元F1王者ニコ・ロズベルグ ベンチャー投資で運用316億円超
F1世界王者としてキャリアを終えてから約10年。ニコ・ロズベルグは、サーキットの外でもその手腕を証明し続けている。

元ドイツ人F1ドライバーで現在はベンチャーキャピタリストとして活動するロズベルグは、自身が率いる投資会社Rosberg Venturesの第3号ファンドとして、1億ドル(約158億円)を調達したと発表した。

この成功により、同社の運用資産総額(AUM)は2億ドル超(約316億円超)に達し、ロズベルグはアスリート出身投資家の中でも有数の実績を持つ存在としての評価を確立した。

引退後のキャリア転換として始まったこの取り組みは、現在ではシリコンバレーの最先端テクノロジーと欧州の機関投資家資本を結びつける投資プラットフォームへと進化している。

今回の成果は、競争が激化するベンチャー投資環境の中で達成されたものだ。2016年のタイトル獲得シーズンと同様に、ロズベルグの集中力と戦略的判断が、他を一歩リードする結果につながったとされている。

報道によれば、このファンドは募集超過となり、投資家からの強い需要を受けて出資枠が制限されたという。現在はAIやソフトウェア分野の有力企業を含むポートフォリオを支えている。

パドックから取締役会へ
ロズベルグのベンチャーキャピタルへの転身は、ルイス・ハミルトンを破った当時と同じ「限界を突く積み重ね」の哲学に基づいている。

2017年の設立当初は「ファンド・オブ・ファンズ」という分散型モデルを採用していたが、その後はリアルタイム分析企業ClickHouseや、電動航空機を手がけるLiliumといった成長企業への直接投資へと舵を切った。

その結果、Tier MobilityやChargePointを含む、評価額10億ドル超のユニコーン企業を4社生み出すポートフォリオを構築している。

単なる名前貸しにとどまらず、ロズベルグはLinkedInでの発信力や国際的な人脈を活用し、投資先企業の商業提携を仲介するなど、実務面でも深く関与していることで知られている。

ニコ・ロズベルグ F1

計算されたリスクの方程式
第3号ファンドのクローズをLinkedInで報告したロズベルグは、需要が「前例のない水準」に達したことを明かした。

「Rosberg Venturesの1億ドル規模の第3号ファンドをクローズした。前例のない需要で募集超過となり、最適なパフォーマンスを確保するため出資枠を制限した」とロズベルグは語った。

「今回も多大な支援をいただき、本当に身が引き締まる思いだ。特に長年のパートナーの信頼に心から感謝している」

さらに彼は、レースの世界で培った経験が、テック投資の不確実性への向き合い方にどう生きているかにも言及している。

「チャンスは掴むものだ。時には成功確率が10%しかなくても、リターンが非常に大きいなら挑戦する」

「失敗の可能性が高い中で、どうして大胆にコミットできるのかと疑問に思うかもしれない。すべては準備にかかっている」

「考えうる失敗シナリオをすべて洗い出し、それにどう対処するか、あるいは影響を最小限に抑える計画を立てる。そうすることで、チャンスに全力で挑む自信が生まれる」

次なる地平線へ
ロズベルグは現在もSky SportsのF1解説者や、登録者150万人を超えるYouTubeクリエイターとして高い知名度を維持しているが、主軸はあくまで投資会社の長期的成長に置かれている。

金融の世界にはチェッカーフラッグのような即時の達成感はないとしながらも、AUMが約316億円超に達したことで得た「火力」は、別の形の高揚感をもたらしているという。

「スポーツでは、時に攻めに出てリスクを全身で受け止めなければならない」

「どのチャンスを取るかを直感的に判断し、ときに成功する。その積み重ねは非常に大きな力になる。ベンチャー投資は長い旅だ」

「レースでフィニッシュラインを越えるほど明確な瞬間はない。しかし、AUMが2億ドル超、約316億円超に達した今のような節目は、前に進み続けるための大きな原動力になる」

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カテゴリー: F1 / ニコ・ロズベルグ