F1 トロロッソ・ホンダ メキシコグランプリ
トロロッソ・ホンダは、F1メキシコGPの高地でのセッティングを考慮し、旧仕様のパワーユニット(PU)で走行。フリー走行2回目にブレンドン・ハートレーが6番手タイム、ピエール・ガスリーが14番手タイムをマークした。

F1はアメリカGPからの連戦で、第19戦メキシコGPを迎えた。トロロッソ・ホンダは、ガスリー車のPUを最新仕様の新品に交換。これはアメリカGPで使用したPUに組み立て品質上の懸念が確認されたためで、シーズン残りの戦いを考慮し、交換を決定した。

ピエール・ガスリーはP1の最初をこの新PUで走行し、その後、旧仕様のPUに再度、交換して走行を行った。ブレンドン・ハートレーはP1から旧仕様PUでの走行となった。これは、メキシコ特有の高地という環境では、旧仕様の方がセッティング面で確実性が高いという判断によるものだ。

午前10時、天候は曇り、気温18℃のコンディションでP1が開始されまた。ピエール・ガスリーはインスタレーションラップを2回行ったあと、旧仕様のPUに交換する作業に入り、走行はその2周にとどめた。ウルトラソフトタイヤで走行を開始したブレンドン・ハートレーはセッティングを進め、セッション後半にハイパーソフトに交換し、1分19秒024のベストタイムで9番手をマーク。29周を周回し、プログラムを順調に消化した。

午後2時からのP2開始時には気温23℃、路面温度は日差しのため47℃まで上昇した。トロロッソ・ホンダの2台はハイパーソフトタイヤで走行を開始。まずはアタックシミュレーションを行い、ブレンドン・ハートレーが1分18秒928、ピエール・ガスリーが1分19秒299をマークする。セッション半ばを過ぎた時点で2台ともに新品のハイパーソフトに履き替え、再びアタックシミュレーションを行った。このアタックで、ハートレーが1分18秒061、ガスリーが1分19秒047と、ともにベストタイムを更新。その後、ハイパーソフトタイヤでのロングランを行い、このセッションは合計でハートレーが35周、ガスリーが36周を走行。最終的にハートレーが6番手、ガスリーが14番手につけた。

F1メキシコGPの2日目は10月27日(土)、午前10時(日本時間28日午前0時)よりP3、午後1時(日本時間28日午前3時)より予選が行われる。

ブレンドン・ハートレー (6番手)
「今日はとてもポジティブな一日でした。両セッションでトップ10フィニッシュ、そしてP2では6番手に入れてすばらしい気持ちです。このトラックでは何度か走ったことがあり、F1マシンではこれが2度目です。今日は新しいエアロパーツのテストを集中して行いました。今日は走行するごとに自分が求めているマシンに近づいていけたので、この新しいパッケージは僕の走りのスタイルにとてもよく合っていると感じます。ここ数戦はいいレースができていますし、今週末に向けても前向きな気持ちです」

ピエール・ガスリー (14番手)
「今日は少し難しい日だったかもしれません。P1ではPUの交換を行った関係であまり走行時間が確保できず、午後のセッションに向けて十分な準備ができませんでした。P2もトラフィックやドライバビリティーに関する小さな問題があったので、明日の予選に向けてこれからいろいろな準備をしなくてはなりません。PU交換のペナルティーにより決勝レースは後方からのスタートになるので、レースペースが重要になります。難しい条件で戦うことになってしまいましたが、PU交換は残り2戦を見据えた戦略的判断なので、気持ちはポジティブです」

ジョナサン・エドルズ (トロロッソ チーフレースエンジニア)
「初日は天候が悪くなることが予想されていましたが、すばらしい天候の中、ハートレー選手がいいタイムを刻んでくれました。我々は今週末に向け、2台それぞれに異なる戦略を用意していました。戦略的判断により、ガスリー車に関してはP1でPU交換を行ったため、P1ではインスタレーションラップのみのわずか数周に留まりました。それからP2では旧仕様のPUに戻しての走行を行いました。今日の主な目的は、ブレーキ、冷却システム、そして特にタイヤと新しい空力パッケージの挙動を確認することでした。このトラックは特にブレーキと冷却システムのセッティングが非常に難しいので、そうした要素がカギとなります。今日の走行では2つとも問題なく動作していたので、その点はポジティブでした。P1では新しい空力パッケージのデータを収集するとともに、その働きをチェックしましたが、期待通りのデータでした。ハートレー選手のマシンでは前戦アメリカGPでの走行データを基に、終日を空力プラットフォームの最適化と、どのように新しい空力パッケージから最大限の性能を引き出すかをテストしました。今日のタイムからもマシンが速さを発揮していることは明らかですが、今夜中にすべてのデータを見直し、方向性を決定する必要があります。タイヤに関しては、今日は我々が予想していたよりさらに多くのグレイニングが見られました。特にガスリー選手のマシンが履いていたハイパーソフトはグレイニングが多いので、彼は今日あまり速いタイムを刻むことができませんでした。今日のタイムは、ガスリーの本来の速さを示しているものではないと言っていいでしょう。今後の選択肢としては、グレイニングを少なくするか、グレイニングありでのタイヤ戦略を立てるか。どちらかを選ばなくてはなりません」

田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日はP1でガスリー選手に最新スペックの未使用PUを投入しました。その後は当初の予定通り数周でセッションを終え、P2に向けて、ロシアまで使用した旧スペックのPUに交換しました。今日新たに投入したユニットは今後のレースで使用予定です。なお、ハートレー選手も今日は最初から旧スペックを使用しています。P2でハートレー選手が6番手という今日の結果は、明日の予選に向けてポジティブなものになりました。ガスリー選手に関しては、P1をほとんど走行できなかったことも影響し、タイム的に遅れを取ってしまった事を残念に思っています。ただ、全体としては全てが予定通りで、スムーズな一日だったと考えています」

P1セッション前 パワーユニット交換に際して
「今回のFP1でガスリー選手のマシンに再度、最新スペックの未使用PUを投入します。これは米国で使用したガスリー選手のPUに組立て品質上の懸案が確認されたためです。さくらに返送し至急確認を行いますが、現状では継続判断が出せないため、今回新たなユニットをFP1の最初の走行で投入し、残りのシーズンに備えます。なお、ガスリー選手に関してはその後、FP2に向けて旧スペックに乗せ換えます。ハートレー選手に関しても同様に3日間通しで旧スペックを搭載します。これは、高地というメキシコの特殊な環境下で使い慣れた旧スペックを使用するほうがPUのセッティング面での確実性が高いと判断したためです」

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カテゴリー: F1 / トロロッソ / ホンダF1 / F1メキシコGP