レッドブルF1開発はフェルスタッペン優先か 差拡大で再燃する“セカンド苦戦”

すでに決勝が終了した中で振り返ると、この傾向は予選の段階から明確だった。RB22の進化はフェルスタッペンにはフィットした一方で、アイザック・ハジャーには扱いづらさを増幅させていた。
アップデートで復調 フェルスタッペンは即適応
シーズン序盤に苦戦したレッドブルは、4月のインターバルを使ってマシンの弱点を洗い出し、対策を講じた。
元アドバイザーのヘルムート・マルコは、その成果を強調する。
「レッドブルはマシンにいくつかの問題を見つけ、それに対する解決策を見つけた」
「クルマが再び競争力を持てば、マックスにとっての楽しさも戻り、彼の気分も改善するだろう」
今回のアップデートにはフェラーリ風の“マカレナ”リアウイングが含まれており、マイアミでは即座に競争力向上の兆しを見せた。
チーム代表のローラン・メキースは、その開発背景を説明する。
「疑う人もいるかもしれないが、チームに対して公平に言わなければならない。このコンセプトは、我々がコースに出る前から開発していたものだ」
「これまではより深刻な問題への対応が優先だった。このリアウイングを投入できたこと自体が、チームの努力を示している」
レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼも前進を認める。
「チームにとって非常に非常にポジティブな一日だった」
「前戦から4〜5週間あったことで、すべてのチームが初期テストと開幕戦を振り返り、マシンの限界を理解する時間を得た」

予選で顕在化した差 ハジャーは原因を見失う
しかし、その進化は両ドライバーに同じ恩恵をもたらしたわけではない。
予選ではフェルスタッペンが明確な優位性を示し、場面によっては1秒近い差が開いた。ハジャーはその理由を見いだせず、困惑を隠せない。
「なぜこうなっているのか分からない。今年はこれまで、重要な場面でコンマ1秒以上遅れることはなかった」
「何が起きているのか分からない。でも、自分がドライブできることは分かっている」
「本当にフラストレーションが溜まる。チームメイトに1秒も遅れている」
「最初の3戦では、自分が遅い理由や速い理由が分かっていた。でも今は1秒の差がある。この差がどこから来ているのかを突き止めなければならない」
さらにハジャーはマシンの扱いにくさにも言及する。
「このクルマはまったく楽しくない」
「クルマを理解するのに苦労している。自分にとっては決して前進とは言えない」
“フェルスタッペン寄り”の進化か 再燃する構図
元フェラーリエンジニアのアーネスト・クノールスは、今回の差の背景に開発方向の偏りがある可能性を指摘する。
「このクルマはマックスが求める通りに動いている」
「注目すべきは、マックスがさらに前に出ている一方で、アイザック・ハジャーがすぐ後ろで大きく離されていることだ」
「彼に問題があった可能性もあるが、この数週間でマシンがマックス寄りに進化し、ハジャーにとってはより難しいクルマになっている可能性もある」
レッドブルはこれまでも、エースドライバーに最適化されたマシン特性によってセカンドドライバーが苦戦する傾向が指摘されてきた。今回のアップデートによって、その構図が再び浮き彫りになった形だ。
決勝ではマックス・フェルスタッペンが5位、アイザック・ハジャーがクラッシュによってリタイアに終わった。予選で顕在化したギャップは結果にも直結し、チーム内バランスへの影響が改めて示された。開発の方向性がどこに向かうのかが、今後の焦点となる。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / F1マイアミGP
