レッドブルF1代表 マクラーレンの綻びに警鐘「フェルスタッペンに利あり」
レッドブルF1代表のクリスチャン・ホーナーは、2025年F1シーズンが進行する中で、マクラーレンの両ドライバーが「自己利益」を優先するようになれば、自チームに有利に働く可能性があると示唆した。

エミリア・ロマーニャGPでは、レッドブルが久々に勢いを取り戻し、マックス・フェルスタッペンが今季2勝目を圧倒的な内容で飾った。

これまで好調だったマクラーレンのMCL39が、レッドブルRB21の後塵を拝する形となり、フェルスタッペンが悠々とトップチェッカーを受ける展開となった。

このレースでは、マクラーレンが今後チームオーダーをどう扱うかという議論が再燃。3番手を走行していたランド・ノリスが、チームメイトのオスカー・ピアストリに道を譲ってもらえるかを無線で問いかける場面もあった。

ノリスは新品タイヤを履いており、セーフティカー明けのタイミングでフェルスタッペンに迫れる可能性を感じていた。しかし最終的には、チームの介入なしで自力でピアストリをオーバーテイクし、ノリスが2位、ピアストリが3位でフィニッシュした。

ホーナーはレース後、フェルスタッペンがタイヤのデグラデーションの低さや、バーチャルおよびフルセーフティカーの恩恵をうまく利用して、マクラーレン勢に勝利できたと語った。

「オスカーは序盤にかなりプッシュしていたようで、フロント右タイヤにグレイニングが出始めていた」とホーナーはモータースポーツ・ウィークを含むメディアに説明。

「1ストップか2ストップかギリギリの判断だったが、彼らは2ストップを選び、イモラのピットレーンの長さが27秒あるため、その判断が彼を大きく後方に下げてしまった。トラフィックに苦しむことになり、マックスはその間も走行を続け、タイヤのデグも非常に低かった」

「ランドがクリーンエアで追ってきたが、それでも9.5秒のギャップを十分にコントロールできていた」

「VSCが出て、ピット作業は順調に行われた。オスカーも再度ピットインしたが、その時点で彼はすでにハードタイヤ2セットを使い切っていた」

「最後のセーフティカーでは、マックスもランドもピットインしたが、その結果ランドはオスカーの後ろになってしまった。今や2人ともタイトルを争っているドライバーだからね」

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「パパイヤ・ルール」はレッドブルに利するか?
ホーナーはノリスとピアストリのクリーンなレースぶりを称賛しつつも、今後もこのような状況が続くかについては疑問を呈した。

「いずれの段階であれ、自己利益がチームの利益を上回る瞬間が来る。それが対立なんだ」とホーナーは指摘。

「今回、接触せずに済んだのは立派だったし、チームが自由にレースをさせたのも称賛に値する。ただ、かなり接近していたのも事実だ」

マクラーレンのドライバー同士のレース方針に関しては、昨年のイタリアGP(モンツァ)でも話題になっており、その際にはチームが「パパイヤ・ルール」と呼ばれる指針を設けたことが報じられた。これは「接触のリスクなしに競い合う」というルールだ。

当時はノリスだけがタイトル争いの現実的な位置におり、「なぜピアストリに譲らせなかったのか」という疑問が投げかけられていた。

そして今、両者がタイトル争いの中にいる現在、もし両者が互いにポイントを奪い合う展開になれば、フェルスタッペンとレッドブルにとっては“漁夫の利”となる可能性もある。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / マクラーレンF1チーム / マックス・フェルスタッペン