元F1デザイナーが語るミハエル・シューマッハが必要としたマシン特性
ミハエル・シューマッハが1996年にフェラーリに加入したとき、ジョン・バーナードはすでにナイジェル・マンセルやアラン・プロストといった有名ドライバーと仕事をしていた。
特にアラン・プロストは、これまで仕事をした中で最高のドライバーだとさえジョン・バーナードは考えている。
「私にとってベストドライバーは何の疑いの余地もなくアラン・プロストだった。ナイジェルは速かったが、基本的に彼は肝っ玉がデカかったで速かった」とジョン・バーナードは語る。
「ミハエルは速かったが、私は彼がマシンをセットアップする方法が好きではなかった。私にとってそれは進めるべき方法ではなかった。私は彼が2010年にロズベルグと一緒にメルセデスに移籍したときにはこっそりと観察していた」
当時、V10のラバ車とV12のフェラーリ412 T2の両方をテストしたミハエル・シューマッハは、より多くのエンジンブレーキを備えたV12を好んだ。そのことからジョン・バーナードはシューマッハのドライビングスタイルを理解した。それはスロットルを開けていない間にマシンを不安定にさせるとしてゲルハルト・ベルガーとジャン・アレジが嫌ったものだった。
「私はミハエルと話をして、私の見方をうまく伝えようとした」とジョン・バーナードは語る。
「私にとって、マシンを速く走らせる方法は、バックエンドを植えつけ、常に最大のトラクションを後部に与えることができれば、スロットルをより早く開けることができ、より速くなるというものだった」
「ミハエルはそのように運転しませんでした。ミハエルは“マシンのフロント”で運転をしていた。彼はフロントエンドで曲がり、ドカンとコーナーに入れるマシンを望んだ。そのあとでリアをケアしようとした」
「他のすべての人が『我々はそれを好まない。そうすると、バックエンドが流れてしまうからだ』と言っていた」
ミハエル・シューマッハは、メルセデスで3シーズンを過ごし、表彰台を1回獲得した。しかし、それはメルセデスがダブルタイトルを6連覇するターボハイブリッド時代以前のことだった。
「彼は、しばしばロズベルグほど速くなかったので、私は『これは奇妙なことです。何かが起こっている』と考えた」
「これは私の理論にすぎないが、ロズベルグは、バックエンドにうまく吸い付き、アンダーステア周りでできる限りベストを尽くす方法を見つけられるマシンを望むドライバーだ」
「ミハエルはそれが気に入らず、ミハエルようにマシンをセットアップしたとき、彼はロズベルグより速かったが、全体的には速くなかった」
ミハエル・シューマッハは、メルセデスの3シーズンでニコ・ロズベルグを上回ることはできなかった。
「ミハエルのアプローチが問題だったと思う。若い頃のミハエルの反応は驚異的だったが、年を重ねて反応が鈍くなり、そのシステムはうまくいかなかった」
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