2025年F1スペインGP時点でのPU使用状況 角田裕毅は全項目で3基以上
2025年F1スペインGPの開幕に先立ち、FIAは全20名のドライバーにおけるパワーユニット(PU)構成要素の使用状況を発表した。これは今季の第9戦となるスペインGP時点までの集計であり、年間規定数を超えた場合にはグリッド降格ペナルティが科される重要なデータとなる。

公開されたリストによれば、レッドブルF1の角田裕毅は、すでにすべてのPU構成要素で規定数に達しているか、それを超過していることが明らかとなった。

特に排気システム(EX)では5基目を投入しており、その他の主要構成(ICE、TC、MGU-H、MGU-K、ES、CE)もすべて3基に達している。これは全ドライバー中で最も進行度が高く、今後のシーズンにおける追加投入とペナルティリスクが懸念される状況だ。

また、同日に発表された別の技術報告書では、アルピーヌF1のフランコ・コラピントがスペインGPに向けて今季4基目のICE(内燃エンジン)と5基目の排気システム(EX)を投入したことが確認された。これはいずれもF1スポーティングレギュレーション28.2条に基づき、年間許容基数内での投入であるため、現時点でのペナルティ対象ではない。

一方で、現時点で最も使用数を抑えているのはマクラーレンのオスカー・ピアストリとランド・ノリスで、エネルギーストア(ES)とコントロールエレクトロニクス(CE)はまだ1基ずつの使用に留まっている。

また、同じくホンダ製PUを使用するレーシングブルズ勢も比較的高い使用数を記録しており、アイザック・ハジャーはEXで4基目を、リアム・ローソンはICE、TC、MGU-H、MGU-Kでそれぞれ3基目を投入済み。ホンダPU勢の過酷な稼働状況が浮き彫りとなっている。

以下は主なドライバーのPU構成要素の使用状況(スペインGP前時点):

■ 角田裕毅(レッドブルF1)
ICE: 3 / TC: 3 / MGU-H: 3 / MGU-K: 3 / ES: 3 / CE: 3 / EX: 5

■ フランコ・コラピント(アルピーヌF1)
ICE: 4(※今回新規投入) / EX: 5(※今回新規投入)

■ マックス・フェルスタッペン(レッドブルF1)
ICE: 2 / TC: 3 / MGU-H: 3 / MGU-K: 2 / ES: 2 / CE: 2 / EX: 4

■ オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
ICE: 2 / TC: 2 / MGU-H: 2 / MGU-K: 2 / ES: 1 / CE: 1 / EX: 2

F1では年間使用数制限を超えるごとにグリッド降格ペナルティが科されるため、今後の戦略や信頼性維持はタイトル争いに直結する重要要素となる。今季は年間を通してのPUコンポーネント管理が例年以上に重要となっており、信頼性と戦略的投入タイミングがタイトル争いに大きな影響を与える可能性がある。とりわけ既に高い使用数に達しているドライバーにとっては、後半戦に向けた対応が注目される。

NoドライバーチームICETCMGU-HMGU-KESCEEX
81オスカー・ピアストリマクラーレン2222112
04ランド・ノリスマクラーレン2222112
16シャルル・ルクレールフェラーリ2222123
44ルイス・ハミルトンフェラーリ2222113
01マックス・フェルスタッペンレッドブル2332224
22角田裕毅レッドブル3333335
63ジョージ・ラッセルメルセデス2222222
12キミ・アントネッリメルセデス2222112
18ランス・ストロールアストンマーティン2222112
14フェルナンド・アロンソアストンマーティン2222222
10ピエール・ガスリーアルピーヌ2223223
43フランコ・コラピントアルピーヌ4444225
31エステバン・オコンハース2222113
87オリバー・ベアマンハース3333114
06アイザック・ハジャーレーシングブルズ2222224
30リアム・ローソンレーシングブルズ3333223
23アレクサンダー・アルボンウィリアムズ2222112
55カルロス・サインツJr.ウィリアムズ2222112
27ニコ・ヒュルケンベルグザウバー2222112
05ガブリエル・ボルトレトザウバー2222112


このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / F1スペインGP / F1マシン