SUPER GT
SUPER GT 第5戦 『FUJI GT 500mile RACE』の決勝レースが8月4日、静岡県の富士スピードウェイ(1周4,563m×175周)で行われた。シーズン最長の500マイル(約807km)は正に真夏の過酷な耐久レースとなった。この中、セーフティカー導入時のピットインを巧みに決断したNo.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太)が、前戦タイに続きGT500クラスの連勝を決めた。GT300クラスはNo.87 T-DASH ランボルギーニ GT3(高橋翼/アンドレ・クート/藤波清斗)が優勝した。

決勝レース前に行われたウォームアップ走行では、GT300車両のリアタイヤが外れるというアクシデントがあり、赤旗で走行中断。その分、10分遅れて決勝スタートは午後1時40分となった。

決勝グリッドには14台が並び、8番グリッドのNo.17 KEIHIN NSX-GTはピットに残る。前日の予選Q2で17号車はクラッシュを喫してタイヤを傷め、スタート後にそのままピットでタイヤ交換し、最後尾からの追い上げを狙う。午後1時40分、静岡県警察によるパレードラップがスタート、そして1周のフォーメーションラップの後、グリーンライトが点灯し、シリーズ最長となる500マイル(約807km)レースはスタートした。

レース序盤は、ポールポジションのNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)と予選2位のNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(フレデリック・マコヴィッキ)、2台のNISSAN GT-R NISMO GT500が先行する形で進行していく。そして7番グリッドのNo.64 Modulo Epson NSX-GT(牧野任祐)が毎ラップ順位を上げて、4周目には3番手まで浮上。GT500クラス車両は5周目になるとGT300クラスの車両をラップダウンしていくが、各所でマシンの接触が相次ぐなど、サバイバルレースの様相を呈していく。

30周前後から、最初のルーティンのピットワークがスタートし、37周の終わりでGT500全車が1回目のピット作業を終えた。どこよりも早く25周終わりでドピットに戻ったNo.19 WedsSport ADVAN LC500(坪井 翔)がライバー交替を行わずトップに立つ。それをNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生)、No.16 MOTUL MUGEN NSX-GT(中嶋大祐)、そしてNo.38 ZENT CERUMO LC500(石浦宏明)、そしてNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平)が追いかける展開。3号車は巻き返しを図り、44周目には3番まで再浮上。そしてトップをいく19号車を48周終わりのホームストレートで23号車がパスしてトップが交代。そのトップを行く23号車は62周目のダンロップコーナーでGT300車両と絡み、コースアウト。3号車に先行を許す。

2度目のルーティンのピットワークは66周終わりから始まったが、このピットワークのアウトラップとなる69周目にNo.38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路)が100Rでコースアウト。バリアにクラッシュする。これでセーフティカーが導入され、ピットロードはクローズされるが、トップ集団の大半は2回目のピットワークを終えており大勢に影響はなし。

79周目にレースが再開されると、トップを行く3号車(マコヴィッキ)は、ダンロップコーナーで19号車と接触しスピン。以後レースは23号車(クインタレッリ)がリードすることとなる。それに続くのはNo.36 au TOM'S LC500(中嶋一貴)、No.6 WAKO'S 4CR LC500(山下健太)の2台のLEXUS LC500となる。

100周を終えて陽が大きく傾き始め、路面温度は徐々に下がっていくが、トップを行くNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rの快進撃は止まらない。そして102周目、2番手を走行していたNo.36 au TOM'S LC500はGT300車両と左フロントを接触。トップ争いから脱落してしまう。

104周終わりで、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(ヤン・マーデンボロー)がトラブルでメインストレートのピットロード入り口付近でマシンを止める。さらに24号車から火災が発生したため、セーフティカーが導入された。

またしてもルーティンのピットワークのタイミングだったが、セーフティカー導入を予想したNo.6 WAKO'S 4CR LC500の脇阪寿一監督は、即断でピットインを指示。正にピットロードがクローズする直前に6号車(大嶋和也)はピットアウト。113周目にセーフティカーランが解除され、その直後に各車がピットインすると、ここで6号車がトップに立つ。

セーフティカーが退去した直後にピットインした23号車(クインタレッリ)に対し、No.1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴)はもう1周プッシュしてからピットに駆け込む。これが当たって1号車(ジェンソン・バトン)は23号車(松田次生)の前、2番手に浮上。しかし、トップの6号車とは1分近い差がついてしまった。

そのころにはすでにコース上には影が大きく伸び、さらに気温も路面温度も下がっていく中、140周を超えると、各車が最後のルーティンピットをこなしていく。このピットワークを全車が終えると、再び6号車(山下)がトップに戻っていた。2番手の1号車との差は53秒まで詰められてはいるものの、トップの座は脅かされる気配はない。3番手の23号車(クインタレッリ)は、一時は1号車に詰め寄るも、山本のディフェンスに手を焼き、しばらくすると徐々に遅れていった。

今回のレースの最大延長時間は午後6時40分で、所定の177周完走は難しく、この時間を迎えた175周でチェッカーとなった。フライトパフォーマンスで3万8100人の観衆を沸かせた「Yoshi MUROYA × LEXUS CROSSING Special Flight @ FUJI SPEEDWAY 」のパイロット、室屋義秀氏が振るチェッカーフラッグを6号車が真っ先に受けることとなった。

No.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太)は前戦に引き続いての連勝。GT500クラスでの連勝は、2016年開幕戦岡山と第2戦富士の23号車(松田/クインタレッリ)以来となる。ポイントリーダーである6号車は、さらにそのポイントを伸ばし差を広げた。2位にはNo.1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)、3位にはNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が入り、3メーカーが表彰台を分ける形となった。

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カテゴリー: F1 / SUPER GT