ダカール・ラリー
トヨタ車体のラリーチームであるチームランドクルーザー・トヨタオートボデー(以下、TLC)は、ダカール2018の市販車部門にトヨタ・ランドクルーザー200で参戦。

三浦昂/ローラン・リシトロイシター組の2号車が累計順位で総合25位/市販車部門1位でゴールし、チーム母体であるトヨタ車体社員の三浦が初優勝。TLCは同部門の5連覇を達成した。

20日(日)の最終ステージはまずコルドバ市郊外の競技場に設けられたビバーク地から北西に移動区間(リエゾン)で71㎞移動し、コルドバ山脈のふもとで119㎞のループコースのSSを実施。路面はグラベルの山岳路で、コーナリングを誤ると崖から落ちるようなリスキーな場所もあった。その後94㎞のリエゾンでいったんビバークに帰着。最後に順位ごとに車列を整えて夜8時頃市内の郡庁舎前にへ向かうというもの。すでに順位はほぼ確定しているが最終ステージはあくまで競技であり、ここでストップすれば完走と認定されず、順位もつかない。

19日の競技終了時点で市販車部門2位のN・ファロー組(トヨタ・ランドクルーザー)に大差をつけていた三浦/リシトロイシター組は、このSSに慎重に臨み、総合28位で無事ゴール。その後2時半頃にビバーク地に到着し、最終的に順位が確定した。

三浦は2007年のダカールにTLCのナビゲーターとして初参加。2016年からは社員ドライバーとしてステアリングを握り、17年には部門2位でチームのワン・ツー・フィニッシュに貢献した。今大会ではチームメイトのC・ラヴィエル/J‐P・ギャルサン組1号車が序盤に不運なトラブルで戦列を去って以来、様々な困難やハプニングを乗り越えて市販車部門首位のポジションを守り切り、念願の初勝利を獲得した。

ゴール会場にはトヨタ車体 増井敬二社長も駆けつけ、角谷監督、三浦/リシトロイシター組とがっちり握手。ラリーを終えたチームスタッフを労った。

トヨタ車体 増井敬二社長
1号車がリタイアするなど予想外の展開で心配もあったが2号車が一台で頑張り、結果を出してくれた。社員ドライバーによる優勝は画期的なこと。企業スポーツとしてアマチュアが勝てたことは社員の励みになる。

角谷監督
ほっとしました。1号車が早期にリタイアしたときは焦りましたし、2号車も度々トラブルに見舞われて心配でした。でも三浦ドライバーとリシトロイシターナビゲーターが結果を出してくれた。メカニックたちもよくやってくれて最高の気分です。

三浦ドライバー
勝ちたいとずっと思っていましたが本当に実現するとは。まだ信じられない気持ちです。チームとずっと最高のリードをしてくれたリシトロイシターナビゲーターに感謝します。今回は勝てましたが本当はそんなに甘くない。ますますダカールのドライバーにやりがいを感じるようになりました。

リシトロイシターナビゲーター
ダカールで勝つことが出来て最高の気分です。走らせた自分たちだけでなく、毎日ベストな状態でクルマを用意してくれたメカニックなど、チーム全員で獲得した勝利でしょう。1台になってプレッシャーもありましたが、三浦ドライバーは良くやったと思います。

西村メカニック
このダカールが終わると自分はトヨタ自動車の元の職場に戻ります。勝てて嬉しい半面寂しい気持ちもある。ともあれ優勝に貢献出来たのが一番良かったです。

山田メカニック
担当していた1号車がリタイアしたのは残念ですが2号車が勝てて本当に良かった。派遣2年目の自分はこれで卒業ですが、会社の人たちには良い経験が出来るので是非挑戦してもらいたいと思っています。

瀧井メカニック
初めてのダカールで自分が納得出来る仕事が出来なかったのが悔しいです。フランス人メカニックとのコミュニケーションなども含めて次回は100%悔いのないよう頑張りたいと思います。

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カテゴリー: F1 / トヨタ