スーパーフォーミュラ:ホンダ 2021年 第3戦 オースポリス レポート
5月15日(土)~16日(日)、大分県オートポリスインターナショナルレーシングコースで2021年度全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第3戦が開催された。 このレースでは昨年より体調を崩し、レースを欠場していた#6 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が戦線に復帰した。また、FIA世界耐久選手権に出場するためいったん日本を離れた#12 タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)は再入国時の隔離期間を満たすことができず今回は欠場し、代役を塚越広大が努めた。
九州地方は週末から天候が崩れた。土曜日のフリー走行では一時的に雨が上がっていた時間帯があったものの、路面コンディションは終始ウエット。滑りやすい路面に足を取られたマシンが再三に渡ってスピン、コースアウトを喫してセッションは赤旗で中断された。途中、雨脚も強まって走行を見合わせるチームも出る中、#64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)がベストタイムを記録。ポイントリーダーの#16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が3番手、#5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が5番手、につけてセッションを終えた。
午後の公式予選セッションは、天候の悪化を考慮して通常のQ1、Q2、Q3から成るノックアウト方式ではなく、40分間の計時方式にて実施された。セッション開始の段階で雨は止んでいたものの、天気予報ではセッション中に天候が悪化する見通しで、各車路面コンディションがいい間にタイムアタックを行おうと一斉にコースインした。しかしHonda/M-TEC勢は、ピット位置が不利だったこともあってコースインが遅れタイムアタックのためのポジション確保に苦慮し、タイムが伸びない。そのうち快調だった#5 福住がコースオフして赤旗の原因となり、それまでのタイムを抹消されてしまった。また、フリー走行でベストタイムを記録していた#65 大湯も快調にタイムを縮めていたが、コースコンディションが悪化したところで勢い余ってコースオフ。赤旗の原因となってタイム抹消のペナルティーを受けた。さらにシリーズ開幕2連勝を遂げている#16 野尻もタイムアタックの機会を失ってタイムが伸びなかった。
この結果、Honda/M-TEC勢の予選結果は#16 野尻が最上位で7番手、#6 牧野が8番手、#12 塚越の9番手と中団に沈むことになってしまった。
日曜日は朝から雨と霧に見舞われ、タイムスケジュールを見直して午後3時にようやく決勝レースを迎えた。雨は止んでいたものの、強風が吹きつけるコンディションでのスタートだった。スタート直後第1コーナーで上位陣がスピンする隙に13番手スタートだった#51 松下信治(B-MAX Racing Team)が一気に順位を上げ、3番手に浮上した。1周目からセーフティカーが介入する波乱の展開のなか、#51 松下は4周目に2番手まで順位を上げ、#15 大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)が3番手、#12 塚越が5番手で続いた。その後、#15大津は徐々に順位を下げ、#12 塚越は単独スピンでポジションダウン。
10周終了時点で雨が突然強まり、再びセーフティカーが介入して13周終了段階でレースは赤旗で中断した。この段階で#51 松下が2番手、#16 野尻が5番手、#15 大津が6番手、#64 大湯が7番手、#1 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)が10番手につけていた。ホームストレート上に全車が停止した状態で天候回復を待ったが、16時30分、大会審査委員会は「回復を見込めない」として11周終了時点でレースの終了を宣言した。
なお、レース後に課されたタイムペナルティーを加算すると、最終結果は#51松下が3位、#16野尻は5位、#15大津は6位、#64大湯は7位、#1山本は9位という順位に。周回数不足でハーフポイントながら、それぞれがシリーズポイントを獲得した。
松下信治(B-Max Racing Team)
「昨年の最終戦以来となる表彰台に上がれました。レースについては少し残念な終わり方でした。もっと走りたかったです。ただ、これだけ荒れたコンディションだったことを考えれば、自分自身の成績は不幸中の幸いだったとも思います。予選では、ピット位置が出口にもっとも遠く不利だったうえに、アタック中のタイムがすべて赤旗にひっかかってしまいました。決勝のスタートではまず3台抜いて、その後、1コーナーの手前でちょうど前方が空いていたので、そこに飛び込んで順位を上げられました。今年は第2戦からの参戦となり、準備などがドタバタでしたがチームが全力でがんばってくれました。いまのところ1台体制で不利な面はあるのですが、チームは僕に集中して仕事をしてくれています。僕がこの週末スーパーフォーミュラを戦えたのは、本当に大勢の人のサポートがあったからこそ。その感謝の気持ちをかみしめながらレースをしていました」
野尻智紀(TEAM MUGEN)
「予選でパフォーマンスを出し切れなかったのが残念です。しかし、ピット位置の問題や赤旗が出るタイミングもありますから、そういう流れを引き寄せられるよう、チーム一丸となって戦っていくことを意識していました。スタート後の1コーナーでは前で混乱があって、それを避けるために大きく順位を落としてしまいました。あの場面で巻き込まれることなく、生き残れたからヨシとします。順位は落としたものの、走っているとマシンのパフォーマンスには力強さが感じられ、このまま路面が乾いていけばチャンスがあると思っていました。レース中にはうまくオーバーテイクができ、一度に3台抜くこともできました。1台ずつ抜いていたらここまで順位を上げることはできなかったでしょう。もし、あのあとレースが再開されていたらおもしろいことになっていたと思います。表彰台には上がれませんでしたが、16号車が速いということをライバルに見せつけることはできましたし、“流れ”はまだ自分にあると思っています。チャンピオン目指してがんばります」
カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ
九州地方は週末から天候が崩れた。土曜日のフリー走行では一時的に雨が上がっていた時間帯があったものの、路面コンディションは終始ウエット。滑りやすい路面に足を取られたマシンが再三に渡ってスピン、コースアウトを喫してセッションは赤旗で中断された。途中、雨脚も強まって走行を見合わせるチームも出る中、#64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)がベストタイムを記録。ポイントリーダーの#16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が3番手、#5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が5番手、につけてセッションを終えた。
午後の公式予選セッションは、天候の悪化を考慮して通常のQ1、Q2、Q3から成るノックアウト方式ではなく、40分間の計時方式にて実施された。セッション開始の段階で雨は止んでいたものの、天気予報ではセッション中に天候が悪化する見通しで、各車路面コンディションがいい間にタイムアタックを行おうと一斉にコースインした。しかしHonda/M-TEC勢は、ピット位置が不利だったこともあってコースインが遅れタイムアタックのためのポジション確保に苦慮し、タイムが伸びない。そのうち快調だった#5 福住がコースオフして赤旗の原因となり、それまでのタイムを抹消されてしまった。また、フリー走行でベストタイムを記録していた#65 大湯も快調にタイムを縮めていたが、コースコンディションが悪化したところで勢い余ってコースオフ。赤旗の原因となってタイム抹消のペナルティーを受けた。さらにシリーズ開幕2連勝を遂げている#16 野尻もタイムアタックの機会を失ってタイムが伸びなかった。
この結果、Honda/M-TEC勢の予選結果は#16 野尻が最上位で7番手、#6 牧野が8番手、#12 塚越の9番手と中団に沈むことになってしまった。
日曜日は朝から雨と霧に見舞われ、タイムスケジュールを見直して午後3時にようやく決勝レースを迎えた。雨は止んでいたものの、強風が吹きつけるコンディションでのスタートだった。スタート直後第1コーナーで上位陣がスピンする隙に13番手スタートだった#51 松下信治(B-MAX Racing Team)が一気に順位を上げ、3番手に浮上した。1周目からセーフティカーが介入する波乱の展開のなか、#51 松下は4周目に2番手まで順位を上げ、#15 大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)が3番手、#12 塚越が5番手で続いた。その後、#15大津は徐々に順位を下げ、#12 塚越は単独スピンでポジションダウン。
10周終了時点で雨が突然強まり、再びセーフティカーが介入して13周終了段階でレースは赤旗で中断した。この段階で#51 松下が2番手、#16 野尻が5番手、#15 大津が6番手、#64 大湯が7番手、#1 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)が10番手につけていた。ホームストレート上に全車が停止した状態で天候回復を待ったが、16時30分、大会審査委員会は「回復を見込めない」として11周終了時点でレースの終了を宣言した。
なお、レース後に課されたタイムペナルティーを加算すると、最終結果は#51松下が3位、#16野尻は5位、#15大津は6位、#64大湯は7位、#1山本は9位という順位に。周回数不足でハーフポイントながら、それぞれがシリーズポイントを獲得した。
松下信治(B-Max Racing Team)
「昨年の最終戦以来となる表彰台に上がれました。レースについては少し残念な終わり方でした。もっと走りたかったです。ただ、これだけ荒れたコンディションだったことを考えれば、自分自身の成績は不幸中の幸いだったとも思います。予選では、ピット位置が出口にもっとも遠く不利だったうえに、アタック中のタイムがすべて赤旗にひっかかってしまいました。決勝のスタートではまず3台抜いて、その後、1コーナーの手前でちょうど前方が空いていたので、そこに飛び込んで順位を上げられました。今年は第2戦からの参戦となり、準備などがドタバタでしたがチームが全力でがんばってくれました。いまのところ1台体制で不利な面はあるのですが、チームは僕に集中して仕事をしてくれています。僕がこの週末スーパーフォーミュラを戦えたのは、本当に大勢の人のサポートがあったからこそ。その感謝の気持ちをかみしめながらレースをしていました」
野尻智紀(TEAM MUGEN)
「予選でパフォーマンスを出し切れなかったのが残念です。しかし、ピット位置の問題や赤旗が出るタイミングもありますから、そういう流れを引き寄せられるよう、チーム一丸となって戦っていくことを意識していました。スタート後の1コーナーでは前で混乱があって、それを避けるために大きく順位を落としてしまいました。あの場面で巻き込まれることなく、生き残れたからヨシとします。順位は落としたものの、走っているとマシンのパフォーマンスには力強さが感じられ、このまま路面が乾いていけばチャンスがあると思っていました。レース中にはうまくオーバーテイクができ、一度に3台抜くこともできました。1台ずつ抜いていたらここまで順位を上げることはできなかったでしょう。もし、あのあとレースが再開されていたらおもしろいことになっていたと思います。表彰台には上がれませんでしたが、16号車が速いということをライバルに見せつけることはできましたし、“流れ”はまだ自分にあると思っています。チャンピオン目指してがんばります」
カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ