F1最終戦ブラジルGP決勝 (ドライバーコメント)
FORMULA 1 Grande Premio do Brasil 2008
1位 フェリペ・マッサ (フェラーリ)
「エキサイティングな1日だった。全てを完璧に行い、ほぼタイトルを獲得しそうだった。僕がフィニッシュラインを越えたあと、レース・エンジニアのロブ・スメドレーが、ハミルトンが5位でフィニッシュして1ポイント差でタイトルを獲ったことを伝えたんだ。これがスポーツだし、受け入れなけなければならない。ルイスにおめでとうと言いたい。最もポイントを獲得した人がタイトルに相応しいんだ。チーム全員と、この素晴らしいシーズンのたくさんのサポートをとても誇りに思う。今は、僕たちの成し遂げた、つまりコンストラクターズタイトルを持ち帰ることに満足しなければならないね。チームにとってとても重要なことだ。浮き沈みのあるシーズンだったけど、良い時期からもミスからも多くを学ぶことができた。再びホームの観客の前で優勝できたし、忘れられない日になったから、胸を張ってインテルラゴスを離れることができるよ。今は家族や友達、そしてチームとお祝いをしたいね。僕たちはそれに値するよ!」
2位 フェルナンド・アロンソ (ルノー)
「今日の2位という結果は、とてもうれしい。コンディションは難しいものだったが、我々はそれでアドバンテージを得ることができた。できることは全て行い、チームは正しい判断を正しいタイミングでし、僕は、ライコネンに抜かれないよう最後までレースをコントロールした。チームにとって最高の結果だったし、シーズン
終盤に向かっていい流れになった」
3位 キミ・ライコネン (フェラーリ)
「チームがコンストラクターズタイトルを獲得できたので満足しているし、1ポイントでタイトルを逃したフェリペを残念に思っている。それがレースだし、僕たちはそれを生かさなければならない。特にステファノ・ドメニカリにとっては、チーム代表としての最初の年に、彼がどれ程のプレッシャーに対処しなければならなかったわかっているし、この結果は素晴らしい報いになると思うので幸せに思うよ。僕のレースは特にエキサイティングなものではなかった。スタートのトラック、特に最初の3つのコーナーはウェットで、ミスをしないようにとても注意したんだ。そのあと、最初のドライタイヤのセットではアンダーステアが多くて、トップのペースについていくのは苦しかった。2つ目のセットでは、だんだん良くなって、なんとかアロンソに接近することができた。そのあと、ウェットになったときはかなり接近したけど、フェリペがタイトルに勝つ可能性があったので、チームはリスクを避けるように伝えてきて、彼にアタックすることを止めたんだ。あまりポジティブではなかったシーズンは終わったので、来年挽回するためにベストを尽くすよ」
4位 セバスチャン・ベッテル (トロ・ロッソ)
「難しい波乱のレースだった。4位という良い結果でシーズンを終えることができたので嬉しい。表彰台を願っていたが、レースではミスを犯さず、チームの努力にふさわしいリザルトを達成することができた。マッサ、アロンソ、そしてハミルトンと戦うことができて最高だった。本当に楽しかったよ!最後はコースアウトしないことだけを考えていたので、自分のポジションも分かっていなかった。そして、他のドライバーと同じようにルイスを抜くことに挑み、成功した。最終コーナーでティモを抜くことができたのは、彼がドライタイヤに苦しんでいたおかげだ。その時、ルイスは僕の後ろにいたが、レインタイヤに交換した最後のピットストップが終わるまでは、自分がどこを走っているのか確かではなかった。もちろん、自分が世界選手権の行方に影響を及ぼしているなんて気付いていなかった。どんどん暗くなっていったので、自分のバックマーカーが誰なのか分かりづらかったし、誰が自分の前を走っているのかも良く分からなかった。重要なのは5ポイントを獲得することができたことだ。素晴らしいシーズンだった」
5位 ルイス・ハミルトン (マクラーレン)
「僕のキャリアの中でももっともドラマチックなレースだった。今の気持ちはなかなか言葉にならない。ここまで本当に長い旅だったが、自分にはいつも家族やチーム、パートナー、そしてファンのサポートがあった。僕たちは自分の仕事をやり抜いた。そのために誰もが犠牲を払ったが、ようやく報いることができたと思う」 「雨が降る前は楽な気持ちでレースをしていた。とくかくクリーンに走り抜くことだけを考えていた。その後、小雨が落ちてきた時は、『リスクだけは冒したくない』と思った。セバスチャン(ベッテル)にオーバーテイクされた後、もう一度彼の前に出なくてはタイトルはない、と無線が入った。自分では何が何だか分からなかった。ファイナルラップの最終コーナーでティモ(グロック)をオーバーテイクすることができた。キャリアの中でももっともタフなレースのひとつだ。『獲ったの? 僕が獲ったの?』と何度も無線で叫んでしまった。チェッカーを受けてクールダウンラップに入って初めて、チームの無線が聞こえた。自分がワールドチャンピオンだと分かった瞬間は、天にも昇るような気持ちになった」
6位 ティモ・グロック (トヨタ)
「レース終盤で激しい雨が降り出したときに、ドライタイヤのまま走行したけれど、最後の周回で順位を維持することができなかった。出来る限りの力を出して頑張ったけれど、コース上にクルマをとどめておくのが困難で、最後の最後で順位を落としてしまった。今週末の序盤はバランスに手こずっていたから、トップ6は悪くないけれど、あと少しで4位に手が届くところだったから残念だよ。トヨタに入って初めてのシーズンが終わり、全体的な結果には満足している。シーズン序盤は決して楽ではなかったけれど、我々はクルマをどんどん改善していったし、1年を通して自分自身も進歩することができた。特にホッケンハイム以来、自分にとって状況は良くなっていった。目標だった20ポイントを獲得し、表彰台にも上がれたのは、良い成果だったと思っている。来年はさらに前進するために、今まで以上に一生懸命頑張っていくよ。」
7位 ヘイキ・コバライネン(マクラーレン)
「今日の最大のニュースは、ルイスがタイトルを獲ったこと。彼はタイトル確定に必要なことをやり遂げたんだ。スタッフの仕事ぶりもチャンピオンの称号にふさわしい。悪夢のブラジルから1年間、スタッフは気持ちを集中させて頑張り抜いた。みんなに『おめでとう』と言いたい。僕は冬の間にもう一度鍛え直して、来年の今頃はガレージの逆側にタイトルを持ってきたいね」
8位 ヤルノ・トゥルーリ (トヨタ)
「波乱万丈なレースだったよ。良いスタートが切れて、1周目はフェリペ・マッサの後を追って良い走行ができた。路面が乾き始めて、ドライタイヤに履き替えた。そして不運にも、私よりも遅いフィジケラの後ろで身動きが取れなくなってしまったんだ。彼を追い抜けるトップスピードはなかったので、何周にも渡りかなりの時間をロスしてしまった。その後、彼から離れてからは、最も速いドライバーのうちのひとりになった。かなりペースを回復して、前を走るドライバー達とのギャップを詰めていったんだけれど、追いつくには十分ではなかった。レース終盤で雨が降り出したときにドライタイヤのままレースを続けることを選択して、最終的にポイントを獲得できた。2番手でスタートしたけれど、それを生かすことができなかったよ。けれど、全体を通して、素晴らしい選手権を戦えることができて満足している。今は、来年に向けてさらに大きな進歩を遂げることを目指すよ。最後に、リチャード・クレーガンと共に歩んだ5年間は素晴らしいものだったこと、また彼の新しいキャリアを心から応援していることを述べておきたい。」
9位 マーク・ウェバー (レッドブル)
「今日は運転が難しかった。ミドルスティントを長く取っていたが、ペースが出ずに苦しんだ。フリー走行で問題がいくつかあることは分かっていたので、レースでそれを解決しようとしたが、最終的にはほとんど解決できなかった。9位の結果は残念だ」
10位 ニック・ハイドフェルド (BMWザウバー)
「今日の最も大きな問題はスタートだった。あまりに多くホイールスピンさせてしまい、その場で文字通りスタックしてしまった。そのあと、いくつか良いオーバーテイクして、ポジションをあげた。後半、マシンのバランスはとても難しくなる傾向にあった。特にトゥルーリの後ろでは、ダウンフォースを失った。レースの後半では、マーク・ウェバーの後ろで彼と戦って、タイヤを痛めてしまった。8周で最初に雨が落ちたのをみたとき、ギャンブルをしてインターミディエイトにするためにピットに入った。失うものはなかった。僕は10位になったけど、残念ながら10位のままだった。とにかく、今日は良いレースではなかったけど、良いシーズンだったよ。ワールドチャンピオンおめでとう!」
11位 ロバート・クビサ (BMWザウバー)
「最後のレースでドライバーズチャンピオンシップの3位を失ったことは、間違いなく最高の状況とはいえない。僕たちは週末の間、あまりにミスが多かったし、それが結果になった。残念なことに、僕たちはトラックコンディションに関して間違った情報を持ってしまって、僕はドライでスタートした。レースの間、かなり長い時間にわたってエイドリアン・スーティルの後ろにつかえてしまった。ファイナルラップでなんとか順位をいくつかあげたけど遅すぎたよ。フェラーリ、そしてルイス・ハミルトン、おめでとう!」
12位 ニコ・ロズベルグ (ウィリアムズ)
「全体的にレースには満足しているよ。こんなに難しいコンディションで、18番グリッドからスタートして12位でフィニッシュしたんだからOKだよ。良いレースができたと思うし、素晴らしいスタートを切って、全てがうまくいった。長いシーズンは終わった。今は冬を楽しみにしている。難しい一年でのチーム全員の努力に感謝しているし、チャンピオンシップを勝ったルイスにおめでとうと言いたい。彼は本当にチャンピオンに値していたよ」
13位 ジェンソン・バトン (ホンダ)
「スタートは良く、最初のいくつかのコーナーで3つポジションを上げた。しかし、そこからはトラフィックにつかまって苦戦した。異例のタイミングでピットから呼ばれ、早めにピットストップを行い、トラフィックから抜け出すために3ストップ作戦に切り替えた。トラフィックから抜けたときには、マシンのパフォーマンスは悪くなかったが、残念ながら戦略がうまく働かなかった。その後、レースの終盤にウエットタイヤに変えるためもう一度ピットストップが必要となり、エキストリームウエットに切り替えたが、うまくいかなかった。この週末、フラストレーションの残るシーズンが終わったわけだが、僕らはそれに耐え、最後のレースまでモチベーションをキープしたことを誇りに思う。」
14位 セバスチャン・ブルデー (トロ・ロッソ)
「かなり良いスタートを切ることができてポジションを守ることができたが、ドライタイヤに交換してからは運転が少し難しくなった。ミスを突かれてティモに抜かれてしまった。フィジケラに追いつくことができたが、最終ターンを上手く抜けることができずにオーバーテイクできなかった。これで、他の選手に距離を縮められてしまった。ヤルノがオーバーテイクを仕掛けてきたのは問題はないが、彼がブレーキングのタイミングを遅らせすぎたために、僕は草地の上に押し出されて6つポジションを落とすことになった。ヤルノに僕のレースが影響を受けたのはこれで連続2回目だ。その後は渋滞から抜け出せることができず、いくらかグレーニングも出ており、ずっと最終コーナーがうまくいっていなかったので、攻撃を仕掛けることはできなかった。最後はチームが雨が強まることに賭けてエキストリーム・ウェットに交換した。そのためにインターミディエイトのクビサにポジションを譲ってしまった。最高の週末とは言い難いね!」
15位 ルーベンス・バリチェロ (ホンダ)
「荒れたレースで、今日の結果には天候が非常に大きな影響を与えた。僕らにとって、マシンパフォーマンスの面で非常に戦闘力を発揮できたレースで、最後のピットストップまでトップ10のすぐ後ろを走っていた。レース終了間際に雨が降ってきたとき、強い雨になった場合を考えてエキストリームウエットに換えるという賭けに出た。しかし、それはうまくいかず、タイヤが完全にオーバーヒートし、3周後に再びピットストップを強いられたときには、いくつかポジションを落としてしまった。僕らは今年、常にマシンから最大限のパフォーマンスを引き出そうと努力し、その成果により、シルバーストンでは表彰台に上ることができた。難しいシーズンに、常に前を向いて努力し続けたチームのみんなに、ありがとうを言いたい。」
16位 エイドリアン・スーティル (フォース・インディア)
「今シーズンの良いフィニッシュだったと思う。少なくとも僕たちはチェッカーフラッグを見ることができた。僕たちの後に2台のクルマがいたし、素晴らしい結果だったよ。序盤はタイヤ選択で正しい戦略をとるのがかなり難しかった。インターミディエイトでスタートして、そのあとドライに戻してからはかなりうまく働いた。最初のセットは多くのグレイニングがでてしまったけど、2つ目は全く問題なかった。最後は、とても暗くて雨が酷くなりそうだったので、エクストリームウェットでギャンブルに出た。でも、雨はすぐに来てくれなくて苦しかったけど、全体的には僕たちができる最大限のことをしたよ」
17位 中嶋一貴 (ウィリアムズ)
「とても残念なレースだったし、1コーナーでほとんど終わってしまった。クルマはボディワークとサスペンションに多くのダメージを負ってしまって、ペースがなくなってしまった。ハミルトンとマッサは素晴らしいチャンピオンシップ争いをしていたようだね。ルイス、おめでとう」
18位 ジャンカルロ・フィジケラ (フォース・インディア)
「いろんなことが起こって、エキサイティングなレースだった。セーフティカーが出た後、ドライタイヤで行ったのは良い決定だったし、そのあとはとても良かったと思う。サーキットの最初の部分を通るのはとても難しかったけど、レースのこの部分は素晴らしかったよ。ターン1とターン2は特に酷くて、ほとんどドライブできなかった。でも、サーキットの残りの部分は、ドライラインがあって、それほど悪くなかった。ラップタイムはとても良くなっていったし、そのあと、僕は3位にいて、良いペースを維持していた。残念なことに、最初のピットストップでクラッチに問題が発生してしまい、順位を落としてしまった。両方のピットストップでクラッチがなくて、多くを失った。最後の雨では、僕たちには失うものがなかったので、エクストリームタイヤというギャンブルに出た。結果にかかわらず、レースは素晴らしいスタートだったし、満足できるパフォーマンスだったよ」
--位 ネルソン・ピケJr. (ルノー)
「他のマシンにぶつかったのか、それとも単独のスピンだったのか、よく分からないが、3コーナーでリヤが流れてスピンを喫してしまった。自分のホームグランプリだったし、レースが荒れた分我々にもアドバンテージを得られるチャンスがあったと思うと、リタイアという結果はとても残念に思う。結果は結果として、この週末のチームのサポートに感謝したい」
--位 デビッド・クルサード (レッドブル)
「とてもショックだ。最後のレースをこんな形で終わらせたくはなかった。ターン1は慎重にイン側のクルマのスペースを十分に取っていたが、残念ながらターン2でロズベルグに接触されてスピンしてしまった。それでも大丈夫だと思ったが、中嶋がクルマの前方に突っ込んできてフロントコーナーが取れてしまった。グリッドに着く前のワームアップラップは良い感じで、ウェットでも問題はなかった。チェッカーフラッグまでたどり着きたかった。普通ならば罰金ものだけれども、ファンのみんなのためにドーナッツをやるつもりだった。思い通りにはならなかったが、文句は言えない。ぼくは素晴らしい仕事に恵まれた。応援してくれたみんな、ありがとう。この4年間のレッドブル・レーシングのメンバー全員の努力にも感謝している。とても楽しい4年間だった。今後もチームと共に仕事を続けていくことを楽しみにしている。今週末のパドックのメンバーの気遣いには感動した。大勢の人々がわざわざ時間をとって「お疲れ様、これからも頑張って」と、声をかけてくれた。本当に嬉しかった。世界チャンピオンにはなれなかったけれども、それでも自分のキャリアに満足しているのだから、良い最後だと言えるだろう」
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