フェルスタッペン優勝 春開催のF1日本GPはタイヤがレース展開を左右
2024年のF1世界選手権 第4戦 日本GPの決勝が4月7日(日)に鈴鹿サーキットで行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が優勝。レッドブルがワンツーフィニッシュを飾り、角田裕毅(RB)が10位入賞を果たした。
ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンは、スタート、赤旗中断後のリスタートでもリードを守り、タイヤデグラデーションとアンダーカットが大きな影響を及ぼしたレースをコントロール。鈴鹿で3年連続となるポール・トゥ・ウィンを達成。通算56勝目を挙げた。
2位にはチームメイトのセルジオ・ペレスが続き、レッドブル・レーシングが今シーズン3度目となるワンツーフィニッシュ。エンジン供給元のホンダのホームサーキットで最高の結果を残した。
3位には前戦で優勝したカルロス・サインツJr.(スクーデリア・フェラーリ)が入り、表彰台を獲得。虫垂炎の手術で欠場を強いられたサウジアラビアGP以外、開幕からすべてのレースで表彰台を獲得している。
タイヤデグラデーションがレースを左右
初めての春開催となった日本グランプリ。日曜日の天候は晴れ。桜が咲く鈴鹿サーキットで気温は22度、路面温度は40度と今週末で一番の暖かさのなか、現地時間14時に53周のレースのスタートは切られた。オープニングラップからアクシデント発生。アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)とダニエル・リカルド(RB)がターン2で接触して2台がバリアにクラッシュ。赤旗が提示される。両ドライバーとも無事だが、マシンは大きく破損しており、スペアカーのないウィリアムズにとっては心配な状況だ。
スタンディングでのリスタートに向けて、スタートタイヤのままのドライバー、ハードに交換して1ストップを狙うドライバーに分かれた。路面が荒く、タイヤ摩耗の激しい鈴鹿サーキットでは、タイヤの寿命のコントロールが難しい一方で、アンダーカットがパワフルな効果を生み、この選択がレースを左右することになる。
最終的にレッドブル勢とほぼ同じ戦略をとったサインツが正解となった。フェラーリのシャルル・ルクレールは、第2スティントのミディアムを長めに走る作戦に出たが、最終的に最終スティントのハードでオフセットが生じてサインツに順位を明け渡すことになり、4位でフィニッシュした。
5位のランド・ノリス(マクラーレン)は、リスタート後のミディアムを10周で捨てて、アンダーカットを成功させてフェルスタッペンの後ろにつけたが、高い路面温度はマクラーレンのタイヤをむしばんでいき、フェラーリ勢を抑えることができなかった。
6位のフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)にはそんな傾向は関係なかった。ソフトタイヤでスタートすると、リスタートでもソフトを継続。その後、ミディアム、ハードを巧みなタイヤマネジメントでコントロールした。
7位のジョージ・ラッセルは、マクラーレンよりも高温でのタイヤマネジメントに問題を抱えた。9位でフィニッシュしたルイス・ハミルトンとともにリスタートでハードタイヤに交換して、そこから1ストップを目指したが、両ドライバーとも2セット目のハードを持たせることができず、終盤に中古のミディアムを投入せざるを得なかった。なんとか強引にオスカー・ピアストリを捕えたが、ピアストリのマクラーレンもノリス同様にタイヤに苦労していた。
10位入賞を果たした角田裕毅のRBは今回のレースでは思い切りのいいストラテジーをみせた。ミディアムスタートで順位を落とした後、リスタートでソフトを選択して順位を取り戻す。ハードに交換した後、5台が同時ピットストップするタイミングを逃さず、素晴らしいピット作業でその集団のトップに立つ。結果的にこのストップが10位入賞の決め手となった。
11位のニコ・ヒュルケンベルグは、入賞こそ逃したものの、小松礼雄チーム代表の元でアグレッシブな戦略をみせた。ヒュルケンベルグがソフト、マグヌッセンがハードと戦略を分け、終盤にはヒュルケンベルとマグヌッセンの順位をチームオーダーで入れ替え、ランス・ストロール(アストンマーティン)を仕留めた。ヒュルケンベルグは、赤旗後のリスタートに失敗して17番手まで順位を落としており、それがなければ、角田裕毅とのバトルを制していた可能性もある。
バルテリ・ボッタスが14位でフィニッシュしたザウバーは、スティントの序盤で力強いペースを見せたが、終盤になるとペースダウンするという傾向。また、ピットストップの問題が解決していないため、慎重なピット作業で毎回4秒以上の時間をかけてタイムをロス。それらが解決すれば、ハースと戦えるポテンシャルがあるかもしれない。周冠宇はギアボックスのトラブルでリタイアした
アルピーヌF1チームはリタイアこそしなかったものの同士討ちを演じてマシンにダメージを負って後退。それがなくても、上位でフィニッシュしたミッドフィールドチームと戦えるポテンシャルはなく、厳しい状態が続いている。
ローガン・サージェントは、中盤にRBの角田裕毅を抑える走りを見せたものの、デグナーで単独コースアウトを喫して後退。そこから巻き返すことはできなかった。サージェントはFP1のクラッシュで新しいフロントウイングを壊し、アルボンがマシンを壊したことで、次戦の中国GPに向けてグローブのファクトリーでは忙しい週が続くことなりそうだ。
カテゴリー: F1 / F1レース結果 / F1日本GP
ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンは、スタート、赤旗中断後のリスタートでもリードを守り、タイヤデグラデーションとアンダーカットが大きな影響を及ぼしたレースをコントロール。鈴鹿で3年連続となるポール・トゥ・ウィンを達成。通算56勝目を挙げた。
2位にはチームメイトのセルジオ・ペレスが続き、レッドブル・レーシングが今シーズン3度目となるワンツーフィニッシュ。エンジン供給元のホンダのホームサーキットで最高の結果を残した。
3位には前戦で優勝したカルロス・サインツJr.(スクーデリア・フェラーリ)が入り、表彰台を獲得。虫垂炎の手術で欠場を強いられたサウジアラビアGP以外、開幕からすべてのレースで表彰台を獲得している。
タイヤデグラデーションがレースを左右
初めての春開催となった日本グランプリ。日曜日の天候は晴れ。桜が咲く鈴鹿サーキットで気温は22度、路面温度は40度と今週末で一番の暖かさのなか、現地時間14時に53周のレースのスタートは切られた。オープニングラップからアクシデント発生。アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)とダニエル・リカルド(RB)がターン2で接触して2台がバリアにクラッシュ。赤旗が提示される。両ドライバーとも無事だが、マシンは大きく破損しており、スペアカーのないウィリアムズにとっては心配な状況だ。
スタンディングでのリスタートに向けて、スタートタイヤのままのドライバー、ハードに交換して1ストップを狙うドライバーに分かれた。路面が荒く、タイヤ摩耗の激しい鈴鹿サーキットでは、タイヤの寿命のコントロールが難しい一方で、アンダーカットがパワフルな効果を生み、この選択がレースを左右することになる。
最終的にレッドブル勢とほぼ同じ戦略をとったサインツが正解となった。フェラーリのシャルル・ルクレールは、第2スティントのミディアムを長めに走る作戦に出たが、最終的に最終スティントのハードでオフセットが生じてサインツに順位を明け渡すことになり、4位でフィニッシュした。
5位のランド・ノリス(マクラーレン)は、リスタート後のミディアムを10周で捨てて、アンダーカットを成功させてフェルスタッペンの後ろにつけたが、高い路面温度はマクラーレンのタイヤをむしばんでいき、フェラーリ勢を抑えることができなかった。
6位のフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)にはそんな傾向は関係なかった。ソフトタイヤでスタートすると、リスタートでもソフトを継続。その後、ミディアム、ハードを巧みなタイヤマネジメントでコントロールした。
7位のジョージ・ラッセルは、マクラーレンよりも高温でのタイヤマネジメントに問題を抱えた。9位でフィニッシュしたルイス・ハミルトンとともにリスタートでハードタイヤに交換して、そこから1ストップを目指したが、両ドライバーとも2セット目のハードを持たせることができず、終盤に中古のミディアムを投入せざるを得なかった。なんとか強引にオスカー・ピアストリを捕えたが、ピアストリのマクラーレンもノリス同様にタイヤに苦労していた。
10位入賞を果たした角田裕毅のRBは今回のレースでは思い切りのいいストラテジーをみせた。ミディアムスタートで順位を落とした後、リスタートでソフトを選択して順位を取り戻す。ハードに交換した後、5台が同時ピットストップするタイミングを逃さず、素晴らしいピット作業でその集団のトップに立つ。結果的にこのストップが10位入賞の決め手となった。
11位のニコ・ヒュルケンベルグは、入賞こそ逃したものの、小松礼雄チーム代表の元でアグレッシブな戦略をみせた。ヒュルケンベルグがソフト、マグヌッセンがハードと戦略を分け、終盤にはヒュルケンベルとマグヌッセンの順位をチームオーダーで入れ替え、ランス・ストロール(アストンマーティン)を仕留めた。ヒュルケンベルグは、赤旗後のリスタートに失敗して17番手まで順位を落としており、それがなければ、角田裕毅とのバトルを制していた可能性もある。
バルテリ・ボッタスが14位でフィニッシュしたザウバーは、スティントの序盤で力強いペースを見せたが、終盤になるとペースダウンするという傾向。また、ピットストップの問題が解決していないため、慎重なピット作業で毎回4秒以上の時間をかけてタイムをロス。それらが解決すれば、ハースと戦えるポテンシャルがあるかもしれない。周冠宇はギアボックスのトラブルでリタイアした
アルピーヌF1チームはリタイアこそしなかったものの同士討ちを演じてマシンにダメージを負って後退。それがなくても、上位でフィニッシュしたミッドフィールドチームと戦えるポテンシャルはなく、厳しい状態が続いている。
ローガン・サージェントは、中盤にRBの角田裕毅を抑える走りを見せたものの、デグナーで単独コースアウトを喫して後退。そこから巻き返すことはできなかった。サージェントはFP1のクラッシュで新しいフロントウイングを壊し、アルボンがマシンを壊したことで、次戦の中国GPに向けてグローブのファクトリーでは忙しい週が続くことなりそうだ。
マックス・フェルスタッペンが鈴鹿サーキットで3年連続ポール・トゥ・ウィン
2024年F1 日本GP 決勝 結果・順位表
順位 | No | ドライバー | チーム | GAP | INT | PIT |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル | 3 | ||
2 | 11 | セルジオ・ペレス | レッドブル | 12.535 | 12.535 | 3 |
3 | 55 | カルロス・サインツ | フェラーリ | 20.866 | 8.441 | 3 |
4 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 26.522 | 5.656 | 2 |
5 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン | 29.700 | 3.178 | 3 |
6 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アストンマーティン | 44.272 | 14.572 | 3 |
7 | 63 | ジョージ・ラッセル | メルセデス | 45.951 | 1.679 | 3 |
8 | 81 | オスカー・ピアストリ | マクラーレン | 47.525 | 1.574 | 3 |
9 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 48.626 | 1.101 | 3 |
10 | 22 | 角田裕毅 | RB | 1L | 48.749 | 3 |
11 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ハース | 1L | 5.566 | 3 |
12 | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン | 1L | 4.065 | 4 |
13 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース | 1L | 6.686 | 2 |
14 | 77 | バルテリ・ボッタス | ザウバー | 1L | 0.974 | 3 |
15 | 31 | エステバン・オコン | アルピーヌ | 1L | 22.259 | 3 |
16 | 10 | ピエール・ガスリー | アルピーヌ | 1L | 13.914 | 3 |
17 | 2 | ローガン・サージェント | ウィリアムズ | 1L | 17.699 | 4 |
DNF | 24 | 周冠宇 | ザウバー | 41L | 40L | 4 |
DNF | 3 | ダニエル・リカルド | RB | |||
DNF | 23 | アレクサンダー・アルボン | ウィリアムズ |
カテゴリー: F1 / F1レース結果 / F1日本GP