スーパーフォーミュラ 第2戦:福住仁嶺が自身初ポールポジション
2021年のスーパーフォーミュラ 第2戦の予選が4月24日(土)に鈴鹿サーキットで行われ、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が自身初のPPを獲得した
午後3時10分。気温17℃、路面温度21℃と朝のフリー走行開始時と同じコンディションのもと、10分間で行われるノックアウト予選Q1のAグループの走行がスタート。今回は、シリーズポイントによって19台が2つのグループに分けられた。
Aグループに振り分けられたのは、大湯、開幕戦に続きサッシャ・フェネストラズの代役を務める中山雄一(KONDO RACING)、同じく牧野任祐の代役を務める笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、国本雄資(KCMG)、大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)、大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、中嶋一貴の代役としてデビューしたジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)の9台。そこから7台がQ2に駒を進める。セッションが始まるとすぐに坪井、笹原、大湯、大津、国本がまずはユーズドタイヤでコースに入り、マシンの状態を確認した。国本以外は、アウトラップを走っただけですぐにピットイン。ニュータイヤに交換し、アタックのタイミングを待つ。国本だけはアウトラップ、インラップと走ってからピットへ。その後、タイヤ交換を行なった。
一方、セッション開始から約3分半というところで、ニュータイヤでコースに入ったのは、平川、中山、アレジ。これに坪井、大湯と続いた。さらに、セッション開始から4分余りというところで笹原もコースイン。そこから30秒待って大島、さらに30秒待って大津もコースへ。国本はセッションの残り時間が約3分となったところで、ようやくコースに入っていった。
国本がコースに入って30秒ほど経ったところでは、平川を先頭に各車がアタックに入る。このアタックで、まずは平川が1分37秒574をマーク。トップに立つ。続いてアタックしていたドライバーたちは、なかなかこのタイムを上回ることができなかった。結局チェッカーが出されても、平川を上回るドライバーはおらず。平川はQ1をトップで通過している。これに続いたのは、アレジ、笹原、国本、坪井、大湯、大津。一方、大嶋と中山はここで敗退することとなってしまった。
10分間のインターバルを経て、Q1のBグループの走行が始まったのは、午後3時30分。このグループに振り分けられたのは、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、山下健太(KONDO RACING)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、開幕戦に続いて小林可夢偉の代役を務めた小高一斗(KCMG)、タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、今回からシリーズに戻ってきた松下信治(B-Max Racing Team)。ここでもセッションが開始されるとすぐに、阪口、福住、関口、山本、野尻、小高、松下、カルデロンがコースイン。マシンの状態を確認するとともに、ブレーキを温めるために、アウトラップを走ってピットに戻った。
一方、セッション開始から3分40秒というところで、いきなりニュータイヤを装着してコースに入ったのは宮田。タイヤ交換をしたカルデロンもこれに続く。そこから約1分待って阪口と松下、さらに30秒待って野尻、福住、山下、関口がコースイン。小高は残り時間が4分20秒となったところで、さらに山本は残り時間が4分となったところでコースイン。アウトラップからすぐアタックラップに入ることとなる。
この中で、まずタイムアタックに入ったのは、宮田。しかし、早目のコースインが裏目に出た。宮田がダンロップコーナーに差し掛かったところでは、小高が目の前に。小高はすぐに進路を譲ったため、宮田のアタックに大きな影響はなかった。だが、シケインでは目の前に山下が現れる。これに引っかかる形で、宮田のセクター4のタイムは伸びなかった。結果、タイムは1分38秒130と37秒台に入れることができなかった。続いてアタックに入ったのは、山本。アウトラップを終えてすぐアタックに入った山本は、各セクターで全体ベストをマーク。1分37秒603を叩き出す。しかし、チェッカーと同時に、福住が1分37秒316をマークし、トップタイムを奪った。また、関口も山本のタイムを上回る1分37秒557をマーク。2番手に浮上した。山本は結局3番手。以下、野尻、松下、山下、そして宮田までがQ1を通過。わずかに及ばず、阪口、小高、カルデロンはここで敗退となっている。
10分間のインターバルを経て、14台から8台に絞り込まれる7分間のQ2が始まったのは、午後3時50分。このセッションでは、開始と同時に、国本がユーズドタイヤでコースイン。アウトラップでピットに戻る。その他のドライバーたちは、いきなりニュータイヤでの走行。セッション開始から1分というところで、笹原を先頭に、坪井、平川、福住、野尻、大津がコースに入る。そこから30秒ほど経過したところで、松下、大湯。さらに30秒ほど経過したところで、宮田、アレジ、関口がコースへ。残り時間が4分30秒となったところでは山下がコースに入った。一方、Q1同様、アウトラップからすぐにアタックに入る計画だった山本は残り時間が3分20秒というところでコースイン。国本もこれに続いた。
この中で、最初にアタックに入ったのは笹原。笹原はチェッカー目前に1分37秒165と、この時点でQ1トップタイムを大きく上回ってきたが、続いてアタックしていたドライバーたちはさらにタイムアップ。中でも、福住はチェッカーと同時に1分36秒646と36秒台真ん中に突入。トップを奪った。これに続いたのは1分36秒936の野尻、1分36秒978の大湯、1分36秒987の関口。デビュー戦となるアレジも1分37秒099で5番手につけ、Q2を突破している。以下、平川、笹原、宮田までがQ2を突破。ホンダエンジン勢、トヨタエンジン勢が4台ずつと互角の戦いになった。一方、ここで敗退となったのは、大津、山本、坪井、松下、国本、山下。アウトラップからすぐにアタックに向かったドライバーは、Q2で路面が陰っていたため、タイヤを温め切ることができなかった。
そして、10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定づける7分間のQ3が始まったのは、午後4時07分。この頃になると雲が切れ、初夏の太陽が顔を覗かせる。そのコンディションのもと、セッションが開始されると、すぐに野尻がコースイン。野尻はアウトラップを終えてピットに戻ると、ピットロードでリヤタイヤだけを交換すると、フロントタイヤは慎重に内圧調整をしただけでコースに戻った。その他のドライバーは、最初から前後ともにニュータイヤを装着。開始から2分というところで福住、笹原、平川。少し遅れて、宮田、アレジ、関口、大湯もコースインしていく。
そして、セッションの残り時間が約1分半となったところで、野尻が最初にアタックラップに入る。そして、チェッカーと同時に、野尻は1分36秒645を叩き出してトップに浮上。しかし、続いてアタックに入っていた福住がこれを上回ってくる。予選中、クルマのセットアップを変更しなかったという福住は、ここで1分36秒449を叩き出すと、自身初のPPを奪った。2番手にはタイヤの使い方を工夫した野尻。最後の最後にアタックしていた大湯が3番手に滑り込み、開幕戦に続いてトップ3はホンダエンジンユーザー勢が独占している。トヨタエンジンユーザー勢のトップは平川。平川は1分36秒794というタイムをマークして、4番手の位置を確保している。以下、笹原、宮田、関口、アレジという結果になった。
明日の決勝は午後2時30分にスタートする。
予選1位:福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「今日の走り出し——フリー走行からすごい調子も悪くなくて、最後のアタックでも結構いい手応えを感じていたので、予選に向けてはいい流れというか気持ち的にもすごく良かったです。予選もQ1から結構順調にアタックできていましたし、そこからほとんどクルマのセットアップも変えることなく、最後までキープしたまま自分自身の走りに集中して、その集中もすごくできていたと思います。こうやってポールポジションを獲るのに結構時間がかかってしまいましたが、獲れたことをうれしく思いますし、獲らせていただいたチームの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。(今回のポールポジション獲得は)単純にうまくいったからと思うんですが、本当に今までは色んなことを考えすぎたりとか、余計なセットアップをしたりとか、ちょっと色んな邪念があったと思います。その中で、今回は『このままで絶対いける』という自信もあったし、そういう自信を持てるクルマでもあったと思います。今回は、サーキットに入る前くらいから、いつもよりはリラックスできた状態で来れていたと思います。もともと鈴鹿においては毎戦調子は良いし、テストのときも調子が良かったので、(サーキットに)入る前から自分の中でも(自信は)ありました。そういうところが今までと違ったのかなと思います。ただ、テストと本場ではまったくコンディションも違うので、今回に関しては、”2&4”で2輪も走っているその中でうまくクルマを仕上げてくれた(チームの)おかげもあって、ポールポジションが獲れたと思います。(初ポールポジションながら、意外と冷静に見えたが?)普通にはしゃぎすぎると恥ずかしいなと思っただけです。まだ決勝でも勝ったことがないですし、ポールポジションを獲ったこともうれしいですが、すぐに明日の決勝のことを考えていたので…。素直にうれしいけれど『明日、しっかり勝とうよ』ということを考えていました。確かに今までポールポジションを逃してきたので、(獲れて)めちゃめちゃうれしいです。このカテゴリーに出て4年目?、1年目はスポットでしたけど、その中でも2、3位というのもいっぱいありましたが、去年に関してはなかなかどのレースでも予選に関してうまくいかないことが多かったですし。まぁでも(ポールポジションを獲れて)安心感やうれしい気持ちはすごくあります」
予選2位:野尻智紀(TEAM MUGEN)
「まず、福住選手に『おめでとう』と言いたいっていうのがはじめにあります。自分のことを振り返ると、走りはじめが少し調子が良くなかったので、そこから色々とセットアップをアジャストしていったんですが、このままだと簡単なセットアップでは直しきれないくらいバランスが取れていなかった…ここではアンダーが出たり、ここではオーバーが出たり、といろいろあったので、自分が思うことを結構伝えて、朝のセッション中から大幅なセット変更をチームにはかなりやってもらって…。走らない時間も少し長かったんですが、そういった積み重ねでここまで来れたのかなというところです。朝から予選に対して、本当にチームがすごくいい働きをしてくれていたので、仕事量が多い中でも集中力を切らさず、完璧に物事をこなすのは難しいことだと思いますが、完璧に仕事をしてくれたチームに感謝しています。僕もなんとかその思いに応えたくて、『ポールポジションを獲りたい』という思いがありました。Q3に関しては、ちょっと福住(仁嶺)選手に足りない(及ばない)なと思っていたので、作戦的にもタイヤの攻め方を変えたりして…。結果的には負けはしましたけど、今日に関してはうまく自分たちの中でうまくリカバーできましたし 明日に向けても自信を持って臨めるんじゃないかと思います。予選に向けては、全部調整しました。まぁ多分、仁嶺が一番わかると思いますけど。最近(レースで)僕がよくやっていることなので(笑)。(予選では各セッションで異なるタイヤ戦略を見せたが?)乗ってる中での違いはタイム差を見てもらうとわかるとおり、0.2〜0.3秒の差がそのままQ3に出ています。一方、福住選手はちょっと今週微妙に手の届かないところに行ってるなと僕らも思っていたし、その辺でなにかをやらないと、チャレンジしないと、彼にQ3で勝つ可能性を見い出せませんでした。鈴鹿サーキットではよく曲がるクルマが必要なんですが、よくリアが粘るクルマも必要なので、そういう意味で少しでもリアのグリップを上げられる方法かもしれないという可能性のある作戦を僕たちは採りました。あのままいってもあまりワクワクしなかったので、違うことをやったほうがワクワクするかな、と思って…(笑)。その辺もあって、いろいろやりきったという感じです」
予選3位:大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
「福住(仁嶺)選手がポールポジションを獲りましたが、この鈴鹿でポールポジションを獲ったというのは本当にすごいなと思います。僕は全然この土曜日、歯が立たないというか、この土俵に立てたことがまずうれしいんですが、福住選手がすばらしい走りで…。もっと僕自身もなにかできたんじゃないかなと今になると思うことが多々あって…。ただ今週、フリー走行に入ってからかなりいろんな問題があって、チームとして予選までにかなりセットアップ以外のことも含め結構バタバタしながら準備してQ1に臨みました。そのあとQ2、Q3とすごくいい態勢でいいものを作ってもらったのでこの順位を取れたと思います。この3番グリッドを獲得できて良かったと思います。レースウィークに入って自信をもって臨んだんですが、ほんとフリー走行がかなりまずい状態だったので、そこからなんとか挽回しなくちゃいけないと思って、もちろんチームもがんばってくれましたし、僕もそれになんとか応えないとと思って予選を走っていました。(野尻智紀が予選で戦略を変えて挑んでいたが?)トライするほど余裕がなかったですね(苦笑)。Q1では僕はデグナー1つ目で飛び出して、タイム抹消になってたと思うんですが、そんなことがあるくらい結構カツカツな状態でQ1から攻めていたので、ちょっとでもリスクを犯したくないというか、セットアップ的にはチャレンジできなかったし、そんな余裕はなかったです。今回は予選で走っただけでも結構汗をかいたくらい暑かったなと感じましたが、ダウンフォースがかなりキーワードになっていたんじゃないかなと思います。結構風向きだったりとか、いつもと違うコンディションだったので、その辺でいいところのセットアップを見つけられた人は上位にいると思うし、そこが結構難しいポイントでしたね」
カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ
午後3時10分。気温17℃、路面温度21℃と朝のフリー走行開始時と同じコンディションのもと、10分間で行われるノックアウト予選Q1のAグループの走行がスタート。今回は、シリーズポイントによって19台が2つのグループに分けられた。
Aグループに振り分けられたのは、大湯、開幕戦に続きサッシャ・フェネストラズの代役を務める中山雄一(KONDO RACING)、同じく牧野任祐の代役を務める笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、国本雄資(KCMG)、大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)、大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、中嶋一貴の代役としてデビューしたジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)の9台。そこから7台がQ2に駒を進める。セッションが始まるとすぐに坪井、笹原、大湯、大津、国本がまずはユーズドタイヤでコースに入り、マシンの状態を確認した。国本以外は、アウトラップを走っただけですぐにピットイン。ニュータイヤに交換し、アタックのタイミングを待つ。国本だけはアウトラップ、インラップと走ってからピットへ。その後、タイヤ交換を行なった。
一方、セッション開始から約3分半というところで、ニュータイヤでコースに入ったのは、平川、中山、アレジ。これに坪井、大湯と続いた。さらに、セッション開始から4分余りというところで笹原もコースイン。そこから30秒待って大島、さらに30秒待って大津もコースへ。国本はセッションの残り時間が約3分となったところで、ようやくコースに入っていった。
国本がコースに入って30秒ほど経ったところでは、平川を先頭に各車がアタックに入る。このアタックで、まずは平川が1分37秒574をマーク。トップに立つ。続いてアタックしていたドライバーたちは、なかなかこのタイムを上回ることができなかった。結局チェッカーが出されても、平川を上回るドライバーはおらず。平川はQ1をトップで通過している。これに続いたのは、アレジ、笹原、国本、坪井、大湯、大津。一方、大嶋と中山はここで敗退することとなってしまった。
10分間のインターバルを経て、Q1のBグループの走行が始まったのは、午後3時30分。このグループに振り分けられたのは、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、山下健太(KONDO RACING)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、開幕戦に続いて小林可夢偉の代役を務めた小高一斗(KCMG)、タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、今回からシリーズに戻ってきた松下信治(B-Max Racing Team)。ここでもセッションが開始されるとすぐに、阪口、福住、関口、山本、野尻、小高、松下、カルデロンがコースイン。マシンの状態を確認するとともに、ブレーキを温めるために、アウトラップを走ってピットに戻った。
一方、セッション開始から3分40秒というところで、いきなりニュータイヤを装着してコースに入ったのは宮田。タイヤ交換をしたカルデロンもこれに続く。そこから約1分待って阪口と松下、さらに30秒待って野尻、福住、山下、関口がコースイン。小高は残り時間が4分20秒となったところで、さらに山本は残り時間が4分となったところでコースイン。アウトラップからすぐアタックラップに入ることとなる。
この中で、まずタイムアタックに入ったのは、宮田。しかし、早目のコースインが裏目に出た。宮田がダンロップコーナーに差し掛かったところでは、小高が目の前に。小高はすぐに進路を譲ったため、宮田のアタックに大きな影響はなかった。だが、シケインでは目の前に山下が現れる。これに引っかかる形で、宮田のセクター4のタイムは伸びなかった。結果、タイムは1分38秒130と37秒台に入れることができなかった。続いてアタックに入ったのは、山本。アウトラップを終えてすぐアタックに入った山本は、各セクターで全体ベストをマーク。1分37秒603を叩き出す。しかし、チェッカーと同時に、福住が1分37秒316をマークし、トップタイムを奪った。また、関口も山本のタイムを上回る1分37秒557をマーク。2番手に浮上した。山本は結局3番手。以下、野尻、松下、山下、そして宮田までがQ1を通過。わずかに及ばず、阪口、小高、カルデロンはここで敗退となっている。
10分間のインターバルを経て、14台から8台に絞り込まれる7分間のQ2が始まったのは、午後3時50分。このセッションでは、開始と同時に、国本がユーズドタイヤでコースイン。アウトラップでピットに戻る。その他のドライバーたちは、いきなりニュータイヤでの走行。セッション開始から1分というところで、笹原を先頭に、坪井、平川、福住、野尻、大津がコースに入る。そこから30秒ほど経過したところで、松下、大湯。さらに30秒ほど経過したところで、宮田、アレジ、関口がコースへ。残り時間が4分30秒となったところでは山下がコースに入った。一方、Q1同様、アウトラップからすぐにアタックに入る計画だった山本は残り時間が3分20秒というところでコースイン。国本もこれに続いた。
この中で、最初にアタックに入ったのは笹原。笹原はチェッカー目前に1分37秒165と、この時点でQ1トップタイムを大きく上回ってきたが、続いてアタックしていたドライバーたちはさらにタイムアップ。中でも、福住はチェッカーと同時に1分36秒646と36秒台真ん中に突入。トップを奪った。これに続いたのは1分36秒936の野尻、1分36秒978の大湯、1分36秒987の関口。デビュー戦となるアレジも1分37秒099で5番手につけ、Q2を突破している。以下、平川、笹原、宮田までがQ2を突破。ホンダエンジン勢、トヨタエンジン勢が4台ずつと互角の戦いになった。一方、ここで敗退となったのは、大津、山本、坪井、松下、国本、山下。アウトラップからすぐにアタックに向かったドライバーは、Q2で路面が陰っていたため、タイヤを温め切ることができなかった。
そして、10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定づける7分間のQ3が始まったのは、午後4時07分。この頃になると雲が切れ、初夏の太陽が顔を覗かせる。そのコンディションのもと、セッションが開始されると、すぐに野尻がコースイン。野尻はアウトラップを終えてピットに戻ると、ピットロードでリヤタイヤだけを交換すると、フロントタイヤは慎重に内圧調整をしただけでコースに戻った。その他のドライバーは、最初から前後ともにニュータイヤを装着。開始から2分というところで福住、笹原、平川。少し遅れて、宮田、アレジ、関口、大湯もコースインしていく。
そして、セッションの残り時間が約1分半となったところで、野尻が最初にアタックラップに入る。そして、チェッカーと同時に、野尻は1分36秒645を叩き出してトップに浮上。しかし、続いてアタックに入っていた福住がこれを上回ってくる。予選中、クルマのセットアップを変更しなかったという福住は、ここで1分36秒449を叩き出すと、自身初のPPを奪った。2番手にはタイヤの使い方を工夫した野尻。最後の最後にアタックしていた大湯が3番手に滑り込み、開幕戦に続いてトップ3はホンダエンジンユーザー勢が独占している。トヨタエンジンユーザー勢のトップは平川。平川は1分36秒794というタイムをマークして、4番手の位置を確保している。以下、笹原、宮田、関口、アレジという結果になった。
明日の決勝は午後2時30分にスタートする。
予選1位:福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「今日の走り出し——フリー走行からすごい調子も悪くなくて、最後のアタックでも結構いい手応えを感じていたので、予選に向けてはいい流れというか気持ち的にもすごく良かったです。予選もQ1から結構順調にアタックできていましたし、そこからほとんどクルマのセットアップも変えることなく、最後までキープしたまま自分自身の走りに集中して、その集中もすごくできていたと思います。こうやってポールポジションを獲るのに結構時間がかかってしまいましたが、獲れたことをうれしく思いますし、獲らせていただいたチームの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。(今回のポールポジション獲得は)単純にうまくいったからと思うんですが、本当に今までは色んなことを考えすぎたりとか、余計なセットアップをしたりとか、ちょっと色んな邪念があったと思います。その中で、今回は『このままで絶対いける』という自信もあったし、そういう自信を持てるクルマでもあったと思います。今回は、サーキットに入る前くらいから、いつもよりはリラックスできた状態で来れていたと思います。もともと鈴鹿においては毎戦調子は良いし、テストのときも調子が良かったので、(サーキットに)入る前から自分の中でも(自信は)ありました。そういうところが今までと違ったのかなと思います。ただ、テストと本場ではまったくコンディションも違うので、今回に関しては、”2&4”で2輪も走っているその中でうまくクルマを仕上げてくれた(チームの)おかげもあって、ポールポジションが獲れたと思います。(初ポールポジションながら、意外と冷静に見えたが?)普通にはしゃぎすぎると恥ずかしいなと思っただけです。まだ決勝でも勝ったことがないですし、ポールポジションを獲ったこともうれしいですが、すぐに明日の決勝のことを考えていたので…。素直にうれしいけれど『明日、しっかり勝とうよ』ということを考えていました。確かに今までポールポジションを逃してきたので、(獲れて)めちゃめちゃうれしいです。このカテゴリーに出て4年目?、1年目はスポットでしたけど、その中でも2、3位というのもいっぱいありましたが、去年に関してはなかなかどのレースでも予選に関してうまくいかないことが多かったですし。まぁでも(ポールポジションを獲れて)安心感やうれしい気持ちはすごくあります」
予選2位:野尻智紀(TEAM MUGEN)
「まず、福住選手に『おめでとう』と言いたいっていうのがはじめにあります。自分のことを振り返ると、走りはじめが少し調子が良くなかったので、そこから色々とセットアップをアジャストしていったんですが、このままだと簡単なセットアップでは直しきれないくらいバランスが取れていなかった…ここではアンダーが出たり、ここではオーバーが出たり、といろいろあったので、自分が思うことを結構伝えて、朝のセッション中から大幅なセット変更をチームにはかなりやってもらって…。走らない時間も少し長かったんですが、そういった積み重ねでここまで来れたのかなというところです。朝から予選に対して、本当にチームがすごくいい働きをしてくれていたので、仕事量が多い中でも集中力を切らさず、完璧に物事をこなすのは難しいことだと思いますが、完璧に仕事をしてくれたチームに感謝しています。僕もなんとかその思いに応えたくて、『ポールポジションを獲りたい』という思いがありました。Q3に関しては、ちょっと福住(仁嶺)選手に足りない(及ばない)なと思っていたので、作戦的にもタイヤの攻め方を変えたりして…。結果的には負けはしましたけど、今日に関してはうまく自分たちの中でうまくリカバーできましたし 明日に向けても自信を持って臨めるんじゃないかと思います。予選に向けては、全部調整しました。まぁ多分、仁嶺が一番わかると思いますけど。最近(レースで)僕がよくやっていることなので(笑)。(予選では各セッションで異なるタイヤ戦略を見せたが?)乗ってる中での違いはタイム差を見てもらうとわかるとおり、0.2〜0.3秒の差がそのままQ3に出ています。一方、福住選手はちょっと今週微妙に手の届かないところに行ってるなと僕らも思っていたし、その辺でなにかをやらないと、チャレンジしないと、彼にQ3で勝つ可能性を見い出せませんでした。鈴鹿サーキットではよく曲がるクルマが必要なんですが、よくリアが粘るクルマも必要なので、そういう意味で少しでもリアのグリップを上げられる方法かもしれないという可能性のある作戦を僕たちは採りました。あのままいってもあまりワクワクしなかったので、違うことをやったほうがワクワクするかな、と思って…(笑)。その辺もあって、いろいろやりきったという感じです」
予選3位:大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
「福住(仁嶺)選手がポールポジションを獲りましたが、この鈴鹿でポールポジションを獲ったというのは本当にすごいなと思います。僕は全然この土曜日、歯が立たないというか、この土俵に立てたことがまずうれしいんですが、福住選手がすばらしい走りで…。もっと僕自身もなにかできたんじゃないかなと今になると思うことが多々あって…。ただ今週、フリー走行に入ってからかなりいろんな問題があって、チームとして予選までにかなりセットアップ以外のことも含め結構バタバタしながら準備してQ1に臨みました。そのあとQ2、Q3とすごくいい態勢でいいものを作ってもらったのでこの順位を取れたと思います。この3番グリッドを獲得できて良かったと思います。レースウィークに入って自信をもって臨んだんですが、ほんとフリー走行がかなりまずい状態だったので、そこからなんとか挽回しなくちゃいけないと思って、もちろんチームもがんばってくれましたし、僕もそれになんとか応えないとと思って予選を走っていました。(野尻智紀が予選で戦略を変えて挑んでいたが?)トライするほど余裕がなかったですね(苦笑)。Q1では僕はデグナー1つ目で飛び出して、タイム抹消になってたと思うんですが、そんなことがあるくらい結構カツカツな状態でQ1から攻めていたので、ちょっとでもリスクを犯したくないというか、セットアップ的にはチャレンジできなかったし、そんな余裕はなかったです。今回は予選で走っただけでも結構汗をかいたくらい暑かったなと感じましたが、ダウンフォースがかなりキーワードになっていたんじゃないかなと思います。結構風向きだったりとか、いつもと違うコンディションだったので、その辺でいいところのセットアップを見つけられた人は上位にいると思うし、そこが結構難しいポイントでしたね」
Po. | No. | Driver | Team / Engine | Gr. | Q3 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | 福住 仁嶺 Nirei Fukuzumi | DOCOMO TEAM DANDELION RACING HONDA/M-TEC HR-417E | B | 1’36.449 |
2 | 16 | 野尻 智紀 Tomoki Nojiri | TEAM MUGEN HONDA/M-TEC HR-417E | B | 1’36.645 |
3 | 64 | 大湯 都史樹 Toshiki Oyu | TCS NAKAJIMA RACING HONDA/M-TEC HR-417E | A | 1’36.673 |
4 | 20 | 平川 亮 Ryo Hirakawa | carenex TEAM IMPUL TOYOTA/TRD 01F | A | 1’36.794 |
5 | 6 | 笹原 右京 Ukyo Sasahara | DOCOMO TEAM DANDELION RACING HONDA/M-TEC HR-417E | A | 1’36.810 |
6 | 37 | 宮田 莉朋 Ritomo Miyata | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA/TRD 01F | B | 1’36.919 |
7 | 19 | 関口 雄飛 Yuhi Sekiguchi | carenex TEAM IMPUL TOYOTA/TRD 01F | B | 1’37.078 |
8 | 36 | ジュリアーノ・アレジ Giuliano Alesi | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA/TRD 01F | A | 1’37.350 |
9 | 15 | 大津 弘樹 Hiroki Otsu | Red Bull MUGEN Team Goh HONDA/M-TEC HR-417E | A | 1’37.310 |
10 | 1 | 山本 尚貴 Naoki Yamamoto | TCS NAKAJIMA RACING HONDA/M-TEC HR-417E | B | 1’37.426 |
11 | 38 | 坪井 翔 Sho Tsuboi | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA/TRD 01F | A | 1’37.502 |
12 | 51 | 松下 信治 Nobuharu Matsushita | Buzz Racing with B-Max HONDA/M-TEC HR-417E | B | 1’37.594 |
13 | 18 | 国本 雄資 Yuji Kunimoto | KCMG TOYOTA/TRD 01F | A | 1’37.736 |
14 | 3 | 山下 健太 Kenta Yamashita | KONDO RACING TOYOTA/TRD 01F | B | 1’37.849 |
15 | 39 | 阪口 晴南 Sena Sakaguchi | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA/TRD 01F | B | 1’38.267 |
16 | 14 | 大嶋 和也 Kazuya Oshima | NTT Communications ROOKIE TOYOTA/TRD 01F | A | 1’38.456 |
17 | 7 | 小高 一斗 Kazuto Kotaka | KCMG TOYOTA/TRD 01F | B | 1’38.429 |
18 | 4 | 中山 雄一 Yuichi Nakayama | KONDO RACING TOYOTA/TRD 01F | A | 1’38.674 |
19 | 12 | タチアナ・カルデロン Tatiana Calderon | ThreeBond DragoCORSE HONDA/M-TEC HR-417E | B | 1’39.189 |
カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ