レッドブル F1マイアミGPで投入の“低リスク”アップグレードの狙い
レッドブル・レーシングは、マイアミGPに向けてマックス・フェルスタッペンのマシンに投入した「低リスク」の変更が、今後のF1タイトル争いの鍵となる安定性の向上につながる可能性があると考えている。

他チームがスプリント開催の週末ということもあり、新パーツの投入を見送る中、レッドブルはこの流れに逆らう形で、フェルスタッペンのRB21にいくつかのフロア変更を施した。

変更点には、アンダーフロアの空力を活性化させるためにフェンス(気流を誘導する仕切り)の位置を変更したことや、局所的なダウンフォースを増加させるために、フロアエッジにキャンバー(反り)のついた小型のウイング形状を追加したことが含まれている。

現在レッドブルが解消しようとしている主な問題の一つが、コーナリング中のバランス不足である。

レッドブル F1 マイアミGP

この変更が純粋なダウンフォースの向上を目的としたものか、それとも安定性の向上を狙ったものかを問われた際、チーフエンジニアのポール・モナハンは「その両方だ。だからこそ今回投入した」と答えている。「この変更は比較的安定していて、スプリント週末でもリスクが少ない。チャンスがあるならやるべきだし、ファクトリーでもそれを実現するために努力してくれた。我々はその恩恵を受けたい」

他チームがスプリント週末にアップグレードを避ける理由は、フリー走行が1回しかなく、予選までに問題を洗い出す時間が限られているためだ。しかし、モナハンはこの変更を「低リスク」と判断した理由について、「空力的な流れの安定性に関しては変化がなく、不安定になる恐れがないからだ」と説明。「数キロ分のダウンフォースを得られるし、我々はその利点を享受できる」と述べている。

レッドブル・レーシング F1 マイアミGP

今回の変更は比較的小規模であり、マシン性能に劇的な変化をもたらすものではないかもしれないが、モナハンは、コーナリング中のバランスの問題を少しでも解消できれば、大きな前進につながる可能性があると確信している。

ただし、その問題を完全に解決するには時間がかかる見通しであり、今後も複数回のアップグレードが必要になる可能性がある。

「サウジアラビア(ジェッダ)やバーレーンで出ていた問題の一部は解消してきた」とモナハンは語る。「だが、完全に解決できたかといえば、おそらくそうではない。これからも取り組みを続けていく」

「一発で解決できるような簡単な問題ではなく、少しずつ改善していくしかない。我々は何が起きているかを理解しているが、それを解決するのは簡単ではない」

「この問題が完全に消えることはないかもしれない。ただ、その影響を減らしてラップタイムを改善することはできる。ミルトン・キーンズには非常に優秀な人材が揃っており、彼らが懸命にこの課題に取り組んでいる。それは必ず成果として現れるはずだ」

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / F1マイアミGP