スーパーフォーミュラ 第4戦 結果:福住仁嶺が悲願の初優勝!
2021年 スーパーフォーミュラ 第4戦の決勝レースが6月20日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が自身初優勝を果たした。
曇り空の朝を迎えたスポーツランド菅生。午前中に行われたサポートレースの全日本スーパーフォーミュラ・ライツ第11戦スタート時には、雨もパラつくような天候だった。
しかし、昼頃からは急激に青空が広がり、気温もぐんぐん上昇。気温24℃、路面温度34℃というコンディションのもと、午後1時30分にフォーメーションラップがスタートした。19台のマシンが1周の隊列走行を終え、正規グリッドに着くと、後方でグリーンフラッグが振られ、シグナルオールレッドからブラックアウト。53周先のゴールを目指して、各車が一斉にスタートを切った。
ここでホールショットを奪ったのは、PPの関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)。2番グリッドの牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は若干加速が鈍り、3番グリッドの阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)が2番手に浮上する。これに牧野、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が続くかと思われたが、1コーナーでアウト側のラインを取ってポジションを上げてきたのは5番グリッドの福住。また、7番グリッドの大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)も福住同様、アウト側のラインから4番手にポジションを上げた。
オープニングラップを終えてのオーダーは、関口、阪口、福住、大湯、牧野、宮田、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)、12番グリッドから抜群の動き出しを見せた山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)となっている。
そこから序盤、激しいバトルとなったのは、2番手争い。2周目のSPコーナーからオーバーテイクシステムを作動させた福住が、前を行く阪口に迫る。阪口も防戦のため、オーバーテイクシステムを作動させたが、2台は横並びで3周目の1コーナーに入る形になった。福住がアウト側、阪口がイン側。一方も引けないバトルで、2台ともにオーバーシュート気味だったが、1コーナーから2コーナーに差し掛かる所で阪口のリヤが流れ、ハーフスピン状態になる。阪口はアウト側の福住に軽く接触、福住はコース外側のランオフエリアに少しはみ出す形となったが、そのまま阪口の前に出ることに成功した。一方の阪口もスピンは免れ、走行を続けたが、マシンバランスに問題を抱えたのか、その後の馬の背コーナーでは大湯と牧野、メインストレートでは宮田の先行を許すこととなった。
トップの関口はジリジリと福住を引き離し、7周を終えた時点では2秒549というマージンを稼いでいたが、その後はペースが逆転。10周を終えた所では、その差は1秒822まで詰まってきた。ここでタイヤ交換のウィンドウが開くと、上位で真っ先にピットに飛び込んだのは大湯。その後方では、松下信治(B-Max Racing Team)、高星明誠(carenex TEAM IMPUL)もピットに飛び込む。しかし、大湯は右リヤタイヤの交換に手間取り、作業時間は17秒8。大きく遅れることとなってしまった。しかし、コースに戻った大湯は鬼神の走り。トップが1分09秒台で走っている所、大湯は1分07秒479、1分07秒279と07秒台のタイムを連発し、ピット作業での遅れを取り戻していった。16周を終えた所で、トップ関口と大湯のタイム差は42秒722。これを見て、carenex TEAM IMPULは関口をピットに呼び戻す。17周を終えてピットに入った関口のクルーは、7秒6という作業を見せ、大湯の前で関口を再びコースに送り出すことに成功した。また、これを見て、翌周ピットに入ったのは、インラップでオーバーテイクシステムをずっと作動させてタイムを稼いでいたという福住。クルーも7秒1という素早い作業を見せ、福住は関口の前でコースに戻ることに成功する。また、関口がタイヤ交換して2周後、20周目の1コーナーでは、オーバーテイクシステムを使った大湯が、イン側からものすごい勢いで関口に並びかけ、オーバーテイクに成功。福住を追う展開となったが、ペースは福住が上。一時7秒以上の差がつくこととなった。その大湯も、一時は関口に2秒余りの差をつけたが、終盤に入ると関口の方がペースが速く、ジリジリと迫る形となった。これに松下、牧野と続いていた。
一方、レース中盤に入って、安定した速さを見せたのは、現在ポイントリーダーの野尻智紀(TEAM MUGEN)。他のドライバーが1分09秒台で走る中、野尻は14周目に前を行く山本をオーバーテイクすると、15周過ぎからは1分08秒台中盤のタイムを連発し、上位集団との見えないタイム差を削り取って行く。タイヤ交換のタイミングも引っ張る作戦で、前を走っていたドライバーたちが次々ピットに入ると、28周を終えた所で見た目上のトップに立った。その後も野尻は1分08秒台の周回を続け、実質4番手に立っていた松下や5番手に立っていた牧野との差を縮めていった。そして、41周を終えた所で、野尻はようやくピットイン。牧野の後ろ、6番手でコースに戻った野尻は、ここから1分07秒072というファステストラップをマークして牧野に迫る。45周目の馬の背ではオーバーテイクシステムを使って、牧野のいんに飛び込もうとするが、ここは牧野が鼻先を乙エタ。49周の馬の背では、今度は野尻がアウトから牧野に並ぶ。だが、やはり牧野がラインを抑え切っている。この争いはファイナルラップの1コーナーまで続いたが、牧野が野尻の攻めを凌ぎ切った。
最終盤に入ると、トップを走る福住は、クルマを労わるためにわずかにペースダウン。それまでにセーフティーマージンを稼いでいたため、最後は危なげなく走り切った。53周を終えてチェッカーを受けた福住は、右手を上げると、その後は両拳を握りしめて歓喜のウィニングラン。フル参戦3年目にして、ようやく初優勝を遂げた。2位には大湯。最後まで大湯を追った関口は3位。関口にとっては、悔しい3位だが、一方今季初表彰台となった。大湯と同様、スタートと早目のピット作業でポジションを上げた松下が4位、牧野が5位、野尻が6位と、トップ6のうち5台はホンダエンジンユーザー勢がズラリ。その中では関口が唯一、トヨタエンジンユーザー勢として気を吐いた。以下、宮田、阪口、アレジ、大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)までがポイントを獲得。ドライバーズランキングでは、野尻のトップは変わらず。6位に入賞した野尻は5ポイントを加算して、53ポイントとなっている。今回2位を獲得したことで、欠場となった平川亮(carenex TEAM IMPUL)に代わり、ランキング2位に浮上したのは大湯。大湯は36ポイントと、野尻を17ポイントで追う形となった。また、ランキング3位に浮上したのが福住。福住は優勝の20ポイントを加算して、34ポイントとなっている。平川はランキング4位に後退。さらに関口が14ポイントを加算し、ランキング5位に浮上した。
ここからシリーズは約2ヶ月のサマーブレイクに入る。後半戦最初のレースが行われるのは、8月28日〜29日の栃木県ツインリンクもてぎとなるが、誰が勝利の美酒を味わうことになるのか。次回も見逃せない1戦になるはずだ。
カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ
曇り空の朝を迎えたスポーツランド菅生。午前中に行われたサポートレースの全日本スーパーフォーミュラ・ライツ第11戦スタート時には、雨もパラつくような天候だった。
しかし、昼頃からは急激に青空が広がり、気温もぐんぐん上昇。気温24℃、路面温度34℃というコンディションのもと、午後1時30分にフォーメーションラップがスタートした。19台のマシンが1周の隊列走行を終え、正規グリッドに着くと、後方でグリーンフラッグが振られ、シグナルオールレッドからブラックアウト。53周先のゴールを目指して、各車が一斉にスタートを切った。
ここでホールショットを奪ったのは、PPの関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)。2番グリッドの牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は若干加速が鈍り、3番グリッドの阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)が2番手に浮上する。これに牧野、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が続くかと思われたが、1コーナーでアウト側のラインを取ってポジションを上げてきたのは5番グリッドの福住。また、7番グリッドの大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)も福住同様、アウト側のラインから4番手にポジションを上げた。
オープニングラップを終えてのオーダーは、関口、阪口、福住、大湯、牧野、宮田、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)、12番グリッドから抜群の動き出しを見せた山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)となっている。
そこから序盤、激しいバトルとなったのは、2番手争い。2周目のSPコーナーからオーバーテイクシステムを作動させた福住が、前を行く阪口に迫る。阪口も防戦のため、オーバーテイクシステムを作動させたが、2台は横並びで3周目の1コーナーに入る形になった。福住がアウト側、阪口がイン側。一方も引けないバトルで、2台ともにオーバーシュート気味だったが、1コーナーから2コーナーに差し掛かる所で阪口のリヤが流れ、ハーフスピン状態になる。阪口はアウト側の福住に軽く接触、福住はコース外側のランオフエリアに少しはみ出す形となったが、そのまま阪口の前に出ることに成功した。一方の阪口もスピンは免れ、走行を続けたが、マシンバランスに問題を抱えたのか、その後の馬の背コーナーでは大湯と牧野、メインストレートでは宮田の先行を許すこととなった。
トップの関口はジリジリと福住を引き離し、7周を終えた時点では2秒549というマージンを稼いでいたが、その後はペースが逆転。10周を終えた所では、その差は1秒822まで詰まってきた。ここでタイヤ交換のウィンドウが開くと、上位で真っ先にピットに飛び込んだのは大湯。その後方では、松下信治(B-Max Racing Team)、高星明誠(carenex TEAM IMPUL)もピットに飛び込む。しかし、大湯は右リヤタイヤの交換に手間取り、作業時間は17秒8。大きく遅れることとなってしまった。しかし、コースに戻った大湯は鬼神の走り。トップが1分09秒台で走っている所、大湯は1分07秒479、1分07秒279と07秒台のタイムを連発し、ピット作業での遅れを取り戻していった。16周を終えた所で、トップ関口と大湯のタイム差は42秒722。これを見て、carenex TEAM IMPULは関口をピットに呼び戻す。17周を終えてピットに入った関口のクルーは、7秒6という作業を見せ、大湯の前で関口を再びコースに送り出すことに成功した。また、これを見て、翌周ピットに入ったのは、インラップでオーバーテイクシステムをずっと作動させてタイムを稼いでいたという福住。クルーも7秒1という素早い作業を見せ、福住は関口の前でコースに戻ることに成功する。また、関口がタイヤ交換して2周後、20周目の1コーナーでは、オーバーテイクシステムを使った大湯が、イン側からものすごい勢いで関口に並びかけ、オーバーテイクに成功。福住を追う展開となったが、ペースは福住が上。一時7秒以上の差がつくこととなった。その大湯も、一時は関口に2秒余りの差をつけたが、終盤に入ると関口の方がペースが速く、ジリジリと迫る形となった。これに松下、牧野と続いていた。
一方、レース中盤に入って、安定した速さを見せたのは、現在ポイントリーダーの野尻智紀(TEAM MUGEN)。他のドライバーが1分09秒台で走る中、野尻は14周目に前を行く山本をオーバーテイクすると、15周過ぎからは1分08秒台中盤のタイムを連発し、上位集団との見えないタイム差を削り取って行く。タイヤ交換のタイミングも引っ張る作戦で、前を走っていたドライバーたちが次々ピットに入ると、28周を終えた所で見た目上のトップに立った。その後も野尻は1分08秒台の周回を続け、実質4番手に立っていた松下や5番手に立っていた牧野との差を縮めていった。そして、41周を終えた所で、野尻はようやくピットイン。牧野の後ろ、6番手でコースに戻った野尻は、ここから1分07秒072というファステストラップをマークして牧野に迫る。45周目の馬の背ではオーバーテイクシステムを使って、牧野のいんに飛び込もうとするが、ここは牧野が鼻先を乙エタ。49周の馬の背では、今度は野尻がアウトから牧野に並ぶ。だが、やはり牧野がラインを抑え切っている。この争いはファイナルラップの1コーナーまで続いたが、牧野が野尻の攻めを凌ぎ切った。
最終盤に入ると、トップを走る福住は、クルマを労わるためにわずかにペースダウン。それまでにセーフティーマージンを稼いでいたため、最後は危なげなく走り切った。53周を終えてチェッカーを受けた福住は、右手を上げると、その後は両拳を握りしめて歓喜のウィニングラン。フル参戦3年目にして、ようやく初優勝を遂げた。2位には大湯。最後まで大湯を追った関口は3位。関口にとっては、悔しい3位だが、一方今季初表彰台となった。大湯と同様、スタートと早目のピット作業でポジションを上げた松下が4位、牧野が5位、野尻が6位と、トップ6のうち5台はホンダエンジンユーザー勢がズラリ。その中では関口が唯一、トヨタエンジンユーザー勢として気を吐いた。以下、宮田、阪口、アレジ、大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)までがポイントを獲得。ドライバーズランキングでは、野尻のトップは変わらず。6位に入賞した野尻は5ポイントを加算して、53ポイントとなっている。今回2位を獲得したことで、欠場となった平川亮(carenex TEAM IMPUL)に代わり、ランキング2位に浮上したのは大湯。大湯は36ポイントと、野尻を17ポイントで追う形となった。また、ランキング3位に浮上したのが福住。福住は優勝の20ポイントを加算して、34ポイントとなっている。平川はランキング4位に後退。さらに関口が14ポイントを加算し、ランキング5位に浮上した。
ここからシリーズは約2ヶ月のサマーブレイクに入る。後半戦最初のレースが行われるのは、8月28日〜29日の栃木県ツインリンクもてぎとなるが、誰が勝利の美酒を味わうことになるのか。次回も見逃せない1戦になるはずだ。
Po. | No. | Driver | Team / Engine | Lap |
---|---|---|---|---|
1 | 36 | ジュリアーノ・アレジ Giuliano Alesi | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA/TRD 01F | 11 |
2 | 39 | 阪口 晴南 Sena Sakaguchi | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA/TRD 01F | 11 |
3 | 51 | 松下 信治 Nobuharu Matsushita | B-Max Racing Team HONDA/M-TEC HR-417E | 11 |
4 | 37 | 宮田 莉朋 Ritomo Miyata | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA/TRD 01F | 11 |
5 | 16 | 野尻 智紀 Tomoki Nojiri | TEAM MUGEN HONDA/M-TEC HR-417E | 11 |
6 | 15 | 大津 弘樹 Hiroki Otsu | Red Bull MUGEN Team Goh HONDA/M-TEC HR-417E | 11 |
7 | 64 | 大湯 都史樹 Toshiki Oyu | TCS NAKAJIMA RACING HONDA/M-TEC HR-417E | 11 |
8 | 14 | 大嶋 和也 Kazuya Oshima | NTT Communications ROOKIE TOYOTA/TRD 01F | 11 |
9 | 1 | 山本 尚貴 Naoki Yamamoto | TCS NAKAJIMA RACING HONDA/M-TEC HR-417E | 11 |
10 | 19 | 関口 雄飛 Yuhi Sekiguchi | carenex TEAM IMPUL TOYOTA/TRD 01F | 11 |
11 | 3 | 山下 健太 Kenta Yamashita | KONDO RACING TOYOTA/TRD 01F | 11 |
12 | 12 | 塚越 広大 Koudai Tsukakoshi | ThreeBond DragoCORSE HONDA/M-TEC HR-417E | 11 |
13 | 5 | 福住 仁嶺 Nirei Fukuzumi | DOCOMO TEAM DANDELION RACING HONDA/M-TEC HR-417E | 11 |
14 | 6 | 牧野 任祐 Tadasuke Makino | DOCOMO TEAM DANDELION RACING HONDA/M-TEC HR-417E | 11 |
15 | 4 | 中山 雄一 Yuichi Nakayama | KONDO RACING TOYOTA/TRD 01F | 11 |
16 | 7 | 小高 一斗 Kazuto Kotaka | KCMG TOYOTA/TRD 01F | 10 |
***** 以上完走 (規定周回数 9Laps) ***** | ||||
38 | 坪井 翔 Sho Tsuboi | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA/TRD 01F | 0 | |
20 | 平川 亮 Ryo Hirakawa | carenex TEAM IMPUL TOYOTA/TRD 01F | 0 | |
18 | 国本 雄資 Yuji Kunimoto | KCMG TOYOTA/TRD 01F | 0 |
カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ