レッドブルF1 フェラーリ型“マカレナ”リアウイング投入も設計思想に明確な差
レッドブル・レーシングは、シルバーストンで実施したフィルミングデーで大幅に改良されたRB22を披露した。車体全体に空力変更が施され、その中でも最も注目を集めたのが、フェラーリの革新的な「マカレナ」ウイング構想に対するレッドブル独自の解釈だ。

ただし、レッドブルの設計はフェラーリほど攻撃的ではない。完全回転に近い構造を採用するSF-26に対し、RB22は既存の中央アクチュエーターを生かした保守的な構成を選び、開発スピードと機械的な簡素化を優先している。

RB22に施された全体的な空力変更
レッドブルは、シルバーストンでのフィルミングデーで大きく変更されたRB22を公開した。変更は車体の全長にわたり、フェラーリの革新的な「マカレナ」ウイング構想に対するチーム独自の解釈を示すものとなっている。

ミルトンキーンズを拠点とするチームの最新仕様では、フロントウイングのエンドプレートに新たなウイングレットが装着されたほか、サイドポッドの形状も大きく変化した。

改良されたボディワークは、サイドポッド上面をリアホイール方向へ伸ばす異なる後方ランプ形状を備えており、マシンの空力思想そのものに変化を加えている。

しかし、最も目を引く変更はリアウイングにある。レッドブルは、フェラーリの画期的な設計に対する自らの解釈として、完全に回転するシステムを導入した。

フラップは反転するように回転し、凹面を下向き、凸面を上向きに配置する。これにより、ダウンフォースではなく揚力を発生させる航空機の翼に近い構成を再現する。

フェラーリより保守的なレッドブルの構造
コンセプト自体はフェラーリの革新的な「マカレナ」ウイングを反映しているが、レッドブルの実装はより保守的なエンジニアリングアプローチを示している。

レッドブルは主要な回転機構として中央の垂直アクチュエーターを残し、フラップとエンドプレートの接続部だけを変更した。フラップの回転軸に対して直線状の延長部を追加することで、逆方向の回転を可能にしている。

この設計により、フェラーリのより野心的なシステムほど複雑にすることなく、反転回転を実現している。SF-26のウイングがエンドプレート内に隠された2基のアクチュエーターによって200度を超える完全回転を実現するのに対し、レッドブルの解決策は一方向に約110〜120度の動きにとどまる。



開発スピードを優先したレッドブルの狙い
この戦略的な違いは、レッドブルが機械的な複雑さを抑え、開発期間を短縮することを重視していることを示している。中央アクチュエーターを維持し、回転角を制限することで、大規模な構造補強やエンドプレート側のピボット機構の全面的な再設計を回避した。

対照的に、フェラーリのアプローチにはより広範な設計と検証プログラムが必要になっている。単一の中央アクチュエーターを廃止し、エンドプレート内に隠された2基のユニットに置き換える作業は、多くのエンジニアリングリソースと開発時間を要したことは間違いない。

レッドブルの思想は、最大限の空力ポテンシャルよりも迅速な実装を優先するものだ。ただし、部分的な回転だけでフェラーリのフルレンジシステムがもたらす効果に匹敵できるかどうかは、依然として疑問が残る。

中央アクチュエーターを残したことで、フェラーリの設計が排除している追加のドラッグや乱流が避けられない点も、レッドブル仕様の課題となる。

同じ発想でもマシンごとに答えは異なる
両チームの異なるアプローチは、あるマシン向けに開発された空力コンセプトが、別のマシンにそのまま適用できるわけではないことも示している。レッドブルとフェラーリでは、マシン全体の設計思想が根本的に異なるためだ。

チーム間でコンセプトが波及していることから、回転式リアウイングの発想は今後グリッド全体に広がっていく可能性が高い。マクラーレンも、将来的な開発で独自の「マカレナ」ウイング解釈を導入すると見られている。

Source: RacingNews365

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング