【SUPER GT】 2017年チャンピオン&最終戦トップ3ドライバー コメント
2017 AUTOBACS SUPER GT第8戦(最終戦)『MOTEGI GT GRAND FINAL』の決勝レースが11月12日(日)、栃木県のツインリンクもてぎ(1周4,801m×53周)で行われた。GT500クラスは、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が優勝。GT500クラスチャンピオンは2位となったNo.37 KeePer TOM'S LC500の平川亮/ニック・キャシディが獲得。彼らは共に23歳で、キャシディはGT500クラスの最年少王者となった。
GT300クラスは、No.65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥)が今季2勝目。3位のNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝/片岡龍也組がGT300チャンピオンとなった。
<チャンピオンコメント>
GT500クラス
No.37 KeePer TOM’S LC500
平川亮
「チャンピオンを獲ったら大はしゃぎするかな、と思っていましたが、チェッカーを受けた瞬間にホッとして、今は正直言って言葉が上手く出てこない状況です。チームが一丸になってノーミスで良い仕事ができた結果がチャンピオンなので、皆に感謝したいです」
ニック・キャシディ
「平川さんが言ったように『ホッとした』その一言に尽きます。僕はGT500で2シーズン目ですが、チームはそんな僕を信頼してくれました。だからその信頼を裏切らないよう頑張ってきました。1年を通じて抑えるところは抑えて、攻めるところは攻める。今日はコンサバな展開になりましたが良いレースができました」
GT300クラス
No.4 グッドスマイル初音ミクAMG
谷口信輝
「嬉しいというよりもホッとしたというのが正直なところ。ポイントリーダーでもてぎにやって来ましたが、実はまったく余裕などなかった。僕たちのチームは最善のケースを望む一方で、最悪な状況だけは避けるように戦ってきました。今日も厳しい方向になって、2014年にチャンピオン獲った時と同様に、苦労して3位を獲る作戦で、結果的にチャンピオンを獲ることができました」
片岡龍也
「嬉しいです。今日はポールから逃げる展開でしたが、GT500クラスのドライバーたちとちゃんとコミュニケーションができていて、とても走りやすい環境で上手く逃げることができました。開幕戦で勝って、さらに開発で苦労した結果がチャンピオンに繋がりました」
<トップ3 ドライバーコメント>
GT500クラス
優勝:No.23 MOTUL AUTECH GT-R
松田次生
「昨日の予選ではポールで1ポイントを獲り、今日も優勝することができました。本当はチャンピオンを目指してもてぎに来ましたが、37号車が2位に入ったために2ポイント足らずにシリーズ2位に終わってしまいました。でも開幕戦ではレクサス勢が1~6位を独占し、タイムでも1秒以上の差があったのを、チームが一丸となって頑張って、タイヤとの合わせ込みが進んで、(この最終戦を)その集大成として1勝できたのだと思います。この流れを継続し、来年こそタイトルを獲り返したいと思います」
ロニー・クインタレッリ
「スタートで後続のクルマと接触し、スピンするんじゃないかというくらい大きな衝撃があって『今日のレースは終わったな』と思いました。でもタイヤもパンクしていなくて、クルマのバランスは悪くなく、ちゃんと走れて良かったです。シーズン序盤の(厳しかった)パフォーマンスから考えれば、よくここまで巻き返せたな、と思います。(チャンピオンを獲れず)悔しい気持ちもありますが、まずは優勝して気持ちよくシーズンを終えることができました」
2位:No.37 KeePer TOM'S LC500
平川 亮
「最初の数周でうまく2番手に上がれましたし、その後もニック(キャシディ)が10秒ぐらい離して戻ってきてくれたから本当に楽な展開になりました。おかげで僕は完走すればいいだけになっちゃったので、逆に集中できなくて、それが大変でした。でも自分だけのレースじゃないですし、いろんな人への感謝の気持ちとかを考えたら、(走り続けることは)僕しかできないことなのでやらなきゃなという気持ちで走り抜きました。運もあったと思いますが、本当にいろんな要素がうまくいって、タイトルを獲れる時にきっちり獲れましたし、何かひとつでも欠けたら獲れなかったものなのでいろんな人に感謝しています。LC500は本当に調子良くて最初の勢いのままいくと思ったら、そこからHondaや日産も盛り返してきて……でもやっぱり最後はレクサスの強さを見せられたと思います。ブリヂストンタイヤも良かったし、チームもいいクルマを用意してくれたので、みんなに感謝しています。僕自身ですか? ホッとしています。
ニック・キャシディ
「もう、素晴らしすぎ! もう、なんて言えばわかりません。今日、タイトルを獲ったことで、史上最年少のGT500クラスチャンピオンになったんです! 信じられません。サイコー! それに、このタイトルをTOM'Sと一緒に獲ったことがうれしい。僕が日本でレースをするチャンスをレクサスと共に与えてくれたチームであり、全日本F3選手権に続いて、このSUPER GTでもタイトルを彼らと共に手にすることができました。ほんともう最高です!ドライバー交代してからは平川の走りを見守っていたんですが、マージンもあったし安心して見ていました。平川の走りには何の心配もしてなかったです。だって彼の速さを信じているし、問題ないと思ってましたから。僕が走っているときは、まず良いペースで走って後続とのギャップを作ろうと思っていたんです。正直、タイトル争いに対しての心配はありましたから。とにかくリスクを冒さないよう心がけました。逆に(前を行く)NISMO(23号車)のことは気にかけていませんでした。なので、後とそれなりの差が着いたときは本当に安心しましたね。あとはペースをキープして走っていました。
3位:No.38 ZENT CERUMO LC500
立川祐路
「今年最後のレースなので思いっ切りいきました」
昨日の予選結果が良くなくてグリッドが後ろだったので、今日は厳しい展開になってしまいましたけど、今年最後のレースなので思いっ切りいきました。その結果3位まで上がれたので、決勝に関してはまずまずだったんじゃないかなと思います。
今年1年を振り返ると、ウチのチームとしては落としたレースがいくつかあって、それが結局、最後に響いてしまいましたね。ランキング上位のクルマを見るとコンスタントに毎戦ポイントを獲っていて、僕たちはそこがうまくいかなかったかなと。いい時はいいんですけど、落としているレースもあるので、来年の目標は全戦優勝……あっ、違うか!(笑)。全戦ポイントをきっちり獲りつつ、勝てるところは勝ってコンスタントに戦いたいと思います。来年また頑張ります。
石浦宏明
「まず、立川(祐路)さんがオープニングラップで2台抜いて、そのあとも前(のクルマ)が潰れたりしたんですが、僕らのクルマは、見ているとペース的にちょっと楽ではなさそうでした。でも、立川さんはGT300クラスを処理するときに徐々に後方との差をつけていたし、(立川の)後半のスティントになると、後にいたNSX-GTが少し離れたので、僕に交代しても途中までは苦しいだろうけど、最後は同じような展開になるだろうと想像することができました。一方、(レース距離の)3分の2が僕のスティントだったんですが、ピットからはタイヤの状態を考え、プッシュしないでマネージメントしてくれと言われていたこともあり、終盤にプッシュするだけに留めました。まぁ予選順位を考えると、決勝で37号車が見える位置でフィニッシュできたのは悪くないかと。挽回できたのかなと思います。今年は複雑なシーズンでした。クルマの速さがちょっと足りなかったり、シーズン途中で失速する原因を抱えるなど、うまくいかないレースが多かったように思います。もったいなかったですね。ランキング4位になるのは仕方ないようなレースをしていたので…。シーズンを通して苦しかった要素があったので、来シーズンに向けてきちんとリセットできるかどうかがこれからのポイントになると思います。
GT300クラス
優勝:No.65 LEON CVSTOS AMG
黒澤治樹
「シーズンを通じてメルセデス・ベンツとAMG、ブリヂストンにお世話になりました。本当に、良いクルマ、良いタイヤを用意してもらいました。今季はタイヤをブリヂストンにして、新しいパッケージでシーズンに臨んだのですが、(蒲生)尚弥も良いドライバーに成長してくれたし、ドライバー2人もチームもミスなく戦ってきて、最後にも優勝することができ、シリーズでも2位につけることができました。今年は手探り状態もありましたが、ブリヂストンタイヤで2年目となる来年は、もっと手強くなって帰ってきます」
蒲生尚弥
「今日のレース自体は、自分なりに良いレースができたと思います。55号車を抜いた時は、かなり(彼らの)タイヤが厳しそうで、最終コーナーで膨らんだので一気にインを差して並び、何とかパスすることができました。1年を振り返ってみると、色々成長できた部分があるし、その集大成が今回の優勝に繋がったと思います。いくつか取りこぼしもあってシリーズでは2位になってしまいましたが、クルマとタイヤはベストなパッケージだったと思います」
2位:No.55 ARTA BMW M6 GT3
高木真一
「僕たちはタイヤ無交換でいって(逆転されて)2位に終わりましたけど、そればっかりは走ってみないと分からないですからね。タイヤを2本だけでも替えておけば良かったのかもしれないし、それでもダメだったかもしれない。だけどそれは(65号車とは)クルマも違うし、タイヤの特性も違うから同じことをやってもダメなわけで、僕たちにとっては優勝しか(チャンピオン獲得の)チャンスはなかったから、ピット作業のタイムを削るためにその作戦を採りました。脇役にはなってしまいましたけど、みなさんにはおもしろいレースを見せられたんじゃないかなと思います。(相方の)ショーン(ウォーキンショー)は今年初めて日本に来て、日本のサーキットも初めてで、そういうなかでSUPER GTのタイヤ戦争にぶち込まれて、タイヤのマネージメントだったり使い方だったり、いままで経験したことがないようなこともあって、いろいろ勉強になったんじゃないかな。まずコースを覚えなきゃいけないという状況ながら、初めてのサーキットで優勝したり。それってなかなか簡単なことじゃなくて、今年1年でひと皮もふた皮も剥けたと思います。100点満点です!
ショーン・ウォーキンショー
「表彰台の真ん中を逃してしまったことはとても残念です。タイヤ無交換というのはギャンブルのようであり、でもやれないことはない戦略でした。タラ・レバは言いたくないけれど、あと2周タイヤがもてば…。残念です。今日のレースはとてもタフな戦いではありましたが、シーズンエンドの戦いでまた表彰台に上がれたことはすばらしいし、うれしく思っています。僕にとって、SUPER GTで1年目の戦いでしたが、レースでは8戦中5戦でポイントを獲ることができたし、うち3度は表彰台に上がることができたし、最後までタイトル争いにも残ることができました。とてもハッピーな結果だと受け止めています。自分自身としては、ちょっと出来過ぎくらいかもしれません(笑)。ほんと、レース毎にだんだん良くなっていいレースができてうれしく思うし、それにチームがとてもよくしてくれました。来シーズンですか? またこの戦いの場に戻ってきたいと思っています。このファンタスティックなSUPER GTでの戦いで、もっといいレースがしたいですね。
3位:No. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG
谷口信輝
「今回、ポールポジションこそ獲りましたが、決勝に向けては不安要素がいっぱいあったんです。予選後は「今日のレースを勝ってチャンピオンを獲りたい」なんて言ってましたが、逆にまったくダメなレースになる可能性もあったんです。実は、決勝に向けて「なんとか片岡(達也)のタイヤが長持ちしてくれないかなぁ」という願いを持ってました。ところがやっぱりダメで…。結果、僕のスティントが長くなるので固いタイヤで行ったわけですが、それがテストをしていないタイヤだったんです。正直、ちゃんと使えるのかどうかわからなかった。なので、いいペースで行けるかどうかわからず、またちゃんと走れるかもわからない。それでライバルに行かれてしまうかも…という思いもあって、ものすごく苦しい状況でした。終わって、疲れがドッと出てしまいました(苦笑)。それに、レースが終わるまではなんともなかったんですが、みんなから“おめでとう”と言われて、涙が出てきました。
片岡龍也
「僕のスティントでは早いタイミングでタイヤが厳しくなると予想していたんですが、それでもなるべくマージンを作ってピットに戻るという作戦だったので必死に逃げて、谷口(信輝)さんに繋ぎました。ただ、僕たちが予想していたよりもタイヤ2本交換や無交換のチームが多くて、みんながどんどん前にいっちゃうので、その時はちょっと苦しかったですね。4位以上になれればチャンピオンを獲れることは分かっていたんですが、25号車に詰まっているうちに5位に落ちそうになった時が一番のポイントで、25号車を抜いてからはトラブルがない限り大丈夫かなと思って見ていました。本当は“優勝してチャンピオン決定”というのが良かったんですけど、表彰台にのぼってチャンピオンなら文句ないです。今年は非常にクルマもタイヤも良くて、僕らが常にレースをリードする展開で、2回パンクしたり不運もあったんですけど、1年をとおしてスピードのあるシーズンだったと思います。そういうスピードのあるシーズンに、こうしてチャンピオンが獲れて本当に良かったです。
カテゴリー: F1 / SUPER GT
GT300クラスは、No.65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥)が今季2勝目。3位のNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝/片岡龍也組がGT300チャンピオンとなった。
<チャンピオンコメント>
GT500クラス
No.37 KeePer TOM’S LC500
平川亮
「チャンピオンを獲ったら大はしゃぎするかな、と思っていましたが、チェッカーを受けた瞬間にホッとして、今は正直言って言葉が上手く出てこない状況です。チームが一丸になってノーミスで良い仕事ができた結果がチャンピオンなので、皆に感謝したいです」
ニック・キャシディ
「平川さんが言ったように『ホッとした』その一言に尽きます。僕はGT500で2シーズン目ですが、チームはそんな僕を信頼してくれました。だからその信頼を裏切らないよう頑張ってきました。1年を通じて抑えるところは抑えて、攻めるところは攻める。今日はコンサバな展開になりましたが良いレースができました」
GT300クラス
No.4 グッドスマイル初音ミクAMG
谷口信輝
「嬉しいというよりもホッとしたというのが正直なところ。ポイントリーダーでもてぎにやって来ましたが、実はまったく余裕などなかった。僕たちのチームは最善のケースを望む一方で、最悪な状況だけは避けるように戦ってきました。今日も厳しい方向になって、2014年にチャンピオン獲った時と同様に、苦労して3位を獲る作戦で、結果的にチャンピオンを獲ることができました」
片岡龍也
「嬉しいです。今日はポールから逃げる展開でしたが、GT500クラスのドライバーたちとちゃんとコミュニケーションができていて、とても走りやすい環境で上手く逃げることができました。開幕戦で勝って、さらに開発で苦労した結果がチャンピオンに繋がりました」
<トップ3 ドライバーコメント>
GT500クラス
優勝:No.23 MOTUL AUTECH GT-R
松田次生
「昨日の予選ではポールで1ポイントを獲り、今日も優勝することができました。本当はチャンピオンを目指してもてぎに来ましたが、37号車が2位に入ったために2ポイント足らずにシリーズ2位に終わってしまいました。でも開幕戦ではレクサス勢が1~6位を独占し、タイムでも1秒以上の差があったのを、チームが一丸となって頑張って、タイヤとの合わせ込みが進んで、(この最終戦を)その集大成として1勝できたのだと思います。この流れを継続し、来年こそタイトルを獲り返したいと思います」
ロニー・クインタレッリ
「スタートで後続のクルマと接触し、スピンするんじゃないかというくらい大きな衝撃があって『今日のレースは終わったな』と思いました。でもタイヤもパンクしていなくて、クルマのバランスは悪くなく、ちゃんと走れて良かったです。シーズン序盤の(厳しかった)パフォーマンスから考えれば、よくここまで巻き返せたな、と思います。(チャンピオンを獲れず)悔しい気持ちもありますが、まずは優勝して気持ちよくシーズンを終えることができました」
2位:No.37 KeePer TOM'S LC500
平川 亮
「最初の数周でうまく2番手に上がれましたし、その後もニック(キャシディ)が10秒ぐらい離して戻ってきてくれたから本当に楽な展開になりました。おかげで僕は完走すればいいだけになっちゃったので、逆に集中できなくて、それが大変でした。でも自分だけのレースじゃないですし、いろんな人への感謝の気持ちとかを考えたら、(走り続けることは)僕しかできないことなのでやらなきゃなという気持ちで走り抜きました。運もあったと思いますが、本当にいろんな要素がうまくいって、タイトルを獲れる時にきっちり獲れましたし、何かひとつでも欠けたら獲れなかったものなのでいろんな人に感謝しています。LC500は本当に調子良くて最初の勢いのままいくと思ったら、そこからHondaや日産も盛り返してきて……でもやっぱり最後はレクサスの強さを見せられたと思います。ブリヂストンタイヤも良かったし、チームもいいクルマを用意してくれたので、みんなに感謝しています。僕自身ですか? ホッとしています。
ニック・キャシディ
「もう、素晴らしすぎ! もう、なんて言えばわかりません。今日、タイトルを獲ったことで、史上最年少のGT500クラスチャンピオンになったんです! 信じられません。サイコー! それに、このタイトルをTOM'Sと一緒に獲ったことがうれしい。僕が日本でレースをするチャンスをレクサスと共に与えてくれたチームであり、全日本F3選手権に続いて、このSUPER GTでもタイトルを彼らと共に手にすることができました。ほんともう最高です!ドライバー交代してからは平川の走りを見守っていたんですが、マージンもあったし安心して見ていました。平川の走りには何の心配もしてなかったです。だって彼の速さを信じているし、問題ないと思ってましたから。僕が走っているときは、まず良いペースで走って後続とのギャップを作ろうと思っていたんです。正直、タイトル争いに対しての心配はありましたから。とにかくリスクを冒さないよう心がけました。逆に(前を行く)NISMO(23号車)のことは気にかけていませんでした。なので、後とそれなりの差が着いたときは本当に安心しましたね。あとはペースをキープして走っていました。
3位:No.38 ZENT CERUMO LC500
立川祐路
「今年最後のレースなので思いっ切りいきました」
昨日の予選結果が良くなくてグリッドが後ろだったので、今日は厳しい展開になってしまいましたけど、今年最後のレースなので思いっ切りいきました。その結果3位まで上がれたので、決勝に関してはまずまずだったんじゃないかなと思います。
今年1年を振り返ると、ウチのチームとしては落としたレースがいくつかあって、それが結局、最後に響いてしまいましたね。ランキング上位のクルマを見るとコンスタントに毎戦ポイントを獲っていて、僕たちはそこがうまくいかなかったかなと。いい時はいいんですけど、落としているレースもあるので、来年の目標は全戦優勝……あっ、違うか!(笑)。全戦ポイントをきっちり獲りつつ、勝てるところは勝ってコンスタントに戦いたいと思います。来年また頑張ります。
石浦宏明
「まず、立川(祐路)さんがオープニングラップで2台抜いて、そのあとも前(のクルマ)が潰れたりしたんですが、僕らのクルマは、見ているとペース的にちょっと楽ではなさそうでした。でも、立川さんはGT300クラスを処理するときに徐々に後方との差をつけていたし、(立川の)後半のスティントになると、後にいたNSX-GTが少し離れたので、僕に交代しても途中までは苦しいだろうけど、最後は同じような展開になるだろうと想像することができました。一方、(レース距離の)3分の2が僕のスティントだったんですが、ピットからはタイヤの状態を考え、プッシュしないでマネージメントしてくれと言われていたこともあり、終盤にプッシュするだけに留めました。まぁ予選順位を考えると、決勝で37号車が見える位置でフィニッシュできたのは悪くないかと。挽回できたのかなと思います。今年は複雑なシーズンでした。クルマの速さがちょっと足りなかったり、シーズン途中で失速する原因を抱えるなど、うまくいかないレースが多かったように思います。もったいなかったですね。ランキング4位になるのは仕方ないようなレースをしていたので…。シーズンを通して苦しかった要素があったので、来シーズンに向けてきちんとリセットできるかどうかがこれからのポイントになると思います。
GT300クラス
優勝:No.65 LEON CVSTOS AMG
黒澤治樹
「シーズンを通じてメルセデス・ベンツとAMG、ブリヂストンにお世話になりました。本当に、良いクルマ、良いタイヤを用意してもらいました。今季はタイヤをブリヂストンにして、新しいパッケージでシーズンに臨んだのですが、(蒲生)尚弥も良いドライバーに成長してくれたし、ドライバー2人もチームもミスなく戦ってきて、最後にも優勝することができ、シリーズでも2位につけることができました。今年は手探り状態もありましたが、ブリヂストンタイヤで2年目となる来年は、もっと手強くなって帰ってきます」
蒲生尚弥
「今日のレース自体は、自分なりに良いレースができたと思います。55号車を抜いた時は、かなり(彼らの)タイヤが厳しそうで、最終コーナーで膨らんだので一気にインを差して並び、何とかパスすることができました。1年を振り返ってみると、色々成長できた部分があるし、その集大成が今回の優勝に繋がったと思います。いくつか取りこぼしもあってシリーズでは2位になってしまいましたが、クルマとタイヤはベストなパッケージだったと思います」
2位:No.55 ARTA BMW M6 GT3
高木真一
「僕たちはタイヤ無交換でいって(逆転されて)2位に終わりましたけど、そればっかりは走ってみないと分からないですからね。タイヤを2本だけでも替えておけば良かったのかもしれないし、それでもダメだったかもしれない。だけどそれは(65号車とは)クルマも違うし、タイヤの特性も違うから同じことをやってもダメなわけで、僕たちにとっては優勝しか(チャンピオン獲得の)チャンスはなかったから、ピット作業のタイムを削るためにその作戦を採りました。脇役にはなってしまいましたけど、みなさんにはおもしろいレースを見せられたんじゃないかなと思います。(相方の)ショーン(ウォーキンショー)は今年初めて日本に来て、日本のサーキットも初めてで、そういうなかでSUPER GTのタイヤ戦争にぶち込まれて、タイヤのマネージメントだったり使い方だったり、いままで経験したことがないようなこともあって、いろいろ勉強になったんじゃないかな。まずコースを覚えなきゃいけないという状況ながら、初めてのサーキットで優勝したり。それってなかなか簡単なことじゃなくて、今年1年でひと皮もふた皮も剥けたと思います。100点満点です!
ショーン・ウォーキンショー
「表彰台の真ん中を逃してしまったことはとても残念です。タイヤ無交換というのはギャンブルのようであり、でもやれないことはない戦略でした。タラ・レバは言いたくないけれど、あと2周タイヤがもてば…。残念です。今日のレースはとてもタフな戦いではありましたが、シーズンエンドの戦いでまた表彰台に上がれたことはすばらしいし、うれしく思っています。僕にとって、SUPER GTで1年目の戦いでしたが、レースでは8戦中5戦でポイントを獲ることができたし、うち3度は表彰台に上がることができたし、最後までタイトル争いにも残ることができました。とてもハッピーな結果だと受け止めています。自分自身としては、ちょっと出来過ぎくらいかもしれません(笑)。ほんと、レース毎にだんだん良くなっていいレースができてうれしく思うし、それにチームがとてもよくしてくれました。来シーズンですか? またこの戦いの場に戻ってきたいと思っています。このファンタスティックなSUPER GTでの戦いで、もっといいレースがしたいですね。
3位:No. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG
谷口信輝
「今回、ポールポジションこそ獲りましたが、決勝に向けては不安要素がいっぱいあったんです。予選後は「今日のレースを勝ってチャンピオンを獲りたい」なんて言ってましたが、逆にまったくダメなレースになる可能性もあったんです。実は、決勝に向けて「なんとか片岡(達也)のタイヤが長持ちしてくれないかなぁ」という願いを持ってました。ところがやっぱりダメで…。結果、僕のスティントが長くなるので固いタイヤで行ったわけですが、それがテストをしていないタイヤだったんです。正直、ちゃんと使えるのかどうかわからなかった。なので、いいペースで行けるかどうかわからず、またちゃんと走れるかもわからない。それでライバルに行かれてしまうかも…という思いもあって、ものすごく苦しい状況でした。終わって、疲れがドッと出てしまいました(苦笑)。それに、レースが終わるまではなんともなかったんですが、みんなから“おめでとう”と言われて、涙が出てきました。
片岡龍也
「僕のスティントでは早いタイミングでタイヤが厳しくなると予想していたんですが、それでもなるべくマージンを作ってピットに戻るという作戦だったので必死に逃げて、谷口(信輝)さんに繋ぎました。ただ、僕たちが予想していたよりもタイヤ2本交換や無交換のチームが多くて、みんながどんどん前にいっちゃうので、その時はちょっと苦しかったですね。4位以上になれればチャンピオンを獲れることは分かっていたんですが、25号車に詰まっているうちに5位に落ちそうになった時が一番のポイントで、25号車を抜いてからはトラブルがない限り大丈夫かなと思って見ていました。本当は“優勝してチャンピオン決定”というのが良かったんですけど、表彰台にのぼってチャンピオンなら文句ないです。今年は非常にクルマもタイヤも良くて、僕らが常にレースをリードする展開で、2回パンクしたり不運もあったんですけど、1年をとおしてスピードのあるシーズンだったと思います。そういうスピードのあるシーズンに、こうしてチャンピオンが獲れて本当に良かったです。
カテゴリー: F1 / SUPER GT