レッドブルF1代表 フェルスタッペンのモナコGPでの戦略は「賭けに出た」
レッドブルF1代表のクリスチャン・ホーナーは、モナコGPでマックス・フェルスタッペンに採用した「オフセット戦略」が“賭け”であったことを認めた。チームは、義務付けられた2回目のピットストップをレース終盤まで引き延ばすことで、ニュールールが生む「リスク」を最大限に活かす判断を下していた。

予選では本来5番手だったフェルスタッペンだが、ルイス・ハミルトンの3グリッド降格により4番グリッドからスタート。ハードタイヤで長い第1スティントを走った後、ミディアムタイヤへ交換してレースを続けた。

新たな規則により全ドライバーに2回のピットストップが義務付けられたが、フェルスタッペンはそれを最大限に引き延ばし、レースの大部分でトップを走行。結局、彼が2回目のピットストップを行ったのはレースの残り2周となった最終盤だった。

結果、フェルスタッペンは4位でチェッカーを受け、勝者ランド・ノリス(マクラーレン)、2位シャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位オスカー・ピアストリ(マクラーレン)に続いた。ホーナーは、もし終盤にアクシデントが発生していれば、レッドブルの戦略が最善の結果をもたらしていたと述べている。

レッドブル F1 モナコGP マックス・フェルスタッペンフェルスタッペンは“オフセット戦略”でレース後半の多くをリードしながら、最終的に4位でフィニッシュ

「今日は少し“賭け”に出た」とホーナーはレース後に語った。

「ハードでスタートした我々の戦略は、最初から引き延ばすことが前提だった。セーフティカーや赤旗が出る可能性に賭けたんだ。モナコではそれが起こることもある」

「マックスはレースの大部分をリードした。でも今回は、皆が実にクリーンだった。最初のピットでは、ピアストリのピットアウト直後に接近する場面もあったけど、せいぜい並ぶくらいだった。だから『もう少し引っ張ろう』という判断になった」

「後半のスティントはミディアムで非常に長く走った。最終ラップでようやくピットインしたけど、その時点でもセーフティカーやVSC、赤旗に期待していた」

一方、チームメイトの角田裕毅についてもホーナーは言及。12番グリッドからスタートした角田裕毅は17位でレースを終えた。

「角田裕毅については逆の戦略を取った。1周目にピットインして大きなアドバンテージを得られるかと思ったが、その後、全車が戦略の駆け引きで極端にペースを落とし始めた」

「結果的に、角田裕毅はほぼ全レースを同じタイヤで走ることになった。終盤になってようやくクリアな空間が得られ、そこで一番速いラップを記録していたけど、それまではずっと渋滞の中で身動きが取れなかった。本当に厳しい一日だった」

角田裕毅 レッドブル F1フェルスタッペンのチームメイトである角田裕毅にとっては、モナコで厳しいレースとなった

今回の2ストップ義務ルールについて、ホーナーは「去年より戦略的には面白くなった」と評価。

「もっと不確定要素が増えた。ウィリアムズやレーシングブルズの動きを見ながら、様々なシナリオを考えていく中で、事態はどんどん展開していった」

「特に、近い位置に2台のマシンを揃えて動けたチームには、今日は有利に働いた」

「通常なら1ストップして後は信頼性を祈るだけの展開になるけど、今回はもう少し“やること”があった」

今後は三連戦の最終戦、スペインGPへと舞台が移る。ホーナーは、レッドブルがイモラでの成功(フェルスタッペンの今季2勝目)を再現できることに期待を寄せている。

「モナコでは、我々のマシンの弱点が露呈するのはわかっていた。だからバルセロナでは、イモラに近いパフォーマンスを再現できることを期待している」

「今日はチャンピオンシップリーダー(ノリス)に対して3ポイントしか失わなかった。まだ1レース勝てば逆転できる位置にいる。レースはあと16戦もある。スプリントも含めて、まだまだチャンスはたくさんある」

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / マックス・フェルスタッペン