SUPER GT 第7戦 | KEIHIN NSX-GTが2戦連続ポールポジション獲得
2019年 SUPER GT第7戦「SUGO GT 300km RACE」の公式予選が9月21日(土)にスポーツランドSUGOで行われ、GT500クラスはNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)が、前戦に続いて連続のポールポジション。GT300はNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が、SUGO戦で連続のクラスポールポジションを獲得。共にコースレコードを更新する好記録だった。
公式予選に先立ち、午前中に行われた公式練習ではNo.17 KEIHIN NSX-GT(ベルトラン・バゲット)が1分10秒218とコースレコード(1分10秒248)に肉薄するトップタイムをマーク。この予選ではさらに激しいタイムアタックの応酬が繰り広げられた。
この日のサーキット周辺は空一面を雲が覆い、気温も低く秋の気配が濃厚となっていたが、天候が大きく崩れることもなく、観戦には非常に過ごしやすい一日となった。SUPER GTの公式予選は、Q1、Q2の2段階のノックアウト方式で行われるが、GT500クラスの全15台がタイムアタックを行うQ1は、予定通り午後2時33分にスタートした。今回はコース長の短いコースでの開催のため、GT300クラスは2組に分けてQ1を行った。そしてGT500クラスも通常15分間で行われるQ1を10分間に変更して行われた。
走行が10分間ということもあって、このQ1では2分過ぎにNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(ジェームス・ロシター)を先頭に早々にコースイン。そこから各車が続き、残り7分を切ったところで15台すべてがコースに入る。ウォーミングアップにじっくりと時間をかけているのか、3周、4周と周回を重ねていくものの1分10秒台には届かない。11番目にコースインしたNo.16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀)が残り1分30秒を切ったタイミングで1分11秒208を出してトップに立つ。その周から一気にベストラップの取り合いになっていく。16号車に続いてNo.8 ARTA NSX-GT(伊沢拓也/1分10秒845)、さらにNo.17 KEIHIN NSX-GT(ベルトラン・バゲット/1分10秒583)、さらにはNo.37 KeePer TOM'S LC500(平川亮/1分10秒568)とトップが入れ替わっていく。
すると、NISSAN GT-R NISMO GT500勢で今回もっともウェイトハンディが軽いNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平)が1分10秒581で2番手に。3番手に落ちた17号車に続いて、4番手にNo.1 RAYBRIG NSX-GT(ジェンソン・バトン/1分10秒623)が入る。その1号車を上回ったのがNo.64 Modulo Epson NSX-GT(牧野任祐)で、タイムは1分10秒606。さらにチェッカーが出されるのと同時にNo.36 au TOM'S LC500(中嶋一貴)がトップに上がる。公式練習で17号車が出したトップタイム1分10秒281と同タイムだ。そしてチェッカーラップもアタックを続けた64号車がタイムアップを果たし、1分10秒508で2番手に浮上した。
これでQ1は終了し、1位はNo.36 au TOM'S LC500、2位はNo.64 Modulo Epson NSX-GTとなった。一方、ランキング3〜5位のNo.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン)、No.38 ZENT CERUMO LC500(石浦宏明)、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生)はQ2に進出できなかった。
午後3時11分、GT500クラスのQ2が開始。ここはいつもの通りの10分間だ。Q1をトップで通過したNo.36 au TOM'S LC500(関口雄飛)が真っ先にコースイン。そしてNo.64 Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケヤン)と続々とコースに出る。最後にNo.37 KeePer TOM'S LC500(ニック・キャシディ)がピットを離れ、残り6分半で全車が周回に入った。
真っ先にこの日のベストタイムを更新したのが、No.1 RAYBRIG NSX-GTの山本尚貴。自らが昨年記録したコースレコード1分10秒248をコンマ1秒近く更新する1分10秒151を記録してトップに。それもつかの間、No.17 KEIHIN NSX-GTの塚越広大が、さらにコンマ5秒も更新する1分9秒676で1号車をトップの座から引きずりおろす。1号車はさらにアタックを続けたもののタイムアップならず。他もこの2台のHonda NSX-GTに届かないままQ2は終了した。No.17 KEIHIN NSX-GTは前戦オートポリスに引き続きの2戦連続、塚越広大は通算5回目のポールポジションとなった。
3番手は、早めにコースに入り1分10秒163を記録したNo.36 au TOM'S LC500。終了直前に1分10秒690を出したNo.37 KeePer TOM'S LC500が4番手と、ワン・ツーのNSX-GTの後ろにはTOM'SのLEXUS LC500が並ぶ。なお、36号車はこのレースで3基目のエンジンを投入したため、規定により決勝レースで10秒のピットストップをすることになる。NISSAN GT-R NISMO GT500勢の予選最上位はNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(フレデリック・マコヴィッキ)の7番手だった。
GT500 Class
No.17 KEIHIN NSX-GT
塚越 広大
「公式練習からクルマの調子は良かったです。8月の(SUGOでの)公式テストでも調子が良く、オートポリスでも調子が良かったので、その良い雰囲気を持ったまま予選に臨むことができました。いくつかのセットアップを試しながら進めていきましたが、(ベルトラン)バゲットが予選Q1を突破してくれて、セットアップやコースコンディションのアドバイスをしてくれたので、それを信じてQ2を走りました。直前にGT300クラスのQ2で山内(英輝)選手がめっちゃ速いタイムを出していたので、それもモチベーションになりましたし、タイムが出やすいコンディションなんだということでプレッシャーも感じました。明日の決勝レースは雨が予想されていますが、そうなるとポールポジションは非常に有利になります。前戦オートポリスも勝ちたかったレースでもう少しのところだったので、今回のSUGOでその分を取り返したいと思う。そのための第一歩は踏めたのかなと思います。
ベルトラン・バゲット
「今日は素晴らしい一日になりました。朝の公式練習から色々セットアップを考えていました。クルマは(前戦の)オートポリスと同様にアンダーステア傾向にありましたが、それでもGT500クラスの専有走行でトップタイムが出ていたので、かなり調子はいいんだなとは感じていました。予選Q1に向けてセットアップを変更したところ、かなりいいタイムを出すことができました。さらに予選Q2ではチームメイト(塚越広大)がクレイジーなラップタイムを記録してくれて、さすがだなあと感じました。明日の決勝もいい結果が出せたらなと思うし、そのためにがんばります」
GT300 Class
No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT
井口 卓人
「前戦オートポリスの結果がショックすぎ(序盤3番手を走りながらマシントラブルでリタイヤ)で、それが今回SUGOはポールポジションということで“どんな感情で僕は会見に臨んだらいいのだろう?”という感じで(会見の席に)座っています。今回の結果は山内(英輝)選手の頑張り、それだけしかないなと思っています。Q1からQ2に向けてのチームの判断と、山内選手のQ2の走りは素晴らしかったので、すごく良いドライバーと組めて本当に幸せだなと思っています。持ち込んだタイヤは今回のコンディションにあっていると思いますが、予選Q1では予想よりもウォームアップに時間がかかってしまい、ベストタイムを出した周でもまだ暖まりきっていない状態でした。それでもQ2につなぐことができたのは良かったです。決勝はできればドライ(路面)でレースしたいんです。前戦のオートポリスは残念ながらまともにレースできていないので、自信を持って「行けます!」とは言えないんですが、明日のコンディションに合わせてしっかりタイヤを選択していくしかないのかなと思います。SUGOに来てくれた皆さんには、3コーナーから4コーナーにかけてで山内選手がバシッと決めてくれると思うので、ぜひそこで見ていただければと思います。
山内 英輝
「(井口卓人に良いドライバーと言われたことに対し)そう言っていただけて世界一幸せです。前戦は井口選手の地元のオートポリスだったのに非常に残念な結果に終わってしまいましたが、そこに応援に来てくれたみなさんの後押しもあっての今回の結果なのかなとも思います。Q1からQ2にセットアップを変更するにあたっての井口選手のコメントも大きく効いたと思います。本当に井口選手はじめチームのみんなに感謝しています。スバルさん、ダンロップさん、STIさん、R&D SPORTさん、そしてチームのみんなが開発を進めた結果だと思います。明日も良いレースをできるように、チームのみんなと話をしてがんばっていきたいです」
カテゴリー: F1 / SUPER GT
公式予選に先立ち、午前中に行われた公式練習ではNo.17 KEIHIN NSX-GT(ベルトラン・バゲット)が1分10秒218とコースレコード(1分10秒248)に肉薄するトップタイムをマーク。この予選ではさらに激しいタイムアタックの応酬が繰り広げられた。
この日のサーキット周辺は空一面を雲が覆い、気温も低く秋の気配が濃厚となっていたが、天候が大きく崩れることもなく、観戦には非常に過ごしやすい一日となった。SUPER GTの公式予選は、Q1、Q2の2段階のノックアウト方式で行われるが、GT500クラスの全15台がタイムアタックを行うQ1は、予定通り午後2時33分にスタートした。今回はコース長の短いコースでの開催のため、GT300クラスは2組に分けてQ1を行った。そしてGT500クラスも通常15分間で行われるQ1を10分間に変更して行われた。
走行が10分間ということもあって、このQ1では2分過ぎにNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(ジェームス・ロシター)を先頭に早々にコースイン。そこから各車が続き、残り7分を切ったところで15台すべてがコースに入る。ウォーミングアップにじっくりと時間をかけているのか、3周、4周と周回を重ねていくものの1分10秒台には届かない。11番目にコースインしたNo.16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀)が残り1分30秒を切ったタイミングで1分11秒208を出してトップに立つ。その周から一気にベストラップの取り合いになっていく。16号車に続いてNo.8 ARTA NSX-GT(伊沢拓也/1分10秒845)、さらにNo.17 KEIHIN NSX-GT(ベルトラン・バゲット/1分10秒583)、さらにはNo.37 KeePer TOM'S LC500(平川亮/1分10秒568)とトップが入れ替わっていく。
すると、NISSAN GT-R NISMO GT500勢で今回もっともウェイトハンディが軽いNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平)が1分10秒581で2番手に。3番手に落ちた17号車に続いて、4番手にNo.1 RAYBRIG NSX-GT(ジェンソン・バトン/1分10秒623)が入る。その1号車を上回ったのがNo.64 Modulo Epson NSX-GT(牧野任祐)で、タイムは1分10秒606。さらにチェッカーが出されるのと同時にNo.36 au TOM'S LC500(中嶋一貴)がトップに上がる。公式練習で17号車が出したトップタイム1分10秒281と同タイムだ。そしてチェッカーラップもアタックを続けた64号車がタイムアップを果たし、1分10秒508で2番手に浮上した。
これでQ1は終了し、1位はNo.36 au TOM'S LC500、2位はNo.64 Modulo Epson NSX-GTとなった。一方、ランキング3〜5位のNo.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン)、No.38 ZENT CERUMO LC500(石浦宏明)、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生)はQ2に進出できなかった。
午後3時11分、GT500クラスのQ2が開始。ここはいつもの通りの10分間だ。Q1をトップで通過したNo.36 au TOM'S LC500(関口雄飛)が真っ先にコースイン。そしてNo.64 Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケヤン)と続々とコースに出る。最後にNo.37 KeePer TOM'S LC500(ニック・キャシディ)がピットを離れ、残り6分半で全車が周回に入った。
真っ先にこの日のベストタイムを更新したのが、No.1 RAYBRIG NSX-GTの山本尚貴。自らが昨年記録したコースレコード1分10秒248をコンマ1秒近く更新する1分10秒151を記録してトップに。それもつかの間、No.17 KEIHIN NSX-GTの塚越広大が、さらにコンマ5秒も更新する1分9秒676で1号車をトップの座から引きずりおろす。1号車はさらにアタックを続けたもののタイムアップならず。他もこの2台のHonda NSX-GTに届かないままQ2は終了した。No.17 KEIHIN NSX-GTは前戦オートポリスに引き続きの2戦連続、塚越広大は通算5回目のポールポジションとなった。
3番手は、早めにコースに入り1分10秒163を記録したNo.36 au TOM'S LC500。終了直前に1分10秒690を出したNo.37 KeePer TOM'S LC500が4番手と、ワン・ツーのNSX-GTの後ろにはTOM'SのLEXUS LC500が並ぶ。なお、36号車はこのレースで3基目のエンジンを投入したため、規定により決勝レースで10秒のピットストップをすることになる。NISSAN GT-R NISMO GT500勢の予選最上位はNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(フレデリック・マコヴィッキ)の7番手だった。
GT500 Class
No.17 KEIHIN NSX-GT
塚越 広大
「公式練習からクルマの調子は良かったです。8月の(SUGOでの)公式テストでも調子が良く、オートポリスでも調子が良かったので、その良い雰囲気を持ったまま予選に臨むことができました。いくつかのセットアップを試しながら進めていきましたが、(ベルトラン)バゲットが予選Q1を突破してくれて、セットアップやコースコンディションのアドバイスをしてくれたので、それを信じてQ2を走りました。直前にGT300クラスのQ2で山内(英輝)選手がめっちゃ速いタイムを出していたので、それもモチベーションになりましたし、タイムが出やすいコンディションなんだということでプレッシャーも感じました。明日の決勝レースは雨が予想されていますが、そうなるとポールポジションは非常に有利になります。前戦オートポリスも勝ちたかったレースでもう少しのところだったので、今回のSUGOでその分を取り返したいと思う。そのための第一歩は踏めたのかなと思います。
ベルトラン・バゲット
「今日は素晴らしい一日になりました。朝の公式練習から色々セットアップを考えていました。クルマは(前戦の)オートポリスと同様にアンダーステア傾向にありましたが、それでもGT500クラスの専有走行でトップタイムが出ていたので、かなり調子はいいんだなとは感じていました。予選Q1に向けてセットアップを変更したところ、かなりいいタイムを出すことができました。さらに予選Q2ではチームメイト(塚越広大)がクレイジーなラップタイムを記録してくれて、さすがだなあと感じました。明日の決勝もいい結果が出せたらなと思うし、そのためにがんばります」
GT300 Class
No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT
井口 卓人
「前戦オートポリスの結果がショックすぎ(序盤3番手を走りながらマシントラブルでリタイヤ)で、それが今回SUGOはポールポジションということで“どんな感情で僕は会見に臨んだらいいのだろう?”という感じで(会見の席に)座っています。今回の結果は山内(英輝)選手の頑張り、それだけしかないなと思っています。Q1からQ2に向けてのチームの判断と、山内選手のQ2の走りは素晴らしかったので、すごく良いドライバーと組めて本当に幸せだなと思っています。持ち込んだタイヤは今回のコンディションにあっていると思いますが、予選Q1では予想よりもウォームアップに時間がかかってしまい、ベストタイムを出した周でもまだ暖まりきっていない状態でした。それでもQ2につなぐことができたのは良かったです。決勝はできればドライ(路面)でレースしたいんです。前戦のオートポリスは残念ながらまともにレースできていないので、自信を持って「行けます!」とは言えないんですが、明日のコンディションに合わせてしっかりタイヤを選択していくしかないのかなと思います。SUGOに来てくれた皆さんには、3コーナーから4コーナーにかけてで山内選手がバシッと決めてくれると思うので、ぜひそこで見ていただければと思います。
山内 英輝
「(井口卓人に良いドライバーと言われたことに対し)そう言っていただけて世界一幸せです。前戦は井口選手の地元のオートポリスだったのに非常に残念な結果に終わってしまいましたが、そこに応援に来てくれたみなさんの後押しもあっての今回の結果なのかなとも思います。Q1からQ2にセットアップを変更するにあたっての井口選手のコメントも大きく効いたと思います。本当に井口選手はじめチームのみんなに感謝しています。スバルさん、ダンロップさん、STIさん、R&D SPORTさん、そしてチームのみんなが開発を進めた結果だと思います。明日も良いレースをできるように、チームのみんなと話をしてがんばっていきたいです」
カテゴリー: F1 / SUPER GT