F1分析:レッドブル、フェラーリに完敗した“スイートスポットの狭さ”
レッドブル・レーシングは、F1オーストラリアGPでフェラーリに完敗を喫した。その要因は路面の進化への対応とそれに伴うRB18の“スイートスポットの狭さ”にあるとF1ジャーナリストのマーク・ヒューズは分析する。
F1オーストラリアGPでは、フェラーリのシャルル・ルクレールが、ポールポジション、全ラップをリード、ファステストラップ、優勝と自身初のグランドスラムを達成する完全勝利で今季2勝目を挙げた。
対するレッドブルは、マックス・フェルスタッペンがシャルル・ルクレールを脅威を与えることなく燃料システムのトラブルでリタイア。代わりに2番手に浮上したセルジオ・ペレスは20秒以上の差をつけられてフィニッシュした。
おそらくフェラーリはアルバート・パークで最速の車だったが、レッドブルは狭いスイートスポットでバランスを見出すことができなかった。
全舗装されたアルバート・パークのトラックの進化にレッドブルは判断を見誤った。ミディアムタイヤでリアのグライイングが発生。レッドブルはそれに応じてダウンフォースレベルを調整し、マックス・フェルスタッペンのセルジオ・ペレスの車の間のバリエーションの中でその方向にいくつかのステップを踏んだ。だが、土曜日にトラックのゴムが乗ってタイヤのチャレンジが根本的に変化したことに気付いたころには時すでに遅し。車はパルクフェルメ状態にあった。
フロントのグレイニングは非常に一般的な問題だったが、特に土曜日以降のレッドブルにとっては問題となった。金曜日にリアのグレイニングに対するセットアップの反応の一部は、リアウィングのフラップを動かすだった。ストレートエンドのスピードアドバンテージはまだそこにあったが、いつもほど大きなものではなくなった。
特にセクター3を含めたアンダーステアを誘発するタイトなコーナーでのバランスは不十分だった。土曜日の朝、ターン13でコースオフしたマックス・フェルスタッペンは「なぜスピンしているのかわからない」と無線で伝えた。「あのコーナーではハンドブレーキのように感じた。車のバランスを感じるのは本当に難しいで」
決勝でのメルセデスとの戦いでターン13で芝生に飛び出したセルジオ・ペレスはさらに詳細に問題を説明した。
「今日のフェラーリは非常に強かったと思う。どの時点でも彼らを匹敵することができまなかった」とセルジオ・ペレスはコメント。
「彼らが一歩先を行ったの週末は初めてだと思う…僕たちは車が少し間違った方向に向いていた…ターン13で多くの妥協をしなければならかったし、それはサーキット全体に本当に影響を及ぼす。特にそのコーナーで目立っていた…僕たちは非常に敏感で、ミスをしやすかった」
リアウイングを小さくしてスピード重視のセットアップを進めたレッドブルに対し、フェラーリは、リアウイングが大きいため、金曜日にはリアのグレイニングが出ず、サーキットの進化に順応し続けた。ミディアムタイヤでのフロントのグレニングは出ていたが、過度ではなかった。
おそらく、フェラーリのスイートスポットはレッドブルよりも広く、多少の変更では外れないため、路面の進化にもしっかりとついていくことができた。
スタートでシャルル・ルクレールがマックス・フェルスタッペンを引き離したことで、レッドブルは追いつくために懸命にプッシュしなければならなかったが、フェラーリのようなバランスがなかったRB18は左フロントのグレイニングを誘発し、ルクレールのバンテージは倍増した。
フェラーリF1-75は非常に用途が広い。あらゆるタイプのコーナーに適し、ストレートに適し、優れたパワーデリバリーとバランスを融資、タイヤとの相性も良い。
ターン9/10やターン1のストレートエンドでかなり酷いポーパシングが出ていたが、シャルル・ルクレールは「それはあまり邪魔にはならなかった」と語る。
「一貫性に影響を与える可能性があるため、それに取り組む必要がある。でも、バウンシングがなかったとしても、もっと速く走れるというわけではない。それが要因となったのはリスタートだけだった。バウシングによってリスタートのターン1で激しいブレーキをかけることができるという確信はなかった。でも、それ以外は大丈夫だった」
カルロス・サインツが予選で失敗し、2周目に単独ミスによってリタイアしたことで、レッドブル2台とフェラーリ1台の対決という構図になりえたが、レッドブルはシャルル・ルクレールに脅威を与えることはできなかった。レッドブルは形勢を逆転させるためにはピットストップ周りでプレッシャーをかける必要があったが、シャルル・ルクレールは、スタート、そして、1回目のセーフティカーのリスタートでもマックス・フェルスタッペンをすぐにDRS圏外に引き離した。
39周目のセバスチャン・ベッテルのクラッシュによって2回目のセーフティカーのチャンスがあり、シャルル・ルクレールは週末全体のほんの少しの危険に苦しんだ。おそらくマックス・フェルスタッペンのことを意識過ぎていたかもしれない。
「最後から2番目のコーナーで、左に留まって準備しようとしたけど、古いラバーを拾って、多くのタイムを失った」とシャルル・ルクレールは語った。
フェラーリはメインストレートに大きくアンダーステアを出し、マックス・フェルスタッペンはそのスリップストリームに入ったが、おそらく彼が目指していたほど近づけなかった。フェルスタッペンのタイヤは理想よりも魏得ていた。その理由をフェルスタッペンはアストンマーティンのセーフティカーが十分に速くなかったためだと考えた。
「最後のコーナーに入ると、シャルルにアンダーステアが出ているのが見えたので、『OK、少し後退して、もっと良いラインを手に入れよう』と思ったけど、グリップがなかった」とマックス・フェルスタッペンは語った。
おそらく、それはレッドブルがリアウィングに余分な角度をつけたセットアップを構築ことが原因となった。シャルル・ルクレールは、マックス・フェルスタッペンをターン1で防除することができ、3コーナー以内にフェラーリはタイヤが回復した。それ以降、ルクレールはタイヤを痛めることなく、ラップごとに0.5秒引き離した。
開幕3戦では、ダウンフォースレベルによって、コーナー重視のフェラーリ、ストレート重視のレッドブルという傾向が見られたが、サーキット特性、そして、週末のタイヤ状況に対応するにはフェラーリの方がスイートスポットの広さという点でレッドブルよりも優勢であり続ける可能性がある。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / F1オーストラリアGP
F1オーストラリアGPでは、フェラーリのシャルル・ルクレールが、ポールポジション、全ラップをリード、ファステストラップ、優勝と自身初のグランドスラムを達成する完全勝利で今季2勝目を挙げた。
対するレッドブルは、マックス・フェルスタッペンがシャルル・ルクレールを脅威を与えることなく燃料システムのトラブルでリタイア。代わりに2番手に浮上したセルジオ・ペレスは20秒以上の差をつけられてフィニッシュした。
おそらくフェラーリはアルバート・パークで最速の車だったが、レッドブルは狭いスイートスポットでバランスを見出すことができなかった。
全舗装されたアルバート・パークのトラックの進化にレッドブルは判断を見誤った。ミディアムタイヤでリアのグライイングが発生。レッドブルはそれに応じてダウンフォースレベルを調整し、マックス・フェルスタッペンのセルジオ・ペレスの車の間のバリエーションの中でその方向にいくつかのステップを踏んだ。だが、土曜日にトラックのゴムが乗ってタイヤのチャレンジが根本的に変化したことに気付いたころには時すでに遅し。車はパルクフェルメ状態にあった。
フロントのグレイニングは非常に一般的な問題だったが、特に土曜日以降のレッドブルにとっては問題となった。金曜日にリアのグレイニングに対するセットアップの反応の一部は、リアウィングのフラップを動かすだった。ストレートエンドのスピードアドバンテージはまだそこにあったが、いつもほど大きなものではなくなった。
特にセクター3を含めたアンダーステアを誘発するタイトなコーナーでのバランスは不十分だった。土曜日の朝、ターン13でコースオフしたマックス・フェルスタッペンは「なぜスピンしているのかわからない」と無線で伝えた。「あのコーナーではハンドブレーキのように感じた。車のバランスを感じるのは本当に難しいで」
決勝でのメルセデスとの戦いでターン13で芝生に飛び出したセルジオ・ペレスはさらに詳細に問題を説明した。
「今日のフェラーリは非常に強かったと思う。どの時点でも彼らを匹敵することができまなかった」とセルジオ・ペレスはコメント。
「彼らが一歩先を行ったの週末は初めてだと思う…僕たちは車が少し間違った方向に向いていた…ターン13で多くの妥協をしなければならかったし、それはサーキット全体に本当に影響を及ぼす。特にそのコーナーで目立っていた…僕たちは非常に敏感で、ミスをしやすかった」
リアウイングを小さくしてスピード重視のセットアップを進めたレッドブルに対し、フェラーリは、リアウイングが大きいため、金曜日にはリアのグレイニングが出ず、サーキットの進化に順応し続けた。ミディアムタイヤでのフロントのグレニングは出ていたが、過度ではなかった。
おそらく、フェラーリのスイートスポットはレッドブルよりも広く、多少の変更では外れないため、路面の進化にもしっかりとついていくことができた。
スタートでシャルル・ルクレールがマックス・フェルスタッペンを引き離したことで、レッドブルは追いつくために懸命にプッシュしなければならなかったが、フェラーリのようなバランスがなかったRB18は左フロントのグレイニングを誘発し、ルクレールのバンテージは倍増した。
フェラーリF1-75は非常に用途が広い。あらゆるタイプのコーナーに適し、ストレートに適し、優れたパワーデリバリーとバランスを融資、タイヤとの相性も良い。
ターン9/10やターン1のストレートエンドでかなり酷いポーパシングが出ていたが、シャルル・ルクレールは「それはあまり邪魔にはならなかった」と語る。
「一貫性に影響を与える可能性があるため、それに取り組む必要がある。でも、バウンシングがなかったとしても、もっと速く走れるというわけではない。それが要因となったのはリスタートだけだった。バウシングによってリスタートのターン1で激しいブレーキをかけることができるという確信はなかった。でも、それ以外は大丈夫だった」
カルロス・サインツが予選で失敗し、2周目に単独ミスによってリタイアしたことで、レッドブル2台とフェラーリ1台の対決という構図になりえたが、レッドブルはシャルル・ルクレールに脅威を与えることはできなかった。レッドブルは形勢を逆転させるためにはピットストップ周りでプレッシャーをかける必要があったが、シャルル・ルクレールは、スタート、そして、1回目のセーフティカーのリスタートでもマックス・フェルスタッペンをすぐにDRS圏外に引き離した。
39周目のセバスチャン・ベッテルのクラッシュによって2回目のセーフティカーのチャンスがあり、シャルル・ルクレールは週末全体のほんの少しの危険に苦しんだ。おそらくマックス・フェルスタッペンのことを意識過ぎていたかもしれない。
「最後から2番目のコーナーで、左に留まって準備しようとしたけど、古いラバーを拾って、多くのタイムを失った」とシャルル・ルクレールは語った。
フェラーリはメインストレートに大きくアンダーステアを出し、マックス・フェルスタッペンはそのスリップストリームに入ったが、おそらく彼が目指していたほど近づけなかった。フェルスタッペンのタイヤは理想よりも魏得ていた。その理由をフェルスタッペンはアストンマーティンのセーフティカーが十分に速くなかったためだと考えた。
「最後のコーナーに入ると、シャルルにアンダーステアが出ているのが見えたので、『OK、少し後退して、もっと良いラインを手に入れよう』と思ったけど、グリップがなかった」とマックス・フェルスタッペンは語った。
おそらく、それはレッドブルがリアウィングに余分な角度をつけたセットアップを構築ことが原因となった。シャルル・ルクレールは、マックス・フェルスタッペンをターン1で防除することができ、3コーナー以内にフェラーリはタイヤが回復した。それ以降、ルクレールはタイヤを痛めることなく、ラップごとに0.5秒引き離した。
開幕3戦では、ダウンフォースレベルによって、コーナー重視のフェラーリ、ストレート重視のレッドブルという傾向が見られたが、サーキット特性、そして、週末のタイヤ状況に対応するにはフェラーリの方がスイートスポットの広さという点でレッドブルよりも優勢であり続ける可能性がある。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / F1オーストラリアGP