2025年F1 エミリア・ロマーニャGPパワーランキング:角田裕毅はランク外

F1パワーランキングは、F1.comの5人の審査員がグランプリ終了後に各ドライバーを評価し、週末を通してのパフォーマンスに応じて10点満点で採点。専門家のスコアを平均してレーススコアを作成し、そのスコアは総合パワーランキングのリーダーボードでシーズンを通して集計される。

マックス・フェルスタッペンは、オスカー・ピアストリとの勝負を制するには1コーナーが鍵だと理解した上で、まさにその瞬間に勝負を決めた。王者はアウト側から大胆なオーバーテイクを仕掛け、チーム代表のクリスチャン・ホーナーいわく「決めるか、クラッシュするかの賭け」に打って出た。そこから先は、彼の独壇場だった。

アレックス・アルボンとウィリアムズは、マイアミに続く2戦連続のトップ5フィニッシュでイモラでも躍動。スタートタイヤでロングランを行い、バーチャル・セーフティカー(VSC)を最大限活用して表彰台争いに食い込んだ。終盤のセーフティカーにより流れが変わってしまったものの、5位という結果はその奮闘への十分な報酬となった。

ルイス・ハミルトンは予選後、「フェラーリが母国でQ2敗退したことに落胆した」と語ったが、決勝ではVSCとセーフティカーを活かしてポジションを上げ、巧みなオーバーテイクを披露。最終的に4位でフィニッシュし、チェッカー後にはティフォシからの歓声を浴びた。

アイザック・ハジャーの印象的なルーキーシーズンはイモラでも続いた。プラクティスでのスピンから立て直し、Q3進出と9位グリッドを獲得。小さなミスがなければさらに上も狙えたと語りつつ、決勝でもしっかりポイントを加算し、レーシングブルズを支えた。

カルロス・サインツJr.は、予選ではアルボンを上回ったが、決勝ではその逆に。レース中盤にVSC前にピットインしたことで流れを失ったものの、ミッドフィールド後方から8位まで挽回したのは見事だった。

ランド・ノリスは、またしても予選でチームメイトのピアストリやフェルスタッペン、ジョージ・ラッセルに後れを取ったことを反省。しかし決勝ではロングスティントと終盤のタイヤ戦略が功を奏し、ピアストリから2位を奪取。素晴らしいリカバリーを見せた。

オスカー・ピアストリは予選で全てを完璧にこなし、アイルトン・セナの記録に並ぶマクラーレン4連勝の可能性を作り出した。しかし、スタート直後にフェルスタッペンに抜かれ、レース後には「ブレーキが早すぎた」と認めた。さらにVSCの影響もあり、3位は“被害最小化”としては悪くない結果だった。

フェルナンド・アロンソは、ミディアムタイヤで予選5番手という快挙を達成し、アストンマーティンの進化を証明したが、決勝ではVSCとセーフティカーによって流れが崩れ、最終順位は11位。無線では「自分は世界一運が悪いドライバー」と嘆いた。

ニコ・ヒュルケンベルグは、2026年のアウディ参戦を見据えてキック・ザウバーで“仕込みの年”に入っているが、限られたチャンスを最大限に活かした。イモラでもVSCとセーフティカーを駆使してトップ10圏内に近づいたが、終盤にタイヤの新しいライバルに抜かれて惜しくもポイント圏外に。

シャルル・ルクレールは、フェラーリがQ2で敗退した後、「言葉が出ない」と落胆した。決勝では早めのピット戦略が一時功を奏するかに見えたが、VSCに邪魔されて逆効果に。終盤のアルボンとのバトルを制して6位に入ったものの、もっと上を目指していただけに満足とは言えない結果だった。
ランク外
惜しくもパワーランキング入りを逃したのはジョージ・ラッセル。序盤はフェルスタッペンやピアストリに挑む場面も見せたが、タイヤの摩耗が激しく、「ペースがまるでなかった」と語り、「チェッカーを見てホッとした」とレース後に振り返った。

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