スーパーフォーミュラ:元マクラーレンF1育成のウゴチュクが完全制圧
元マクラーレンF1ジュニアのウーゴ・ウーゴチュクが、鈴鹿サーキットで行われたスーパーフォーミュラのポストシーズンテストを最速で締めくくった。最終日のルーキー限定セッションで記録した1分36秒682は、3日間を通じた総合最速タイムとなり、金曜日の午前・午後を含めた“完全制圧”を達成した。

ウーゴチュクは、坪井 翔が今季ドライブしていた1号車のVANTELIN TEAM TOM’S(ダラーラ・トヨタ)を駆り、金曜午後の好条件を最大限に生かした。

晴天に加え、低温とホームストレートでの強い追い風が重なり、週を通じて最も速いラップが可能な状況だった。結果、同じルーキー勢に対して0.473秒差をつけ、初日午後にイゴール・オムラ・フラガが記録していた1分37秒158の基準タイムを更新した。

この日、トップ3のルーキーはいずれも総合トップ10に入り、全体のレベルの高さを示す形となった。フラガに続き、2日目(木曜)には新天地docomo business ROOKIEで走る福住 仁嶺が1分37秒221をマークして総合3番手。佐藤 蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、牧野 任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も続いた。

日本F4王者でトヨタ育成の鈴木 時也は、カッレ・ロバンペラの体調不良による欠場を受けてKids com Team KCMGから追加走行の機会を得ると、金曜2番手で総合6位と強い印象を残した。さらに同じトヨタ育成の小林 利来輝は、金曜3番手で総合トップ10入りを果たし、KDDI TGMGP TGR-DCから存在感を示している。

VANTELIN TEAM TOM’Sの2台目をドライブしたフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ王者のフレディ・スレーターは、ウーゴチュクから0.618秒差のルーキー4番手、総合11位。ウィリアムズF1ジュニアのルーク・ブラウニングは、KONDO RACINGから金曜5番手で総合13位につけ、スーパーフォーミュラ2日目ながら安定した走りを披露した。

一方、同じKONDO RACINGのジャック・ドゥーハンは厳しい3日間となった。デグナー2で3日連続のクラッシュに見舞われ走行が制限されたが、最終日は終盤30分に復帰し、1分38秒350で金曜ルーキー9番手、総合26位でテストを終えた。

木曜にはザック・オサリバンがITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPULで10番手(総合17位)に入り、来季は1台体制となる同チームで前向きな材料を残した。新生トヨタ陣営のTEAM GOHでは、アレックス・ブルツの息子であるチャーリー・ブルツが総合27位、金曜ルーキー10番手。2026年新規参戦のDELIGHTWORKS RACING(ホンダ)からは松下 信治が続いた。

今回のテストでは、金曜までラップタイムが前年より遅れていた点も注目された。来季導入予定のE10燃料(エタノール10%)と、燃料流量制限の強化(90kg/hから88kg/h)が影響したとみられる。昨年のポストシーズンテストで牧野 任祐が記録した1分35秒597は、今回ウーゴチュクの最速に対しても1.2秒以上速い水準だった。

スーパーフォーミュラの2026年シーズンに向けたテストは、2月25日・26日に再び鈴鹿で実施される予定だ。今回の結果を受け、ウーゴチュクを筆頭とする若手勢が、来季に向けてどのような評価を得ていくのか注目が集まる。

PosNo.Driver S1S2S3S4S5S6
11ウゴ・ウゴチュクR    1'37.7701'36.862
265イゴール・オムラ・フラガ 1'37.4291'37.1581'38.6501'37.358  
314福住 仁嶺 1'37.9501'37.5661'37.7831'37.221  
464佐藤 蓮 1'37.8491'37.3181'37.7121'37.576  
55牧野 任祐 1'37.4371'37.3531'37.4411'37.319  
67/8鈴木 時也R  1'43.6601'40.8271'38.5371'37.335
77山下 健太 1'38.0431'37.3421'38.0111'37.514  
815岩佐 歩夢  1'38.8871'38.6931'37.362  
96太田 格之進 1'37.7651'37.7051'38.5441'37.381  
1029小林 利来輝R1'39.5201'38.4011'38.6291'38.8071'39.5721'37.430
1137フレディ・スレーターR    1'39.8831'37.480
121坪井 翔 1'38.3431'37.5131'37.6401'37.617  
134ルーク・ブラウニングR  1'39.6451'38.0031'38.0031'37.523
1464大草 りきR    1'39.9801'37.627
1538阪口 晴南 1'38.1121'37.9341'37.7011'37.956  
1612荒尾 創大R  1'39.2511'38.7751'38.4811'37.791
1720ザック・オサリバン 1'38.1901'37.9591'38.1171'37.823  
1837サッシャ・フェネストラズ 1'39.2761'38.5051'38.1921'37.911  
1939大湯 都史樹 1'38.7221'38.0171'38.1561'38.091  
2016野尻 智紀 1'38.0561'40.4211'38.4451'38.184  
2138卜部 和久R    1'40.0061'38.065
2228小林 可夢偉 1'38.4391'38.107    
2312小出 峻 1'38.1781'38.175    
2450野村 勇斗R1'38.4051'38.1771'39.0191'38.640  
2528国本 雄資   1'38.6061'38.224  
263ジャック・ドゥーハンR1'41.5811'39.6831'39.1891'39.1121'39.3781'38.350
2753チャーリー・ブルツR 1'39.8811'40.3641'39.6381'39.3771'38.588
2822松下 信治 1'39.7101'39.7121'39.8081'38.742  
2950ザック・デイビッドR    1'38.7831'38.946
3010JuJu 1'39.0851'40.5391'39.0771'39.299  
3128小山 美姫R    1'41.9581'39.141
324名取 鉄平R1'40.0131'39.469    
3353笹原 右京 1'39.615     
3414梅垣 清R    1'40.8991'40.219
358カッレ・ロバンペラR1'44.602no time    
3650清水 諒弘R     no time


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カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ