フェラーリF1の隠し玉 新型BBS製リアホイールがハミルトン初勝利を後押し
フェラーリF1がバルセロナ・カタルーニャGPで投入したアップデートは、新型フロントウイングや空力パッケージだけではなかった。ルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍後初優勝の裏には、タイヤマネジメントを改善するために開発された新しいリアホイールの存在があった。

スペインの高温コンディションではタイヤの摩耗が大きな勝負の分かれ目になると予想されていたが、フェラーリはレースを通じて優れたペースとタイヤライフを示した。その背景には、リア周りの熱管理を改善する技術的な進化があったとみられている。

新型BBS製リアホイールを投入
フェラーリはバルセロナ・カタルーニャGPで、BBS Japanが開発した新しいリアホイールを実戦投入した。

2026年シーズンからFIAがホイール設計に関する規制を一部緩和したことで、各チームはホイールそのものをパフォーマンス向上のための開発対象として再び活用できるようになった。

ホイールには軽量化や剛性向上だけでなく、温度管理という重要な役割がある。特にレース中のタイヤ温度や内圧の安定化は、摩耗を抑制するうえで極めて重要な要素となる。

フェラーリは新型リアホイールによって、ブレーキシステムから発生する熱がホイールを通じてタイヤへ伝わるのを抑制することに成功したとされる。

ブレーキ熱の遮断でタイヤ摩耗を低減
フェラーリの技術陣はBBS Japanと共同で熱管理システムを最適化した。

マラネロではブレーキ周辺に設置されるカーボン製のドラム内部に冷却用エアスペースを設け、専用の空気流路を設計。一方でBBS Japanは鍛造マグネシウム製ホイールの構造を見直し、熱の拡散性能を向上させた。

これによりブレーキから発生する高温がホイールを介してタイヤへ伝達されることを抑制し、タイヤ温度と内圧の上昇を安定化させることが可能になったという。

バルセロナでは気温31度、路面温度52度という厳しい条件だったが、フェラーリはライバル勢と比較してタイヤの劣化をうまくコントロールしていた。

フェラーリの弱点克服へ大きな前進
近年のフェラーリは一発の速さを見せながらも、タイヤ管理ではメルセデスやレッドブル・レーシングに後れを取る場面が少なくなかった。

しかし今回の改良によって、高温レース向けの熱遮断仕様と、低温時にタイヤを素早く暖める仕様の両方を使い分けられる体制を整えつつある。

技術責任者ロイック・セラは、かつてミシュランでタイヤ開発に携わった経験を持ち、タイヤ挙動への深い知識で知られる。そのノウハウがSF-26の開発にも反映され始めているようだ。

バルセロナ・カタルーニャGPでのハミルトンの優勝は、新しい空力パッケージだけでなく、見えにくい部分で進められていた熱管理技術の進化が支えた成果だったと言えそうだ。

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カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ