スーパーGT 第6戦:MOTUL AUTECH GT-Rが最後尾から大逆転優勝
2020年のスーパーGT 第6戦『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE』の決勝レースが10月25日(日)に鈴鹿サーキットで行われた。GT500クラスはNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が予選クラッシュの最後尾スタートからピットインの好判断にも助けられて鈴鹿を連勝。GT300クラスはNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(川端伸太朗/近藤翼)が予選6位から逆転の勝利を挙げた。
午後1時にフォーメーションラップをスタート。第6戦鈴鹿の決勝レース、52周の戦いが始まった。昨日の公式予選のQ1で激しいクラッシュに見舞われたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rもチームスタッフの懸命の修復作業が間に合い、クラス最後尾から戦列に加わった。
スタートでトップに立ったのはNo8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)の野尻。序盤から快調なペースで後続との差を広げていく。7周終了時点で8号車のリードは3秒233、10周終了時点では5秒158まで広がった。その後方では予選4位のNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)の佐々木が、5周終わりのホームストレートでNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)の国本を抜いて3位に浮上。続いて12周目の1コーナーでNo.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)の伊沢も捕らえて2番手に浮上した。12号車の佐々木はその後もペースを緩めず、トップのNo.8 ARTA NSX-GTとの差を18周終了時点で3秒648まで詰めてきた。
レースが動いたのは20周目。19周終わりでピット作業を行った8号車に対して、12号車は1周遅れてピットイン。ここで12号車(平峰一貴)は8号車(福住仁嶺)の前でピットアウトすることに成功する。平峰は冷えたタイヤで懸命に福住を押さえ込んだまま21周目を終了。これで12号車がピット済み車両のトップとなり、実質的にもトップになったかに思えた。
しかし、このタイミングでアウトラップのGT300クラスのNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTがS字コーナーで飛び出してしまう。ここで素早く行動を起こしたのが最後尾から上位のルーティンピットが始まる前に11番手まで順位を上げてきたNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)だ。スタートを担当したクインタレッリが22周目の130Rを抜けたところでチームは無線でピットインの指示を出し、急遽ピットに戻らせる。すると22周目からセーフティカー(SC)が導入となる。その時点で23号車(松田次生)は、12号車の前でピットアウトすることに成功し、一気にトップに躍り出た。しかもペースの上がらないアウトラップはSC走行であり、抜かれることはない。SC走行は26周目まで続き、27周目からレースが再開となる。
トップの23号車を懸命に追い上げる12号車だったが、その背後からは8号車も次第に接近し、35周目からテール・トゥ・ノーズの2番手争いとなる。このため12号車は8号車の追撃をかわすので手一杯の状況となってしまう。さらにNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)の千代やNo.38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)の石浦も追い上げてきて、49周を終える頃には2番手争いは4台の団子状態に陥った。
こうして後続が緊迫した戦いを繰り広げる間にトップのNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは次第にリードをひろげ、最後は2位に4秒616の差をつけて52周を走り切り、第3戦鈴鹿に続いて今季2勝目を達成した。またドライバーランキングでも松田/クインタレッリ組は3位に浮上している。
接戦を制して2位を死守したNo.12 カルソニック IMPUL GT-Rは今季初めての表彰台を獲得。No.8 ARTA NSX-GTは3位でフィニッシュし、第5戦富士に続いて今季2度目の表彰台に上った。4位はNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R。5位にはTOYOTA GR Supra勢の最上位、No.38 ZENT GR Supraが入った。
ドライバーランキングのトップで鈴鹿入りしたNo.14 WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔)は、2度のピットストップを余儀なくされたことなどもあって12位とノーポイント。No.37 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/ニック・キャシディ)はスタートから着実に順位を上げたものの、ピットストップの際にNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)にピットレーンで追突したためのドライビングスルーペナルティや追突のダメージもあって完走することなくレースを終えた。だが、それでもランキングの1、2位はそのまま変わらず。No.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)は予選9番手から10位でフィニッシュして1ポイントを獲得し、ランキング4位と1つ下げた。
GT500 Class
No.23 MOTUL AUTECH GT-R
松田次生
この鈴鹿は予選からクルマの調子が良くて“久々に行ける”と実感していました。昨日は自信があり過ぎたせいもあって(公式予選Q1でクラッシュしてしまい)、チームとロニー(クインタレッリ)さんには申し訳なかったです。だから今日は何とか結果でみんなに感謝を伝えたかった。ロニーさんがポジションを上げて来ていたのは分かっていましたが、ピットアウトしたらバックミラーに12号車(カルソニック IMPUL GT-R)と8号車(ARTA NSX-GT)が映っていたので、最初は『周回遅れにならなくて良かった』と思ったんです。でもピットから『トップだ』と(無線で)言われてちょっとビックリしました。ただセーフティカーランが続いていたので、リスタートをうまく決めれば逃げ切れる、と自分に言い聞かせました。GT300のバックマーカーと出会うとピックアップに悩まされてペースも落ちてしまいます。それで平峰選手(No.12 カルソニック IMPUL GT-R)に迫られたところもありましたが、目の前がクリアになったところでペースを上げていくと(ピックアップを)取ることができたので、後は心配せずに走っていました。この鈴鹿がチャンピオン争いでは重要になることはもちろん分かっていて、良くて優勝、悪くても表彰台、と目標を立てていました。そして残り2戦も簡単じゃないことは分かっていますが、チームとドライバーが一丸になって、あとはやるだけです。通算22勝(最多勝記録)の印象ですか? 今年何とか21勝目をと思っていて8月の鈴鹿で21勝目が達成できましたが、正直言って今シーズンのうちに22勝目を挙げることができるとは思ってなかったです。ただここまで来たらもう1回勝って23勝にすると(語呂合わせが)日産になるので、ぜひとも目指したいですね」
ロニー・クインタレッリ
「今日の展開が奇跡すぎて、まだ勝ったことが実感できていません。このレースでは最後尾スタートでしたが、このところ毎戦のように、レース中にセーフティカー(SC)が出ていますから、どんな展開になっても対処できるようにチームとはコミュニケーションを重ねてきました。クルマの調子は良くて、前方がクリアになったところで数ラップ、プッシュしました。130Rを走っているときに無線が入ってきたのですが、あそこでは上手く(通話が)繋がらないんです。だからシケインで僕の方から『どうしたの?』って聞いたら『SCが入りそうだからピットインしてください』と言われたんです。ピットロードの入り口では信号が“(ピットクローズの赤に)変わらないように”と祈りながらピットに戻ってきました。それで(松田)次生さんがピットアウトしていったときには出口の信号が(これも赤に)ならないように祈っていました。そうしたら12号車(カルソニック IMPUL GT-R)と8号車(ARTA NSX-GT)の前でコースインできたので、ピットのみんなと抱き合って喜びました。鈴鹿に来る前にはしっかり準備していました。そして優勝すれば、タイトル争いでも大きく進歩する。その狙い通りに優勝することができました。これで(ドライバー)ランキングは3位です。ただ、次戦のもてぎでは皆がウェイトハンディ半分になるし、最終戦の富士ではハンディがゼロになります。やはり実力で前に行かないとチャンピオンを手繰り寄せることは難しい。だからがんばります」
GT300クラス
No.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS
川端伸太朗
SUPER GTには参戦を始めて3年目になりますが、最初のレースは鈴鹿1000㎞でした。トップを走っていたのですが、100周目辺りでトラブルからリタイアしてしまいました。それがトラウマになったわけでもないのですが、そこからなかなか結果が出せずに来ましたが、今日の結果でがんばったことが報われたように思います。前半は近藤(翼)選手が引っ張る予定でいたのですが、11号車(No.11 GAINER TANAX GT-R)に蓋をされた格好でペースを上げることができなかったので、作戦を変更して早めにルーティンのピットインを行いました。それで早めにドライバー交代して、確かその2周後にセーフティカーがコースインしてきました。これは結果論かもしれませんが、本当にベストなタイミングでピットインを行うことができたんです。また近藤選手がハイペースで走っていたことで、クルマには自信を持つことができました。いいクルマを用意してくれたチームに感謝しています。僕の後半の最後は燃費(がギリギリ)でハラハラドキドキしましたが、走りきることができてよかったです。僕もSUPER GT初優勝なので、とても嬉しいです。シーズンが始まった時にはクルマとタイヤのマッチングが今一つで、何とかクルマとドライビングで合わせこんできました。今年からチーム・ルマンでメンテナンスしているのですが、この事前データと実際のアウディのデータとマッチしていなくて苦労しました。でも前戦の富士辺りからうまく整合性が取れ始めたのかクルマの調子も少し良くなり、今回はすごくよくなっていました。もてぎは第4戦で最後尾から追い上げて5位入賞しているので、次戦も表彰台、できれば優勝を狙っていきたいです。
近藤翼
「SUPER GTではこのレースが初優勝で、とても嬉しいです。最高のクルマを用意してくれたチームと川端(伸太朗)選手に感謝したいと思います。今日のレースではスタートと前半の走行を担当しました。最初の予定ではもっと前半を引っ張る(ピットインを延ばす)予定だったので、タイヤを労わりながら走っていました。最後の方は少し厳しくなりましたが何とか川端選手に繋ぐことができてよかったです。今シーズン、チームは当初、クリストファー・ミース選手がドライブする予定だったのですが、彼が新型コロナ感染拡大防止の水際対策から来日できなくなって、僕が乗せてもらえることになりました。それもあって、クルマのセットアップは川端選手とチームに任せっきり。僕は、みんなが仕上げてくれたクルマを信じて、ただ乗っているだけなんです。今回優勝したことは、まだ実感が湧いてこないのですが、チームの雰囲気は間違いなく上がっていると思います。その勢いに乗って次戦のもてぎでもいいレースをしたいと思います。
カテゴリー: F1 / SUPER GT
午後1時にフォーメーションラップをスタート。第6戦鈴鹿の決勝レース、52周の戦いが始まった。昨日の公式予選のQ1で激しいクラッシュに見舞われたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rもチームスタッフの懸命の修復作業が間に合い、クラス最後尾から戦列に加わった。
スタートでトップに立ったのはNo8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)の野尻。序盤から快調なペースで後続との差を広げていく。7周終了時点で8号車のリードは3秒233、10周終了時点では5秒158まで広がった。その後方では予選4位のNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)の佐々木が、5周終わりのホームストレートでNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)の国本を抜いて3位に浮上。続いて12周目の1コーナーでNo.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)の伊沢も捕らえて2番手に浮上した。12号車の佐々木はその後もペースを緩めず、トップのNo.8 ARTA NSX-GTとの差を18周終了時点で3秒648まで詰めてきた。
レースが動いたのは20周目。19周終わりでピット作業を行った8号車に対して、12号車は1周遅れてピットイン。ここで12号車(平峰一貴)は8号車(福住仁嶺)の前でピットアウトすることに成功する。平峰は冷えたタイヤで懸命に福住を押さえ込んだまま21周目を終了。これで12号車がピット済み車両のトップとなり、実質的にもトップになったかに思えた。
しかし、このタイミングでアウトラップのGT300クラスのNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTがS字コーナーで飛び出してしまう。ここで素早く行動を起こしたのが最後尾から上位のルーティンピットが始まる前に11番手まで順位を上げてきたNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)だ。スタートを担当したクインタレッリが22周目の130Rを抜けたところでチームは無線でピットインの指示を出し、急遽ピットに戻らせる。すると22周目からセーフティカー(SC)が導入となる。その時点で23号車(松田次生)は、12号車の前でピットアウトすることに成功し、一気にトップに躍り出た。しかもペースの上がらないアウトラップはSC走行であり、抜かれることはない。SC走行は26周目まで続き、27周目からレースが再開となる。
トップの23号車を懸命に追い上げる12号車だったが、その背後からは8号車も次第に接近し、35周目からテール・トゥ・ノーズの2番手争いとなる。このため12号車は8号車の追撃をかわすので手一杯の状況となってしまう。さらにNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)の千代やNo.38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)の石浦も追い上げてきて、49周を終える頃には2番手争いは4台の団子状態に陥った。
こうして後続が緊迫した戦いを繰り広げる間にトップのNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは次第にリードをひろげ、最後は2位に4秒616の差をつけて52周を走り切り、第3戦鈴鹿に続いて今季2勝目を達成した。またドライバーランキングでも松田/クインタレッリ組は3位に浮上している。
接戦を制して2位を死守したNo.12 カルソニック IMPUL GT-Rは今季初めての表彰台を獲得。No.8 ARTA NSX-GTは3位でフィニッシュし、第5戦富士に続いて今季2度目の表彰台に上った。4位はNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R。5位にはTOYOTA GR Supra勢の最上位、No.38 ZENT GR Supraが入った。
ドライバーランキングのトップで鈴鹿入りしたNo.14 WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔)は、2度のピットストップを余儀なくされたことなどもあって12位とノーポイント。No.37 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/ニック・キャシディ)はスタートから着実に順位を上げたものの、ピットストップの際にNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)にピットレーンで追突したためのドライビングスルーペナルティや追突のダメージもあって完走することなくレースを終えた。だが、それでもランキングの1、2位はそのまま変わらず。No.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)は予選9番手から10位でフィニッシュして1ポイントを獲得し、ランキング4位と1つ下げた。
GT500 Class
No.23 MOTUL AUTECH GT-R
松田次生
この鈴鹿は予選からクルマの調子が良くて“久々に行ける”と実感していました。昨日は自信があり過ぎたせいもあって(公式予選Q1でクラッシュしてしまい)、チームとロニー(クインタレッリ)さんには申し訳なかったです。だから今日は何とか結果でみんなに感謝を伝えたかった。ロニーさんがポジションを上げて来ていたのは分かっていましたが、ピットアウトしたらバックミラーに12号車(カルソニック IMPUL GT-R)と8号車(ARTA NSX-GT)が映っていたので、最初は『周回遅れにならなくて良かった』と思ったんです。でもピットから『トップだ』と(無線で)言われてちょっとビックリしました。ただセーフティカーランが続いていたので、リスタートをうまく決めれば逃げ切れる、と自分に言い聞かせました。GT300のバックマーカーと出会うとピックアップに悩まされてペースも落ちてしまいます。それで平峰選手(No.12 カルソニック IMPUL GT-R)に迫られたところもありましたが、目の前がクリアになったところでペースを上げていくと(ピックアップを)取ることができたので、後は心配せずに走っていました。この鈴鹿がチャンピオン争いでは重要になることはもちろん分かっていて、良くて優勝、悪くても表彰台、と目標を立てていました。そして残り2戦も簡単じゃないことは分かっていますが、チームとドライバーが一丸になって、あとはやるだけです。通算22勝(最多勝記録)の印象ですか? 今年何とか21勝目をと思っていて8月の鈴鹿で21勝目が達成できましたが、正直言って今シーズンのうちに22勝目を挙げることができるとは思ってなかったです。ただここまで来たらもう1回勝って23勝にすると(語呂合わせが)日産になるので、ぜひとも目指したいですね」
ロニー・クインタレッリ
「今日の展開が奇跡すぎて、まだ勝ったことが実感できていません。このレースでは最後尾スタートでしたが、このところ毎戦のように、レース中にセーフティカー(SC)が出ていますから、どんな展開になっても対処できるようにチームとはコミュニケーションを重ねてきました。クルマの調子は良くて、前方がクリアになったところで数ラップ、プッシュしました。130Rを走っているときに無線が入ってきたのですが、あそこでは上手く(通話が)繋がらないんです。だからシケインで僕の方から『どうしたの?』って聞いたら『SCが入りそうだからピットインしてください』と言われたんです。ピットロードの入り口では信号が“(ピットクローズの赤に)変わらないように”と祈りながらピットに戻ってきました。それで(松田)次生さんがピットアウトしていったときには出口の信号が(これも赤に)ならないように祈っていました。そうしたら12号車(カルソニック IMPUL GT-R)と8号車(ARTA NSX-GT)の前でコースインできたので、ピットのみんなと抱き合って喜びました。鈴鹿に来る前にはしっかり準備していました。そして優勝すれば、タイトル争いでも大きく進歩する。その狙い通りに優勝することができました。これで(ドライバー)ランキングは3位です。ただ、次戦のもてぎでは皆がウェイトハンディ半分になるし、最終戦の富士ではハンディがゼロになります。やはり実力で前に行かないとチャンピオンを手繰り寄せることは難しい。だからがんばります」
GT300クラス
No.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS
川端伸太朗
SUPER GTには参戦を始めて3年目になりますが、最初のレースは鈴鹿1000㎞でした。トップを走っていたのですが、100周目辺りでトラブルからリタイアしてしまいました。それがトラウマになったわけでもないのですが、そこからなかなか結果が出せずに来ましたが、今日の結果でがんばったことが報われたように思います。前半は近藤(翼)選手が引っ張る予定でいたのですが、11号車(No.11 GAINER TANAX GT-R)に蓋をされた格好でペースを上げることができなかったので、作戦を変更して早めにルーティンのピットインを行いました。それで早めにドライバー交代して、確かその2周後にセーフティカーがコースインしてきました。これは結果論かもしれませんが、本当にベストなタイミングでピットインを行うことができたんです。また近藤選手がハイペースで走っていたことで、クルマには自信を持つことができました。いいクルマを用意してくれたチームに感謝しています。僕の後半の最後は燃費(がギリギリ)でハラハラドキドキしましたが、走りきることができてよかったです。僕もSUPER GT初優勝なので、とても嬉しいです。シーズンが始まった時にはクルマとタイヤのマッチングが今一つで、何とかクルマとドライビングで合わせこんできました。今年からチーム・ルマンでメンテナンスしているのですが、この事前データと実際のアウディのデータとマッチしていなくて苦労しました。でも前戦の富士辺りからうまく整合性が取れ始めたのかクルマの調子も少し良くなり、今回はすごくよくなっていました。もてぎは第4戦で最後尾から追い上げて5位入賞しているので、次戦も表彰台、できれば優勝を狙っていきたいです。
近藤翼
「SUPER GTではこのレースが初優勝で、とても嬉しいです。最高のクルマを用意してくれたチームと川端(伸太朗)選手に感謝したいと思います。今日のレースではスタートと前半の走行を担当しました。最初の予定ではもっと前半を引っ張る(ピットインを延ばす)予定だったので、タイヤを労わりながら走っていました。最後の方は少し厳しくなりましたが何とか川端選手に繋ぐことができてよかったです。今シーズン、チームは当初、クリストファー・ミース選手がドライブする予定だったのですが、彼が新型コロナ感染拡大防止の水際対策から来日できなくなって、僕が乗せてもらえることになりました。それもあって、クルマのセットアップは川端選手とチームに任せっきり。僕は、みんなが仕上げてくれたクルマを信じて、ただ乗っているだけなんです。今回優勝したことは、まだ実感が湧いてこないのですが、チームの雰囲気は間違いなく上がっていると思います。その勢いに乗って次戦のもてぎでもいいレースをしたいと思います。
Po | No | Machine | Driver | Laps | Best Lap | Diff.(km/h) | Tire | WH |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20B | 松田 次生 ロニー・クインタレッリ | 52 | 1'49.284 | 1:46'27.742 | MI | 50 |
2 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20B | 佐々木 大樹 平峰 一貴 | 52 | 1'49.272 | 4.616 | BS | 6 |
3 | 8 | ARTA NSX-GT Honda NSX-GT / HR-420E | 野尻 智紀 福住 仁嶺 | 52 | 1'48.387 | 5.342 | BS | 32 |
4 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20B | 平手 晃平 千代 勝正 | 52 | 1'50.358 | 6.256 | MI | 32 |
5 | 38 | ZENT GR Supra TOYOTA GR Supra GT500 / RI4AG | 立川 祐路 石浦 宏明 | 52 | 1'49.730 | 8.044 | BS | 60 |
6 | 64 | Modulo NSX-GT Honda NSX-GT / HR-420E | 伊沢 拓也 大津 弘樹 | 52 | 1'48.566 | 13.842 | DL | 20 |
7 | 36 | au TOM'S GR Supra TOYOTA GR Supra GT500 / RI4AG | 関口 雄飛 サッシャ・フェネストラズ | 52 | 1'50.294 | 15.726 | BS | 82 |
8 | 24 | リアライズコーポレーション ADVAN GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20B | 高星 明誠 ヤン・マーデンボロー | 52 | 1'50.754 | 25.490 | YH | 2 |
9 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra TOYOTA GR Supra GT500 / RI4AG | 国本 雄資 宮田 莉朋 | 52 | 1'49.439 | 26.038 | YH | 14 |
10 | 17 | KEIHIN NSX-GT Honda NSX-GT / HR-420E | 塚越 広大 ベルトラン・バゲット | 52 | 1'50.600 | 35.379 | BS | 88 |
11 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra TOYOTA GR Supra GT500 / RI4AG | ヘイキ・コバライネン 中山 雄一 | 52 | 1'50.593 | 43.821 | BS | 78 |
12 | 14 | WAKO'S 4CR GR Supra TOYOTA GR Supra GT500 / RI4AG | 大嶋 和也 坪井 翔 | 52 | 1'50.758 | 1'26.237 | BS | 94 |
13 | 16 | Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT Honda NSX-GT / HR-420E | 武藤 英紀 笹原 右京 | 52 | 1'50.770 | 1'32.326 | YH | 34 |
100 | RAYBRIG NSX-GT Honda NSX-GT / HR-420E | 山本 尚貴 牧野 任祐 | 32 | 1'50.625 | 20 Laps | BS | 76 | |
37 | KeePer TOM'S GR Supra TOYOTA GR Supra GT500 / RI4AG | 平川 亮 ニック・キャシディ | 31 | 1'50.337 | 21 Laps | BS | 92 |
カテゴリー: F1 / SUPER GT