スーパーフォーミュラ 鈴鹿サーキット
全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦「第16回JAF鈴鹿グランプリ」が10月21日(土)と22日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催される。

全7戦で戦われている2017年のスーパーフォーミュラもいよいよ最終戦となり、タイトルを決定する天王山を迎える。最終戦は例年どおり2レース制で行われ、それぞれのレースでの獲得ポイントは通常の半分となる。

但し、この最終戦のみ、優勝者には3点のボーナスポイントが与えられる。ポールポジションポイント1点も加わるため、両レースをポール・トゥ・ウィンで制せば、最大18ポイントを獲得可能。このため、計算上ではまだ8人に逆転タイトルの可能性が残っている。

もちろん、全車がポイント獲得を目指すため、単純な数字での計算通どおりには行かないが、近年のスーパーフォーミュラは予選から、100分の1秒台という僅差で争われており、スプリントレースとして行われる今大会は、特に予選が重要。予選で僅かなミスや、コース上の混雑に阻まれ順位を落とすことになれば、ポイントを得られず、一気にランキングを落とすことになりかねない。

今大会はレース1がピット義務無しの19周、レース2はタイヤ4本交換義務ありの36周として争われる。レース2でのタイヤ交換は、先頭車両が10周終了のコントロールラインを通過した時点以降に行わなくてはならないという特別規則が定められ、昨年までのように1周目終了でピットイン義務を終える、というような作戦を採ることが出来なくなる。

これによりどのように戦略やポジション争いの変化が起こるかは未知数だが、例年以上にレース2でも予選での順位が重要になってくるだろう。2レース制ということで、レース1のグリッドは予選Q1で決定されるため、コース上が混み合うQ1から激戦となることは必至であり、一瞬も目の離せない展開になるだろう。

開幕戦が開催される鈴鹿サーキットは言わずと知れた日本を代表する国際サーキットの一つ。F1日本グランプリや二輪の8時間耐久レースの開催など、長い伝統を持ち、世界的にも有名なサーキットだ。

シリーズでの鈴鹿戦は、開幕戦と最終戦の年2回開催されており、名勝負が数多く行われてきた。

世界的に見ても珍しい、立体交差を持ち8の字状に周回するコースは、前半がS字コーナーなどのテクニカルセクション、後半はバックストレートから超高速コーナーの130Rへと続くハイスピードセクションとを併せ持つ、チャレンジングなレイアウトでドライバーの人気も高い。1周5.807kmは、日本のサーキットでは最長。

現在ランキングトップにつけているのは石浦 宏明(P. MU / CERUMO・INGING)。第3戦富士で勝利を挙げ、今季唯一全レースでポイントを獲得と安定した速さが光る。石浦は昨年の最終戦も両レースでポールポジションを獲得しており、優勝候補の筆頭であることは間違いない。しかし、海外からの強力なライバルがわずか0.5ポイント差で追ってきているため、全く予断は許されない状況だ。

そして、首位と5ポイント差のランキング3位につけるのは、ルーキーのフェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)。勝利こそないものの表彰台3回とこちらも安定感ある走りを見せており、初勝利と共にタイトルを狙ってくるはずだ。

ランキング4位の関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)はトップと8.5ポイント差で、この関口までは自力タイトルの可能性を残している。昨年ランキングトップで最終戦に臨みながら逆転でタイトルを逃した関口は、前戦SUGOで圧巻の走りを見せ今季2勝目を上げている。昨年の雪辱を果たそうという意識は最も強いに違いない。

自力タイトルの可能性こそないものの、ライバルが予選で沈むようなことがあれば逆転タイトルもあり得るのがトムスの2名。特に中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)は11.5ポイント差あるものの、先週末のWEC富士6時間レースを制した勢いに乗れば自身3度目のタイトルも見えてくるだろう。同じくWECとの連戦となるアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)と共にその走りに注目だ。

WECドライバーと言えば小林 可夢偉(KCMG)と国本 雄資(P. MU / CERUMO・INGING)もまだ数字の上では逆転タイトルの可能性を残している。今年は不運などもありポイント的には若干出遅れているが、どちらも速さは疑うまでもない。国本はディフェンディングチャンピオンの意地にかけて今季未勝利では終わりたくないはず。小林も今季は第4戦で2位表彰台を獲得しており、現役WECドライバーとしてスーパーフォーミュラでの初優勝を狙ってくるはずで、こちらも台風の目になる可能性大だ。

今季、特に予選で際立った速さを見せた2人のルーキー、ニック・キャシディ(KONDO RACING)、山下 健太(KONDO RACING)も、予選からそのパフォーマンスに注目したい。

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カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ