F1 トロロッソ バーレーングランプリ 2018年のF1世界選手権 P. ガスリー
トロロッソ・ホンダは、F1バーレーンGPの決勝でピエール・ガスリーが4位入賞を果たし、今季初ポイントを獲得。ホンダF1にとって、2015年復帰以来の最高位を達成。ブレンドン・ハートレーは13位でチェッカーを受けたものの、レース後のペナルティによって最終結果は17位だった。

2018年のF1世界選手権 第2戦バーレーンGPが8日(日)に決勝レースを迎えた。トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは3列目5番手、ブレンドン・ハートレーは6列目11番手からと、それぞれ自己最高グリッドからのスタートとなった。

トワイライトレースとなる決勝は、午後6時10分にスタート。好ダッシュとともに、ターン1で好位置を得たピエール・ガスリーは、立ち上がりで4番手に浮上するが、その後抜き返され、5番手でオープニングラップを終えた。ブレンドン・ハートレーはターン4で他車と接触。大きなダメージはなかったのもの、この接触により10秒加算のタイムペナルティーを科される。ブレンドン・ハートレーは12番手で1周目を終えました。

2周目にレッドブルの2台が立て続けにリタイアし、ピエール・ガスリーは4番手、ブレンドン・ハートレーは10番手にポジションアップ。このリタイアにより、バーチャルセーフティカー(VSC)が発動され、4周目まで続く。レースが再開された直後、ガスリーは後続と激しいバトルとなり接触するが、4番手のポジションをキープし、マシンにもダメージはなかった。

ピエール・ガスリーは15周目、34周目にタイヤ交換のピットインを行い、いったんポジションを下げるが、その後順当に順位を回復して4番手をキープ。レース終盤には後続に10秒以上の差をつける安定したハイペースでチェッカーフラッグを受けた。ガスリーは自身初の入賞を4位で飾り、チームにとって今季初ポイントをもたらした。これは、ホンダにとっても2015年のF1復帰以来最高位となるすばらしい結果を残した。

他車のピットインによって6番手までポジションを上げたブレンドン・ハートレーは、20周目に1回目のピットインを行い、その際に10秒ペナルティーを消化したため、16番手となった。42周目に2回目のタイヤ交換を行い、14番手で終盤を迎える。ハイペースで追い上げたハートレーは、前走車よりも1周1秒以上速いペースでプッシュし、チェッカー時には0.027秒差まで迫るも、入賞圏内には届かず13位でフィニッシュ。しかし、レース後に下された裁定でフォーメーションラップ中に違反があったとされ、ペナルティーとして30秒が加算。最終結果は17位となった。

第3戦F1中国GPは4月13日(金)~15日(日)に、上海インターナショナル・サーキットで行われる。

ピエール・ガスリー (4位)
「信じられない気分です。最高の一日になりました!トロロッソとホンダが組んで2戦目にして、4位に入れたというのは驚くべき成果で、とてもうれしいです。マシンは素晴らしく、チームには本当に感謝しています。マグヌッセン選手(ハース)とはいいバトルが展開できましたし、レースペースはすごくよかったです。不運にもレッドブルの2台がストップしてしまい、その後にライコネン選手もリタイアしたことで、チームが僕に4位のチャンスがあると伝えてくれて、最後まで全力を尽くしました。マシンは初日から素晴らしい感触で、今日は全開でプッシュできました。ハースを引き離すことが狙いでしたが、十分なペースがありました。この喜びが覚めるのにはもう少し時間が必要ですが、今夜はチームと思い切り楽しみたいと思います! 最高のスタートが切れて、ターン1ではリカルド選手(レッドブル)の前に出られました。その後のリスタート時にはマグヌッセン選手に前に出られましたが、抜き返さないとタイムをロスしてしまうし、後から追いつくのは難しいと分かっていました。一度前に出てしまえば、リードを守れましたし、タイヤをいたわりながらペースを上げていけたので、とてもうまくいったと思います。レースペースが素晴らしく、最高にハッピーです!」

ブレンドン・ハートレー (17位)
「トロロッソにとっては最高の一日になりましたが、僕自身にとっては残念な結果に終わりました。スタートはうまく決められたのですが、ターン4でペレス選手(フォースインディア)と接触してしまいました。これでフロントウイングにダメージを負っただけでなく、10秒のペナルティーを受けてしまいました。ペナルティーさえなければポイント獲得も狙えるペースがあっただけに、フラストレーションの溜まる結果です。トロロッソとホンダのみんなのおかげで、メルボルンから大きく挽回することができました。これは、今後のレースに向けてもいい傾向だと思います」

フランツ・トスト (トロロッソ チーム代表)
「4位というのは、ホンダとトロロッソ双方にとって素晴らしい結果だと思います。バーレーンには新たな空力パッケージを投入しましたし、ホンダも改善したパワーユニットを持ち込んでくれました。初日にピエールのマシンにアップグレードを入れ、メルボルンと比較してパフォーマンスが改善していることを確認しました。ブレンドンのマシンは前戦同様のセットアップにして、その違いを見極めようとしましたが、走らせてみるとすぐにCFD(コンピューターシミュレーション)と風洞実験で計算した期待値通りの成果があることが分かりました。土曜日は2人とも同じバージョンにしたところ、ピエールは素晴らしい走りで予選6番手。ハミルトン選手がギアボックス交換のペナルティーで降格したので、5番グリッドを手にしました。ブレンドンもいいパフォーマンスを見せてくれ、Q3まであと0.1秒に迫る11番手につけました。レースのスタートは2人ともかなり良かったと思います。ピエールは、1周目で4番手に順位を上げ、マグヌッセン選手とのバトルもうまく切り抜けて、最後までポジションを守り切りました。そんな走りの裏側では、タイヤの消耗と燃費のマネジメントをするためにスピードをコントロールしながら走っていたことも忘れてはなりません。ブレンドンは不運にもスタートしてすぐにペレス選手と接触し、最初のピットストップで10秒加算のペナルティーを消化しなければならなかったので、ポイント圏内でフィニッシュすることはできませんでした。後方のトラフィックに捕まってタイムロスし、前方集団に追いつくのは難しい状況でしたが、いい仕事をしてくれたと思います。我々が2回目のピットストップを行ってスーパーソフトタイヤに履き替える決断をすると、前との差をどんどん縮めていってくれました。あと4~5周あれば10位に手が届いたと思います。この結果にはとても満足しています。シーズン2戦目にして4位フィニッシュというのは、ホンダ、トロロッソの双方にとって、とても明るい兆しになりました。このレベルのパフォーマンスを維持していく自信があります。もちろん、今回はリカルド選手もフェルスタッペン選手もリタイアしての結果ですから、毎戦4位になれるというわけではありませんが、すべてのレースでポイントは狙えると思います。さくらにいる、ホンダの研究開発部門の皆さんにお礼を伝えたいです。彼らがオフシーズンに素晴らしい仕事をやり遂げ、パフォーマンスだけでなく信頼性も向上させてくれた結果、我々は上位で争うことができています。そして、ビスターの空力チームにも感謝しています。すべてのアップグレードが有効に機能し、本当にいい仕事をしてくれました。ホンダとチームのみんなによる、最高の仕事を称えたいと思います」

田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日はエキサイティングなレースの中で、両ドライバーともに安定したレースを見せ、2台ともに完走できたことに満足しています。特にガスリー選手は週末を通して非常に素晴らしいパフォーマンスを見せていました。ホンダとして2015年のF1復帰以来最高の4位という結果をもたらしてくれたことに感謝しています。ブレンドン選手については10秒停止のペナルティーを受けた影響で、13位(レース後17位に降格)という残念な結果になりました。開幕戦でのパワーユニットのトラブルの後、HRDさくらとミルトンキーンズにいるメンバー全員が、本当に懸命に作業を続けてくれました。その努力が今日の結果に結びついたと思っています。また、ここまでの信頼性改善と、トロロッソによるシャシーのアップデートにより、パッケージとしての着実な進化を感じています。今夜だけはこの瞬間を楽しみたいと思いますが、まだまだ始まりにすぎません。また明日からは、来週、上海での中国GPに向けた準備に全力で取り掛かります」

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カテゴリー: F1 / トロロッソ