「フェルスタッペンはいずれ去る」 解任直前のホーナーがレッドブルF1に警告

イギリスGP直後、ホーナーはチームから解任されるという衝撃の展開に見舞われたが、その週末はちょうどフェルスタッペンの去就についての憶測が飛び交っていた時期だった。
フェルスタッペンは現在、メルセデスへの移籍の噂の中心におり、実現すればチーム内にさらなる混乱をもたらす恐れがある。この状況のなか、ホーナーは**「マックスは永遠ではない」**と語り、レッドブルの未来に向けた備えの重要性を説いていた。
「マックスがいない日が来る」──ホーナーの警鐘
レース前、ホーナーはMotorsport Weekなどのメディアに対し、次のように述べていた。
「もちろん、マックスはチームの中心的存在であり、すでに10年近くも在籍している。だが、いずれその日──来年かもしれないし、その翌年かもしれないが──マックスがいなくなる日は来る」
「だからこそ、常にその可能性を念頭に置いておかなければならない。チームは未来に向けて投資を続ける必要があるんだ」
「それが何年も先であることを願ってはいるが、確実なことなど何もない。この世界では何ひとつとして立ち止まることはないからね」
「今日のアービッド・リンドブラッドのように、我々は常に若手に機会を与え、次世代を育てる努力を続けている」
このコメントは、チームがリンドブラッドにF1マシンを走らせる機会を与えた当日になされたものであり、レッドブルのドライバープログラムがいかに先を見据えているかを示す発言でもあった。

ホーナー解任の背後にフェルスタッペン陣営?
ホーナーの退任を巡っては、フェルスタッペン側が影響を及ぼしたのではないかとの見方も広がっている。
実際、ここ数ヶ月にわたり、ホーナーとマックスの父ヨス・フェルスタッペンとの間に不穏な空気が流れていたのは周知の事実。チーム内の他の主要メンバー──エイドリアン・ニューウェイやジョナサン・ウィートリーらがチームを去っていることも、組織としての不安定さを物語っている。
Sky Sports F1の『The F1 Show』に出演した元F1ドライバー、マーティン・ブランドルは、こうした背景からフェルスタッペン陣営がホーナー解任に関与した可能性を示唆している。
「舞台裏で何があったかは分からないが、ひとつだけ確かなのは、フェルスタッペン陣営はホーナーの存在を快く思っていなかったということだ」
「彼ら(フェルスタッペン陣営)は何か月にもわたって“手榴弾”を投げ続けており、実際にいくつかは爆発している。それはもう容赦ないレベルだった」
「ヨス(フェルスタッペン)は公の場でも、クリスチャン(ホーナー)がチームを率いるべきではないと語っていたこともあった。だから、彼らがホーナー退任に一役買ったのは間違いないだろう」
チーム崩壊の引き金となるか──フェルスタッペン移籍の行方
フェルスタッペンの将来は、依然としてレッドブルにとって最大の懸念材料だ。ホーナーの退任により、チームの結束力や求心力は確実に揺らいでいる。新体制のもとで、フェルスタッペンがチームに残るのか、それとも“メルセデス行き”という次なる爆弾が炸裂するのか──。
ホーナーの最後の警告が意味するものは、今まさに現実味を帯びてきている。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / マックス・フェルスタッペン