スーパーフォーミュラ
厳しい暑さとなった富士スピードウェイでスーパーフォーミュラ第3戦の予選が行われ、3セッション全てでトップという圧巻の速さを見せた国本雄資(P. MU / CERUMO・INGING)が、トップフォーミュラのシリーズ戦では自身キャリア初となるポールポジションを獲得。チームメイトの石浦宏明(P. MU / CERUMO・INGING)がコンマ1秒以下という僅差で2番手につけ、セルモ・インギングの2台が予選最前列グリッドに並んだ。3番手に関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、4番手中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)と、トヨタエンジンは2列目までを独占した。

国本雄資が初ポールポジション!
石浦宏明が僅差の2番手でセルモ・インギングが最前列独占

7月8日(土)富士スピードウェイは朝から晴れ渡り、午前中に気温は30度を突破。スーパーフォーミュラの予選が行われる午後1時半の時点では、気温が32度、路面温度49度という厳しい暑さの中で、ノックアウト方式の予選が開始された。

Q1(20分)はセッション開始と共に全車コースインし、タイムを出した後ピットへ。残り7分あまりで各車2度目のアタックに入った。まず石浦が1分23秒台に入れると、チームメイトの国本がこれを0.006秒上回ってトップに。中嶋一貴も好タイムをマークしたが、石浦に1000分の1秒及ばず3番手。

その後方ではヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、山下健太(KONDO RACING)、小林可夢偉(KCMG)、フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)がコンマ1秒以内の僅差で4番手から7番手で続いた。その後8番手にアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)。一本目のアタックではトップにつけていた関口はタイムが伸びず10番手。ニック・キャシディ(KONDO RACING)が13番手につけ、トヨタ勢は11台中10台がQ2進出を果たした。

大嶋 和也(SUNOCO TEAM LEMANS)はトップとちょうど1秒差のタイムをマークするも最後尾19番手に留まり、Q1敗退となった。

Q2(7分間)はやや空に雲がかかり、路面温度も若干下がる中で開始。セッション開始前からピットロードに並び、先頭でコースインしていった国本は、計測2周目で1分23秒352という、ライバルを大きく引き離すタイムでトップに。計測3周目で関口がこのタイムにコンマ2秒まで迫るタイムをマークした直後、セッションは残り2分を切ったところで、アタック中だった小林がレクサスコーナーでスピン。ターンしての再発進を試みたがエンジンストールを喫し、セッションは赤旗となってしまった。

この時点で2度目のアタックを終えておらず、まだQ2突破ラインに達していなかったのは9番手山下、10番手石浦、13番手のロッテラー、14番手のマーデンボロー。セッションは残り3分で再開され、Q2突破を賭けて各車一発アタックに入った。

このアタックで石浦は4番手、山下が8番手に滑り込みQ3進出を果たしたが、マーデンボローは9番手、タイムアップを果たせなかったローゼンクヴィストがはじき出される形となり10番手、ロッテラーもまさかの12番手でQ2敗退となってしまった。

Q3(7分間)は予定よりも7分遅れの午後3時24分にスタート。このセッション開始時は一転誰もコースインせず、残り6分を切って中嶋一貴を先頭に各車コースへ。中嶋一貴がまず1分23秒265の好タイムをマークしたが、好調な国本は1分23秒044とコンマ2秒中嶋一貴を上回ってトップへ。その後、石浦、関口も好タイムで中嶋一貴を上回ったが、国本には届かず、国本がトップフォーミュラのシリーズ戦では自身初となるポールポジションを獲得した。

2番手には0.063秒差でチームメイトの石浦。石浦と0.086秒差の3番手に関口。関口と0.072秒差の4番手で中嶋一貴と、それぞれコンマ1秒以下の僅差でトップ4をトヨタ勢が占めた。

前戦岡山で速さを示したルーキーの山下、キャシディがそれぞれ6,7番手から明日の決勝レースに臨むこととなった。

国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)

初めてのポールをやっと取れて、ほっとしている。Q1,Q2とすごく好調で、バランス的にはもう少し合わせこみたい部分もあったが、結果的にはQ3も上手くアタック出来たし、周りがすごく上げてこない限りは間違いなくポールは取れるなと思っていた。しっかりと集中してQ3も自分の力を出し切れたのは良かった。朝のフリー走行では少し苦労したが、エンジニアが自分の求めることを全て実現してくれた。WECでたくさん走って、違う環境で色んなことを勉強出来たことがすごくプラスになっていると思うし、WECから帰ってきて、日本で強いところを見せたいという思いがあったので、ポールを取れてすごく嬉しい。このポールはすごく自信になると思う。ポール・トゥ・ウィンを目指して明日も集中して頑張りたい。

石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)

予選としては悪くない位置だが、国本に負けたというのは正直悔しい気持ちもあるし、複雑だ。朝までは周りに対して若干負けている印象だったので、予選に向けて国本の情報も聞いたり、チーム全体で相談して色々試したところ、予選ではフィーリングが良くなったので、順調にいけばポール争いが出来るかなと思っていた。Q2の赤旗では一瞬落ちたかなと思ったが、最終的にトップ争いに戻ってこられてとりあえずはほっとしている。危うく今週のチャンスがなくなってしまうところだったので、それを考えれば悪くない予選だったのかなと思う。

関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

練習走行からまずまず調子は良かったが、今日の午前中とQ1,Q2ではあまりバランスが良くなく、Q2,Q3とちょっとずつ修正しながら予選を戦った。最後はちょっと足りなかったかなという感じだが、3番手と言うことで、優勝は狙える位置にいると思うので、明日は頑張る。

関連:スーパーフォーミュラ 第3戦 富士 予選:国本雄資がポールポジション

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カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ / トヨタ