜日から通算約15時間に渡るテストと練習走行セッションを精力的にこなした。7号車は技術的なトラブルに見舞われ、貴重な時間をロスしたが、チームは車両のセットアップとGR010 HYBRIDの制御に関する作業をしっかりと続けてきた。

これまでの練習走行では他クラス車両とのラップタイム差は僅かだったが、注目の予選では、小林可夢偉と中嶋一貴は最低限の燃料を搭載し、新品タイヤで予選セッション開始と同時に先陣を切ってコースインすると、他車がいないクリーンなアタックラップで2台揃ってライバルを大きく引き離すタイムをマークして見せた。

ハイパーカー時代の幕を開ける、2021年シーズン開幕戦スパ6時間の決勝レースは、5月1日(土)現地時間午後1時半(日本時間午後8時半)にスタートが切られる。

小林可夢偉(GR010 HYBRID #7)
ハイパーカーでの初予選でポールポジションを獲得できたことを本当に誇りに思います。今日までの道のりは簡単ではなく、今週も幾つかのトラブルに見舞われ、完璧とは言えませんでした。しかし予選では全てをかけてアタックし、GR010 HYBRIDもとても好調でした。燃料の少ない状態でのアタックは初めてでしたが1周目から素晴らしい走りができ、素晴らしい仕事でGR010 HYBRIDを仕上げてくれたチームには本当に感謝しています。新しいハイパーカーのルールの中で、ゼロからレースカーを作り上げるというのはとても難しいチャレンジでしたが、このラップタイムでそれに応えられたのは良かったと思っていますし、このクルマの開発の一員として貢献できていることを嬉しく思います。明日はさらにチャレンジングな一日になるでしょう。特にタイヤの摩耗についてはまだ克服しなければならないことが沢山あります。まずは信頼性を確保し、最優先事項はレースを確実に完走することです。

中嶋一貴(GR010 HYBRID #8)
私自身のアタックラップは完全にクリーンとは言えませんでした。GR010 HYBRIDはとても好調で、新品タイヤでのハンドリングも満足で、予選アタックを楽しむことができました。ただ、もう少しタイムは縮められたと思います。プロローグ・テストが始まったときに比べれば、クルマへの満足度は高まっていますし、コースの路面コンディションも向上しています。感触は良くなっていますが、1セットのタイヤで2スティント走る決勝レースはとても難しくなると思います。判断を間違わず、優勝争いをすること、それが我々の目標です。この週末の各走行セッションを通して見ると、我々のロングランでのペースが良いときもあれば、7号車の方が速かったときもあり、予想は難しいです。しかし、もちろん決勝レースでは優勝を目指してGR010 HYBRID同士ハードに戦えることを臨んでいます。

WEC 第1戦 スパ6時間 公式予選結果(総合順位)
順位No.ドライバー名チーム/車種ベストタイム
17マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ホセ・マリア・ロペス
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
2:00.747
28セバスチャン・ブエミ
中嶋一貴
ブレンドン・ハートレー
TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID
2:01.266
322フィリップ・ハンソン
ファビオ・シェーラー
フィリペ・アルバカーキ
ユナイテッド・オートスポーツ/
Oreca 07-Gibson
2:02.404
436アンドレ・ネグラオ
ニコラス・ラピエール
マシュー・バキシビエール
アルピーヌ・エルフ・マトムート/
アルピーヌ A480-Gibson
2.02.652
526ロマン・ルシノフ
フランコ・コラピント
ニック・デ・フリース
G-DRIVE RACING/
Aurus 01-Gibson
2:02.984
629フリッツ・ヴァン・イアード
ギド・ヴァン・デル・ガルデ
ヨブ・ファン・ウィタート
レーシング・チーム・
ネーデルランド/
Oreca 07-Gibson
2:03.435


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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)